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本編・第二部

110 彼女の背中を、思い浮かべていた。(下)

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 さっき目にしたばかりの、アイボリーのスプリングコートを羽織った彼女の背中が、目の前にあるような気がした。黒く短い髪が、大きく揺れる。

(あぁ……あの人は、本当に……)

 どれだけ……俺を、突き堕としていくのだろう。深い、深い。海の底まで。一瀬さんが俺に向ける、あたたかい光しか届かないような、深海の底まで―――突き堕とされていく。

 思考が、言葉にならない感情で真っ白に染まっていく。ゆっくりと、目の前のふたりの姿が滲んだ。熱い雫がまなじりから零れ落ちていく前に、握りしめた右拳でそれを拭った。

「小林。人間の大部分を構成するものは、なんだかわかるか?」

 田邉部長が俺の目を真っ直ぐに見て口を開いた。真っ白に染まった思考を取り戻しながら、その問いに考えを巡らせる。

「人間を…構成、するもの…ですか?」

 構成するもの。意思、だろうか。強い心…強い、身体。思考の端にいくつもの候補が上がる。でも、しっくりくる答えが見つからなかった。

 逡巡する俺を、田邉部長が真っ直ぐに見つめたまま。

「人間の大部分を構成するもの。それは…水、だ」
「…みず……」

 水。人体のおよそ60%が、水分…という雑学の本を読んだのはいつだっただろう。ちょうど…昨年のゴールデンウィークに、図書館に足を運んだ頃だっただろうか。

「そう。生まれがどうあれ、人間を構成する大部分は、水。だから…人は、なんにだってなれる」
「…っ」

 なんにだって…なれる。九十銀行次期頭取の、俺、という以外に。なれるものが、あるだろうか。

「なんにだってなれるからこそ、不可能を可能にできる。不可能の壁を、自分の力で打ち砕いてほしい。……小林自身を必要としている人間は、ここにたくさんいる。このまま…うちで。不可能を、可能にしていってくれないか?」

 田邉部長から投げかけられた言葉に。ゆっくりと、瞠目した。胸の奥が、熱くなる。三木さんが……俺を、俺としてみている、と。感じた時のように。

『怠惰になるな』

 不意に、水野課長代理の言葉が脳裏をよぎった。このまま、叔父に屈して…退職することは、怠惰、ではないのだろうか。次期頭取、を、必要としている人間ではなく……俺自身を、必要としてくれる人たちの…その恩に、報いたい。


 俺は。俺は……






 ―――怠惰で、ありたくない。






 ぐっと決意をし、再度田邉部長の目を見た。

「ご期待に添えられるよう精進いたします」

 俺の言葉を聞いた田邉部長が満足そうに微笑んだ。隣の山崎部長が目を細めて、念押しの表情をみせる。

「翻意、ということで、いいんだね」

 自分の目に、強い意志を込めて。俺は言葉を紡いだ。

「……叔父は、僕から、説得します。ですので…退職願いを、撤回、させてください」

 目の前に座るふたりがほっとしたような顔を向けてくれた。

「香川頭取には週末にでも話に行くだろう?それまでには私の方からも口添えしておく。……今は、噂が飛び交ってきついだろうけれど、しっかり頼むよ。大丈夫。今日の一瀬の言葉は、大部分の社員に届いたはずだ」
「……はい」


 そして俺は……第2研修ルームを退室した。








 告げられた金額を財布から取り出して精算する。自動で後部座席のドアが空いて、足を車内から地面に移動させて、身体を滑らせた。

「……」

 他を圧倒するがごとき、武家屋敷のような造り。久しぶりに訪れた、実家。一年振り…だろうか。

 大学を卒業した日。まるで夜逃げをするように、こっそりと実家の裏口から最低限の荷物だけを持って宵闇に紛れ込んだあの日が、昨日のように思い出される。

 ぐっと唇を噛み締めて、まるで―――牢獄の入り口のような、豪勢な作りの門扉を潜り抜け、石畳を一歩ずつ進み、正面玄関に掲げてある表札の横のインターホンを押した。





「来たか」
「……」

 玄関を開けると、叔父が悠然と立って待っていた。その言葉に、ぺこりと頭を下げる。

「……本題に入る前に、仏壇にいいですか」

 ぐっと、叔父の顔を見上げた。その瞳が、すっと細められて。

「…いいだろう。一年振り、だからな。姉さんも喜ぶだろう」

 叔父が、自らの顎をすっと撫でた。靴を脱いで、久しぶりの実家に足を踏み入れる。長い廊下を滑るように歩き、仏壇の前に座った。

「…ただいま。父さん、母さん」

 そう呟きながら、線香に火を灯すとラベンダーの香りがほのかに漂う。線香から昇る煙が、俺の言葉に返事をするかのようにゆらゆらと揺れた。



 俺の両親は、俺がふたつの時に死んだ。交通事故だったそうだ。両親の姿は、写真でしか見たことがない。父が、母が、どんなひとだったのか…記憶すら、俺にはない。

 兄弟もいない、遺された俺を引き取ったのが、母の弟である叔父だった。実際に育ててくれたのは、頭取の仕事に追われていた叔父本人ではなく、叔父の妻である叔母…なのだが。



「……だからわたくしは言いましたのよ、レベルの低い大学に行かせると、質の低い友人と付き合いが出来て引っ張られる、と」
「…」

 仏間の障子をカラリと開け、叔母育ての母が俺の後ろに座る伯父を睨みつけた。

 グレイヘアを後頭部で綺麗に纏めあげた、品の良い風貌に、黒い瞳。眉山を強調するように整えられた眉が、燃えるような激しい気性の荒さを表している。

 実家ここで暮らしている時にはわからなかったが、離れて過ごした一年で叔母の言動を客観的に振り返ると、冷淡で、それでも自らを愛情深いと思っている人間だ。学歴コンプレックスの強いひとだった。それ故に、人間の価値はステータスで決まるもの、という思想の持ち主だ。

 幼い頃から叔母の思想それを懇々と諭されて育ってきたが、俺は正直、昔からその考え方に辟易していた。



 俺を俺としてみてくれる人は、俺の周りには誰一人いなかった。



 叔母が叔父の少し後ろに正座したのを視界の端で捉え、仏壇の前から立ち上がり、叔父の正面に座り込んだ。

「この家を出た後、どうしたんだ。住まいは? まさかウィークリーを転々としている、などではないだろうな。お前の後見人は私しかいないだろう。連帯保証人もなくどうやってこの一年を過ごした」

 叔父がまるで囚人に詰問をするかのような口調で声を発した。

「……連帯保証人不要の、保証会社を挟む物件を見つけて、そこに」

 俺の言葉に、叔母が額を抑える。

「あなた、ごらんなさい。わたくしはそんな悪知恵が働くような育て方はしておりません。大学での質のよくない友人付き合いの結果でしょう。だから言いましたのに」

 叔母が呆れたように言葉を放って、俺を睨みつける。



 各財閥の子息が通う高校から内部進学で大学に入学しなかったことを根に持っている叔母と、母校の大学を卒業させたかった叔父が、俺が高校を卒業した日に激しく口論していた記憶を思い出した。

 叔父が卒業した大学は過去には旧華族が通うような大学だったが、最近では偏差値も落ちて斜陽しつつある大学だった。結局、俺は……叔父に従い外部進学をした。

 俺の本音を抑圧してきた、叔母に対するせめてもの反抗……だったのだと思う。

 今思えば、外部進学でよかったと思う。肩書きに惹かれて言い寄られ、爛れた生活を送った日々もあったが、藤宮という……唯一の親友を得ることが出来た。



「早いところ格下の会社を辞めて九十銀行に入行なさい。あなたはそのために生まれてきたのです。もう分別のつく歳、わかるでしょう」

 格下の会社。叔母のその言葉に顔を歪めた。嫌そうな顔をしたことに気づいたのだろう、叔母が眉を顰める。

「なんですか、その顔は。今まで育てた恩を忘れたとでも?」
「……いえ」

 両親に先立たれた幼子―――しかも叔母にしてみれば全く血の繋がらない子どもを大学卒業まで育ててくれた。経済が低迷しても困窮することもなく本当に豊かな生活を送らせてもらえた。

 ここを出て独り暮らしを始めた際に痛感した。最低限の日常生活を送ることの、難しさを。食事は自ら作らねばならないし、掃除や洗濯もネットで調べながら悪戦苦闘した。風邪を引いた際は買い物にも行けず料理も出来ず、栄養が取れずに苦しい数日を送った。

 家賃を払い、生活費を払い、税金を払い。人間が生きるためにどれだけのカネが必要かを。独りではない、頼れる人間がいる、という日常生活の贅沢さを。

 それらを、思い知った。……その恩を、忘れたことはない。

「いずれ九十銀行を背負うのならば、付き合う人間は選ばなければ。ですから、わたくしがともに時間を過ごすべき友人を見つけてきたというのに。それらの友人を、その恵まれた環境をすべて捨て去り、何が不満だったのですか」
「……」

 本来ならば自分で育み得ていくはずの友情を、絆を。叔母の価値観のみで叔母が選ぶ、この屈辱は、このひとにはわかるまい。

「……この一年で。俺を俺としてみてくれている人の、ありがたさを知りました」
「何を言い出すかと思えばそんなことですか。いいですか、あなたは選ばれた人間なのです。生まれた瞬間から成功が約束されている人間です。いずれは九十銀行の頭取として華々しい人生を歩むべき存在。ですから、相応の立場にある人間と付き合い、ふさわしい女性を娶る。それがあなたの幸せなのです」

 想像通りすぎる話の内容に、ぎりっと唇を噛む。幼少期から抑えてきた気持ちが。自分の中で、まるで爆発するかのように膨れあがったのがわかった。

「俺の幸せは、俺が掴むものです。あなたたちに決められるものではない」
「達樹。わがままが過ぎるぞ」

 叔父に鋭く窘められる。それでも、せりあがってきたこの感情を押し込めることはできなかった。

「生まれがどうあろうと、俺は俺です。俺は、九十銀行次期頭取、というだけじゃない、小林達樹という、ひとりの人間です」
「ただひとりの人間であることになんの価値があるのですか。そこに肩書きがなければ地を這い蹲って生きる平民と同じです」

 叔母の言葉に頭が沸騰した。
 こんな―――時代錯誤の人間に。

 もう、この人たちに…利用されるだけの人生は、歩みたくない。もう、自分の意思を閉じ込めて生きたく、ない。

「ただの地方銀行の頭取が何のステータスになるというのでしょうか」

 売り言葉に買い言葉。わかっていても、止められやしなかった。

「極東商社は上場企業だ。従業員だって何千人も雇って規模も大きく、世界展開だってしている。それは伯母さんもご存じでしょう。どちらかといえばだだの地方銀行の方が格下ではないでしょうか」

 声に出せなかった、今まで押し込んできた感情のすべてが。俺の中で大きく弾けていく。

「なんですって! ただの株式会社のサラリーマンという人生に何の価値があるのですか! たかだか創業50年程度の企業が、大正時代に設立された九十銀行よりも上だと言うのですか!?」

 叔母の目がきつく吊り上がる。幼少期は、この瞳がとても怖かった。今でも叔母の瞳に射すくめられると、身体の奥から震えが込み上げる。

 それでも、凍りつく喉を叱咤して声を上げ続けた。

「俺は、あなたたちの虚栄心を満たすために産まれてきたわけじゃない。親子だろうがそれぞれ同じ一人の人間だ。俺の人生は、俺のものだ!」




 俺の半分を構成するものは、水。
 そして、―――俺は、独りでは、ない。


「俺は、誰のためでもない、自分のための人生を生きます」


 ここに実体のある人間として、叔父と叔母に対峙しているのは俺、独りだ。


 けれど、俺の心の中に。


 ―――怠惰になるなと諭してくれた、水野課長代理と。
 ―――誰のためでもない自分の人生、と叱ってくれた、三木さんと。
 ―――出自で俺を評価するなと怒ってくれた、一瀬さんと。
 ―――不可能を可能に変えていって欲しいと願ってくれた、田邉部長と。




 たくさんの、人たちが。俺と一緒に、居てくれている。



 誰も信じられない、誰もわかってくれない、誰も助けてくれない。

 遠い昔に俺にかかってしまった呪い。



 それらに立ち向かう力を、たくさんの人たちに貰った。


 だから。俺は―――闘える。ぐっと、手のひらを、血が滲むほど握りしめた。




「明日は。明日の歩む道は、自分で、決めます」




 そう口にして。俺は、叔父の後ろに座る叔母の黒い瞳を、刺し貫くほど睨みつけた。

「っ、くくく」

 その言葉を聞いた俺の目の前に座る叔父が、唐突に笑い出した。その黒い瞳に涙を浮かべながら、俺が子どもの頃に聞いた以来の久しぶりに聞くような大きな笑い声を上げている。

「……」

 どうせ、俺の考えが世俗的な考えだと。青臭い人間の考えることだと、そう言いたいのだろう。次はどのように反論しようかと、深い呼吸をして、頭を回転させ始めた、その瞬間。

「お前をお前として見てくれる人間がいるんだな、あの会社には」
「……」

 叔父が溢れた涙を手根で拭いながら、俺に向き直った。

「極東商社に他行から融資を受けてもらっては困るんでな。俺が身を引こうと思っていた、75歳になる頃。そう、お前が40歳になる頃には、必ず九十銀行に戻ると約束しろ」
「あなた! 何を言い出すのですか!」

 叔母が血相を変えて、叔父の真横ににじり寄った。叔父が首を捻らせて叔母と視線を合わせる。

「今週、来月入行する新卒社員との事前入行面談をしたんだ。そこに、地方の会社の息子さんがいた。興味本位で、なぜそのまま実家の会社を継がなかった? と訊ねた。」

 するとな?と。叔父が、今まで見たこともないようなやわらかい表情で笑いながら。叔母に視線を向けた。

「ひとつ、社会経験。トップの身内であれば叱ってくれる人が減る。ふたつ、人脈構築。いざ継いだ時に事業拡大をする足がかりが掴める。みっつ、柔軟な思考。自社しか知らないと発想が限られ自社の常識に凝り固まってしまう」

 叔母が、叔父のその言葉に青白い顔をしながら、俺の後ろの仏壇を指さした。

「それが、なんだというのですか!? わたくしたちは、義姉さんたちが亡くなった時に、達樹を立派に育てあげようと誓いましたでしょう!?」
「……落ち着きなさい、達樹を立派にするならこそ、この選択をした方がいいのだよ」

 ゆっくりと、叔母を落ち着かせるように叔父が言葉を紡ぐ。

「九十銀行を繁栄させていかねばならないからこそ、他の企業で外の社会を知るべきだ。我々は金貸しだからこそ、借り手の裏側の事情を慮ることができなければならないのだよ」
「……そ、そんな…」

 叔母が、呆然と叔父を見ている。叔父は俺に向き直って。

「わかったな。40歳になるまでは、お前の好きにしていい。きちんと学び取ることは学んでこい。そして………たまにはこちらに帰ってこい。姉さんたちが淋しがる」








 ―――初めて、俺が。俺として、この人たちに認められた。








 それを実感して、涙が零れ落ちそうになった。

「っ、あ、ありがとう…ございます」

 俺は、正座をしたまま、ぐっと頭を下げた。










 立ち向かえた。幼い頃からの呪縛に。

 ようやく、本当の意味で、受け入れることが、出来た。
 九十銀行次期頭取という肩書きを。

 ようやく……手に入れた。
 ただの、小林達樹として、生きる道を。

 これから、何に、なろうか。
 何にでもなれる、水で構成された、俺は。

 何を目指そう。何を得よう。
 あぁ、願わくば、彼女の背中に追いつけるくらいの、人間に―――










「お前を出自で見るな、と怒った社員がいるのだろう? あの子は、死んだ姉さんにそっくりだったね」

 叔父が紡いだ言葉が、俺の中で繋がらない。

「…………は……?」
「あの強い瞳が、そっくりだ。あの子をのだろう、お前は」

 叔父と一瀬さんは、面識がないはず。なぜ、今、一瀬さんの瞳の話しになるのだろう。

 涙で滲んだ視界もそのままに、呆けたようにゆっくりと視線を上げて、叔父の黒い瞳を見つめた。
















「あぁ、かっとなると男女問わず噛み付いて胸ぐらを掴みにいくのもそっくりだったな。早くあの子を姉さんの前に連れてきなさい。義兄さんも、きっと天国で安心するだろう」



















 そうして。俺は、叔父の言葉で、一つの事実に行きついた。

 ずっと。自分の気持ちに気が付かないフリをした、あの日から、ずっと。昂ってしまった日は、一瀬さんを思い浮かべながら、自分を慰めていたのに。



 ―――気が付けば。あのを思い浮かべながら、自分を、慰めている。



(……な、んで、だ)

 急に行き着いた事実に、混乱する。





 だめだ。気が付かない、フリをしては。だめなんだ。

 俺は、一体。何に、気が付かないフリをしている?






 氷漬けされたように、身体が、動かない。







 それでも、俺は。叔父の黒い瞳を見つめながら。


 彼女の背中を、思い浮かべていた。
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