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本編・第二部
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ぱち、と目を開くと、智さんの長いまつ毛が目に入った。……ふざけている。いかにも肉食系な見た目なのに、まつ毛が長くて。羨ましい。私にもその長さを少し分けて欲しい。腹立ちまぎれに、ぷに、と、智さんの頬を軽く摘んだ。そして、ぼんやりと昨晩の出来事を反芻する。
……はじめて、最後まで。抱いてくれた。
圧倒的な圧迫感に痛みよりも苦しさを感じたけれど。智さんが私を優しく、壊れ物のように、それでいて激しく抱くから。あまりにも……幸せで。幸せすぎて、涙が止まらなかった。
ふぅ、と、息を吐いて、身体を起こす。
「……っう、」
全身が痛い。筋肉痛のような、鈍い痛み。声も、僅かに掠れたまま。ベッドサイドの時計を見遣ると、7時半を指していた。もうそろそろ、起きないと。
(……昨日、3回もシたんだった)
むぅ、と、眉間に皺が寄るのが自分でもわかった。
ただただ甘く幸せに包まれてヘロヘロになったあとの2度目は、あの時の会話のことを聞き出されお仕置きと称されて、初めと違って絶え間なく絶頂を迎えさせられた。3度目は……朦朧とした意識の中で、ただただゆっくりと揺らされ、突き上げられて。
『愛してる』
3度目に智さんが果てたとき、そっと呟いてくれた気がした。その言葉を受け止めたの最後に、意識が途切れている。かっと全身が熱くなった。愛してる、だなんて。
(……私が智さんに向ける気持ちは、愛……なんだろうか…)
ずっと一緒にいたい、とは思う。智さんに救われたから。智さんを助けたいし、智さんと一緒に幸せになりたい。
智さんの横に再度寝っ転がる。ふわり、と。智さんがいつも私にするように、智さんの顔の輪郭をなぞる。
「この気持ちが愛かどうかはわからないけれど、智さんを世界一幸せにしたいと思ってますよ?」
ぽつり、と。誰に聞かせるでもなく、呟いた。
……でも。全身が痛くなるまで、くったくたになるまで抱かれるのは、別問題。今度は、智さんの耳を摘んで小さく苦言を呈した。
「……少しは、手加減してくれても良かったと思うのですけれど」
「手加減したぞ?」
「……えっ?」
ぱちり、と。智さんの細く切れ長の瞳が私を捕らえた。驚きのあまり引き攣れた声が自分の喉から飛び出ていく。
「……い、つから起きてらしたんですか」
「ほっぺ摘まれてるくらいから」
「……それ、割と最初から……デスヨネ」
恥ずかしさで顔を赤らめた瞬間、ぐいっと手首を掴まれて、組み敷かれる。ギシリ、と、スプリングが跳ねる音がした。
「……世界一、幸せにしてくれるんだろ? 俺のこと」
「……っ!!!」
聞かれていた。寝てると思っていたから口にした言葉だったというのに。込み上げてくる羞恥心を堪えきれず思いっきり顔を逸らすと、不意に無防備な首筋に口付けられた。舌が這わされて、ぞくりと快感が背筋を這い上がってくる。
「……っふ…ん……」
昨日味わった果てしない快感を思い出し、身体の奥が疼いた。
「……腹減った。知香、食べていい?」
ぽつり、と智さんが呟いた言葉を反芻する。この場合の食べる、は、抱きたい、ということだろう。遅れて理解して、思わず血の気が引いた。
「き、昨日さんざん食べたじゃないですか!?」
「食べ足りない」
そう呟いて、智さんの大きな手が私の身体を問答無用でまさぐっていく。
「ちょぅっ、やぁっ、あれ以上は私持たな……んぅ!?」
深く深く口付けられる。角度を変えて、舌を吸い上げられる。口を閉じて抵抗しようにも、あまりに激しい口付けに抵抗できる術もなく。力で敵う訳がない。
智さんの手が私の胸をむにむにと揉みしだいていく。硬くなったふたつの蕾に智さんの指が触れる。
不意に、ぐっと。智さんの昂りを、腰に押し付けられた。その感触に、自分の身体が快楽を求め始めたのを理解して理性が弾けた。自分の腕から力が抜けていくのを感じる。それを悟った智さんが、私に口付けながらもふっと息を漏らして笑った。
そして……そのまま。私は、途方もない快楽の波に流されていった。
時計はすでに12時半。それなのに、私は布団から起き上がれないでいた。ベッドに腰掛ける智さんを、掛け布団の隙間からじとっと睨みつけたままひどく掠れた声で呟く。
「……けだもの」
「はいはい」
「……性欲魔獣」
「そりゃどうも」
私の言葉に、くすくすと智さんが笑う。信じられない。朝から2回も求められた。昨晩3回もしたのに!しかも、朝の2回目は大変焦らされた。
「……鬼畜っ!」
「ごめんって。でも知香が涙目で『挿れて』って煽るのが悪いんだからな?」
「~~~っ!」
イきたいのに、イかせてくれなくて。焦らされて、理性が吹っ飛んで、本能のまま『挿れて』と叫んだのは記憶にある。
「言ったろ? 俺は知香と出会ったあの日からずうっと我慢してきたんだ。3ヶ月我慢したんだぞ? 本当ならもっとシたいのを我慢してんだけど?」
「なっ……!!!」
全身が茹でダコのように赤くなり、ふい、と、智さんから視線を逸らす。すぅ、と、智さんが目を細めて、声のトーンが変わる。
「……知香さんの、その掠れた声も色っぽくてそそりますねぇ……」
どくん、と、身体の奥が疼いた。私が智さんの声に弱いことを改めて突きつけられて、羞恥心でいっぱいになる。
「っ、智さんの、バカ!!!!」
叫ぶように言葉を投げつけ、私は掛け布団をまた引っ張りあげた。
---
「……智さんって、経験人数どれくらいなんですか」
ずっと思っていた。この人、手慣れすぎてる。昨日も今朝も、ゴムを付けるのだって、片手でいつの間にか終えていて。最中も、鮮やか、ともいえる手つきで私を翻弄するのだから。
私の荷物の中からテキストを持ってきて貰いベッドの中で読みながらベッド横のPCデスクでノートPCを叩いている智さんに問いかけた。
智さんは、起きてからずっとそのノートPCに向き合っている。新部門のリーダーに抜擢された、という話を金曜にお弁当をつついている際に聞いた。お祝いをしなければと思っていたが、綺麗さっぱり忘れてしまっていた。あとで何かを見繕おうと考えて、智さんの返答を待った。
今日は新部門立ち上げに関わる国際情勢や他社の動向などの情報収集をされているようだった。ノートPCのディスプレイには外国の取引先のHPと思われる画面なども表示されている。
私の問いかけに、智さんは「ん?」と首だけを回してこちらに視線を向けた。
「ん~。今まで付き合ったひとは片手で足りるくらい」
その言葉に強い違和感を抱いた。……絶対、嘘だ。付き合ってない、けれど身体の関係だけはある。そういう女性はたくさん居た違いない。
「……信じてねぇな?」
私のじとっとした目線を受け止めた智さんが、今度は椅子ごとくるりと私に向き直って苦笑する。
「ほんとだって。元カノ、っていうのは3人だけ」
「……さんにん」
私の返答に智さんがこくんと頷いて、PCデスクの上の水のペットボトルを取ってくれる。それを受け取りながら、ゆっくりと身体を起こすと、筋肉痛のような引き攣れた痛みに息が詰まった。
「……セフレ、みたいな人は居たんですよね?」
痛みを逃がすように息を吐きながら身体を起こしながら水のボトルを開けて訊ねると、つぅ、と、視線を逸らされた。
(……やっぱり)
やっぱり見た目通り、恋愛に関しては常に肉食系なひとだったのだろうと察した。むぅ、と口の先を尖らせたまま智さんをじとっと睨み続ける。
「……まぁ……なんっつーか。俺、絶倫だし? 求めても逃げられて彼女までには至らない。至ったとしても、結局なんだかんだ逃げられる」
「え」
性欲おばけの所為で逃げられる、と。そういうこと、なのだろうか。想像していた答えと次元が違う答えが返ってきて思わずぴしりと固まった。
「知香もそろそろ俺の性格わかってきたと思うけど、俺、興味を持ったことは調べ尽くすタイプだから。女性のオーガズムに対してもそう。気になるから調べる。知識を得る」
「……はぁ」
営業マンとしての性なのだろうか。顧客の心を掴むための探究心が強いひとなんだろう。それが、そういう知識にも及ぶ、と。そういう事なのか。
「俺は別に経験豊富な訳じゃなくて、理論を知ってるだけ。昨日言ったろ? 人間の身体って実にシステマチックに出来てるんだ」
「……」
昨日、2度目の時になんか色々解説された気がするが……正直ほとんど覚えていない。どんな理論だっただろう、と記憶の海を辿っていると、智さんが面白そうに笑ってこう告げた。
「ま、そういうこと。知香だけだぞ? 朝も夜も付き合ってくれるの」
心から嬉しそうに笑った智さんの笑顔はキラキラと輝いていた。これからこうやって週末は智さんの気が済むまで、調べ尽くされて抱き潰されて翻弄されることになるのか。
もしかしてだけど。いや、きっと、もしかしなくても。
(…………私って、とんでもない人を好きになっちゃったのかも…)
想像すらしていなかった現実に頭を抱えながらベッドサイドの時計を見遣る。テキストを読み耽っていたからかあっという間に時は過ぎて15時を指していた。
冬のやわらかい日差しが寝室に差し込んでいる。その日差しが差し込む床をぼんやり眺めていると、不意に私のスマホが鈍い振動とともに着信を知らせてくれた。そっとスマホを手に取りロック画面を確認して、思わず息がとまった。
「……三木ちゃん?」
画面に表示された名前を復唱し、思わず目を瞬かせた。彼女が日曜日に電話かけてくるなんて、久しぶりだ。
……はじめて、最後まで。抱いてくれた。
圧倒的な圧迫感に痛みよりも苦しさを感じたけれど。智さんが私を優しく、壊れ物のように、それでいて激しく抱くから。あまりにも……幸せで。幸せすぎて、涙が止まらなかった。
ふぅ、と、息を吐いて、身体を起こす。
「……っう、」
全身が痛い。筋肉痛のような、鈍い痛み。声も、僅かに掠れたまま。ベッドサイドの時計を見遣ると、7時半を指していた。もうそろそろ、起きないと。
(……昨日、3回もシたんだった)
むぅ、と、眉間に皺が寄るのが自分でもわかった。
ただただ甘く幸せに包まれてヘロヘロになったあとの2度目は、あの時の会話のことを聞き出されお仕置きと称されて、初めと違って絶え間なく絶頂を迎えさせられた。3度目は……朦朧とした意識の中で、ただただゆっくりと揺らされ、突き上げられて。
『愛してる』
3度目に智さんが果てたとき、そっと呟いてくれた気がした。その言葉を受け止めたの最後に、意識が途切れている。かっと全身が熱くなった。愛してる、だなんて。
(……私が智さんに向ける気持ちは、愛……なんだろうか…)
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智さんの横に再度寝っ転がる。ふわり、と。智さんがいつも私にするように、智さんの顔の輪郭をなぞる。
「この気持ちが愛かどうかはわからないけれど、智さんを世界一幸せにしたいと思ってますよ?」
ぽつり、と。誰に聞かせるでもなく、呟いた。
……でも。全身が痛くなるまで、くったくたになるまで抱かれるのは、別問題。今度は、智さんの耳を摘んで小さく苦言を呈した。
「……少しは、手加減してくれても良かったと思うのですけれど」
「手加減したぞ?」
「……えっ?」
ぱちり、と。智さんの細く切れ長の瞳が私を捕らえた。驚きのあまり引き攣れた声が自分の喉から飛び出ていく。
「……い、つから起きてらしたんですか」
「ほっぺ摘まれてるくらいから」
「……それ、割と最初から……デスヨネ」
恥ずかしさで顔を赤らめた瞬間、ぐいっと手首を掴まれて、組み敷かれる。ギシリ、と、スプリングが跳ねる音がした。
「……世界一、幸せにしてくれるんだろ? 俺のこと」
「……っ!!!」
聞かれていた。寝てると思っていたから口にした言葉だったというのに。込み上げてくる羞恥心を堪えきれず思いっきり顔を逸らすと、不意に無防備な首筋に口付けられた。舌が這わされて、ぞくりと快感が背筋を這い上がってくる。
「……っふ…ん……」
昨日味わった果てしない快感を思い出し、身体の奥が疼いた。
「……腹減った。知香、食べていい?」
ぽつり、と智さんが呟いた言葉を反芻する。この場合の食べる、は、抱きたい、ということだろう。遅れて理解して、思わず血の気が引いた。
「き、昨日さんざん食べたじゃないですか!?」
「食べ足りない」
そう呟いて、智さんの大きな手が私の身体を問答無用でまさぐっていく。
「ちょぅっ、やぁっ、あれ以上は私持たな……んぅ!?」
深く深く口付けられる。角度を変えて、舌を吸い上げられる。口を閉じて抵抗しようにも、あまりに激しい口付けに抵抗できる術もなく。力で敵う訳がない。
智さんの手が私の胸をむにむにと揉みしだいていく。硬くなったふたつの蕾に智さんの指が触れる。
不意に、ぐっと。智さんの昂りを、腰に押し付けられた。その感触に、自分の身体が快楽を求め始めたのを理解して理性が弾けた。自分の腕から力が抜けていくのを感じる。それを悟った智さんが、私に口付けながらもふっと息を漏らして笑った。
そして……そのまま。私は、途方もない快楽の波に流されていった。
時計はすでに12時半。それなのに、私は布団から起き上がれないでいた。ベッドに腰掛ける智さんを、掛け布団の隙間からじとっと睨みつけたままひどく掠れた声で呟く。
「……けだもの」
「はいはい」
「……性欲魔獣」
「そりゃどうも」
私の言葉に、くすくすと智さんが笑う。信じられない。朝から2回も求められた。昨晩3回もしたのに!しかも、朝の2回目は大変焦らされた。
「……鬼畜っ!」
「ごめんって。でも知香が涙目で『挿れて』って煽るのが悪いんだからな?」
「~~~っ!」
イきたいのに、イかせてくれなくて。焦らされて、理性が吹っ飛んで、本能のまま『挿れて』と叫んだのは記憶にある。
「言ったろ? 俺は知香と出会ったあの日からずうっと我慢してきたんだ。3ヶ月我慢したんだぞ? 本当ならもっとシたいのを我慢してんだけど?」
「なっ……!!!」
全身が茹でダコのように赤くなり、ふい、と、智さんから視線を逸らす。すぅ、と、智さんが目を細めて、声のトーンが変わる。
「……知香さんの、その掠れた声も色っぽくてそそりますねぇ……」
どくん、と、身体の奥が疼いた。私が智さんの声に弱いことを改めて突きつけられて、羞恥心でいっぱいになる。
「っ、智さんの、バカ!!!!」
叫ぶように言葉を投げつけ、私は掛け布団をまた引っ張りあげた。
---
「……智さんって、経験人数どれくらいなんですか」
ずっと思っていた。この人、手慣れすぎてる。昨日も今朝も、ゴムを付けるのだって、片手でいつの間にか終えていて。最中も、鮮やか、ともいえる手つきで私を翻弄するのだから。
私の荷物の中からテキストを持ってきて貰いベッドの中で読みながらベッド横のPCデスクでノートPCを叩いている智さんに問いかけた。
智さんは、起きてからずっとそのノートPCに向き合っている。新部門のリーダーに抜擢された、という話を金曜にお弁当をつついている際に聞いた。お祝いをしなければと思っていたが、綺麗さっぱり忘れてしまっていた。あとで何かを見繕おうと考えて、智さんの返答を待った。
今日は新部門立ち上げに関わる国際情勢や他社の動向などの情報収集をされているようだった。ノートPCのディスプレイには外国の取引先のHPと思われる画面なども表示されている。
私の問いかけに、智さんは「ん?」と首だけを回してこちらに視線を向けた。
「ん~。今まで付き合ったひとは片手で足りるくらい」
その言葉に強い違和感を抱いた。……絶対、嘘だ。付き合ってない、けれど身体の関係だけはある。そういう女性はたくさん居た違いない。
「……信じてねぇな?」
私のじとっとした目線を受け止めた智さんが、今度は椅子ごとくるりと私に向き直って苦笑する。
「ほんとだって。元カノ、っていうのは3人だけ」
「……さんにん」
私の返答に智さんがこくんと頷いて、PCデスクの上の水のペットボトルを取ってくれる。それを受け取りながら、ゆっくりと身体を起こすと、筋肉痛のような引き攣れた痛みに息が詰まった。
「……セフレ、みたいな人は居たんですよね?」
痛みを逃がすように息を吐きながら身体を起こしながら水のボトルを開けて訊ねると、つぅ、と、視線を逸らされた。
(……やっぱり)
やっぱり見た目通り、恋愛に関しては常に肉食系なひとだったのだろうと察した。むぅ、と口の先を尖らせたまま智さんをじとっと睨み続ける。
「……まぁ……なんっつーか。俺、絶倫だし? 求めても逃げられて彼女までには至らない。至ったとしても、結局なんだかんだ逃げられる」
「え」
性欲おばけの所為で逃げられる、と。そういうこと、なのだろうか。想像していた答えと次元が違う答えが返ってきて思わずぴしりと固まった。
「知香もそろそろ俺の性格わかってきたと思うけど、俺、興味を持ったことは調べ尽くすタイプだから。女性のオーガズムに対してもそう。気になるから調べる。知識を得る」
「……はぁ」
営業マンとしての性なのだろうか。顧客の心を掴むための探究心が強いひとなんだろう。それが、そういう知識にも及ぶ、と。そういう事なのか。
「俺は別に経験豊富な訳じゃなくて、理論を知ってるだけ。昨日言ったろ? 人間の身体って実にシステマチックに出来てるんだ」
「……」
昨日、2度目の時になんか色々解説された気がするが……正直ほとんど覚えていない。どんな理論だっただろう、と記憶の海を辿っていると、智さんが面白そうに笑ってこう告げた。
「ま、そういうこと。知香だけだぞ? 朝も夜も付き合ってくれるの」
心から嬉しそうに笑った智さんの笑顔はキラキラと輝いていた。これからこうやって週末は智さんの気が済むまで、調べ尽くされて抱き潰されて翻弄されることになるのか。
もしかしてだけど。いや、きっと、もしかしなくても。
(…………私って、とんでもない人を好きになっちゃったのかも…)
想像すらしていなかった現実に頭を抱えながらベッドサイドの時計を見遣る。テキストを読み耽っていたからかあっという間に時は過ぎて15時を指していた。
冬のやわらかい日差しが寝室に差し込んでいる。その日差しが差し込む床をぼんやり眺めていると、不意に私のスマホが鈍い振動とともに着信を知らせてくれた。そっとスマホを手に取りロック画面を確認して、思わず息がとまった。
「……三木ちゃん?」
画面に表示された名前を復唱し、思わず目を瞬かせた。彼女が日曜日に電話かけてくるなんて、久しぶりだ。
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