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16.計算ずくの確信犯
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「景元証券では、創業以降、株式の売買の取次ぎや引受けなどを行っていらっしゃる。そして、資金を運用したい個人や企業、資金を調達したい個人や企業を繋ぐ橋渡し役です。それらの高い専門性を武器に、着実に実績をあげてこられました」
私の声の隙間から、カシャ、カシャ、とシャッター音が響いていく。亀ちゃんはこうしたインタビューの際、まずは誌面の見出しに配置する上半身を含めた写真を撮影していく。西沢先輩や私のようなインタビュアーが話を引き出し、中盤から後半になったところで三脚に固定したカメラを外し、様々な位置から撮影していく。大抵、どんな取材対象者も序盤は少し硬い表情、インタビューが進んでいくと綻んだ表情になっていく。その時間経過を誌面でも再現する、というのが、今回掲載予定のビジネス雑誌編集担当の意向でもある。
「はい。証券を使った継続的な資産運用、そして安定的な資金調達は非常に重要なテーマです。ですので弊社は単なる橋渡し、いわゆるブローカー的存在ではなく、アドバイザー的な存在であることを理念に経営を行ってまいりました」
「アドバイザー的存在……ですか」
「そうです。証券会社の仕事は確かに企業と企業、あるいは個人と企業を繋ぐものですが、企業の経営者も紐解いていけば『一個人』。私どもの仕事は全て『個人』に帰着すると考えています。ですので、私は弊社の社員にも、ブローカーであることよりも顧客に寄り添うアドバイザーであれと伝え続けてきました」
千歳が真っ直ぐに語る言葉たちに、改めて居住まいを正す。彼の瞳に宿っているのは確かな闘志。証券を通じて日本の経済を支えていくという覚悟が伝わってくる。声色も身に纏う雰囲気も真剣そのもの。ひとつの会社を引っ張っていくに相応しいその応対に、ほぅ、と、心の中で感嘆のため息が漏れでていく。惚れ惚れとするほどに――かっこいい。
千歳の真摯さに引っ張られるように。私が彼に投げかけていく質問も、思いも。どんどん熱くなっていく。真っ直ぐに投げかければ、真っ直ぐな言葉が返ってくる。彼が仕事にどれほど誠実に向き合っているかがわかる瞬間、だった。
その後も順調にインタビューが続いていく。すると、不意にブーッと鈍い音がした。熱量を上げていく時間に水を差されたような唐突な出来事に、私も千歳もぱちりと瞬きをして顔を見合わせた。
「あ……すみません」
その音の発生源は亀ちゃんのバッグ。慌てたようにそこをまさぐってスマートフォンを引っ張りだし、そのディスプレイを確認した亀ちゃんの顔色がさっと変わった。
「鷹城さん。編集長からなんで、ちょっと出てきていいっスか」
腰を落とした亀ちゃんに耳打ちされ、私は首を傾げた。編集長は取材中とわかっている時間帯に電話をかけるような人ではない。どうしたのだろうかと思いを巡らせながらも、亀ちゃんが出るべきと判断したのならばと即座に千歳に頭を下げた。
「取材中に申し訳ございません。亀山が少々席を外します。インタビューはこのまま続けさせていただきますので」
「あぁ、構いませんよ」
「ありがとうございます」
私も亀ちゃんも千歳にふたたび頭を下げる。亀ちゃんが出入口へ向かって踵を返し、カタンと扉が閉まる。雪が降りしきるような静かな沈黙が落ちる、ふたりだけの空間が広がった。私はそのまま取材を続けようと小さく息を吸う。
『なんでさっき知らないふりをしたの?』
無意識に喉元まで出かかった言葉を、すんでのところで飲み込んだ。思わずひゅっと喉が鳴る。ボイスレコーダーを回している状態で私的な会話をすべきではない、と、ライターとしての『鷹城やよい』がその行動を制していた。
(……なにを、バカなことを)
こうまでして――切れたと思っていた千歳との繋がりを、その細い糸の端を掴もうとするのか。身体だけの関係だったはずなのに、どれだけ千歳にのめり込んでいたのだろう。
「……あ。ボイスレコーダー、エラーになってませんか」
「え?」
千歳の言葉で現実に引き戻される。次の瞬間、告げられた言葉を理解しすっと背筋が冷えた。ここまでのインタビューはずいぶんと濃い内容で、全てをノートに書き留められているわけではなかった。ボイスレコーダーがなければ記事に起こすときにかなり苦労するだろう。視線をテーブルに落とし慌ててボイスレコーダーに手を伸ばそうとした瞬間、千歳がソファから身体を起こして私と同じようにボイスレコーダーに手を伸ばす。
黒い躯体に私の手が届くより僅かに早く、千歳の手がそこに滑り込む。ボイスレコーダーに灯っていた、正常に作動していることを示す緑の電灯がふつりと途切れた刹那。テーブルに伸ばした手首が、千歳の大きな手のひらに囚われた。
「やよさん」
「っ!?」
掠れた声で。懇願するような、今にも泣きそうな震えたテノールで。……他の誰でもない、私の名前が紡がれた。
「知らなかった。やよさんって、ライターさんだったんだね」
切なく震える声が落ちてくる。つい数十秒前まで、あんなにも真っ直ぐで凛々しかったのに。
どくん、と――全身が心臓ごと跳ねた気がした。
「……僕は、ずっと探してた。やよさんのこと」
テーブルに落とした視線が上げられない。いや、上げたくない。上げたら自分がどうなるか、わからない。わかりたく、ない。
どくん、どくん、と。うるさいほどに、鼓動を刻む……私の心臓。
「でも、やよさんに辿り着く手がかりがなくて……詰んだと思ってた。つい、さっきまで」
「え……」
辿り着く……手がかり。どういう意味だろうか。私は千歳の手によってふたたび混乱の沼に突き落とされていく。さっきは千歳のほうから初対面のフリをしたのに。どうして――今。終わったはずの関係の事を。
「っ、……な、んのことですか」
「……」
そう。私たちは、終わったはずなのだ。私から突きつけた一方的な終止符だったとしても。終わって、いるのだ。
身体だけの不毛な関係で繋がっていた私たちには未来がない。ここで彼の投げかけに応えてしまうという選択は、お互いにとって絶対によろしくない選択。他人のフリをし続けるほうが、私にとっても――日本を代表するグループの一社長、という座に就く千歳にとっても。これが、絶対に最善の選択なのだ。
掴まれた手首からは確実に伝わっているだろう、私の不規則な鼓動。それを誤魔化すように必死に視線を右に逸らし、別人だ、勘違いだ、と主張した。
ふぅ、と。千歳は細く、長く息を吐き出した。私の手首をとらえた手にきゅっと力が篭る。そこに意識を持っていかれていると、彼の反対の手がするりと私の髪に伸ばされる。顎のラインで短く切ったサイドの髪が彼の指先によって、そっと……左耳にかけられた。
「左耳の軟骨の後ろ。僕が知ってるやよさんはそこにほくろがある。知らないでしょ。そこは自分じゃ見えないから」
「……ぇ、」
「逆を言えば、ここにほくろがなければ僕が知っているやよさんじゃない。……鷹城さん。あとで非礼は詫びます、左耳を見せていただけませんか」
私の耳に触れたままの彼の言葉に、返す言葉がなかった。耳の後ろにほくろがあることなんて、彼が言った通り……私は知らないこと、だ。
(……)
ほくろなんて、千歳の『嘘』、かもしれない。私を『やよさん』と認めさせたい、千歳の口から出まかせである可能性だって大いにある。だって、さっき――エラーでは、と千歳が口にしていたボイスレコーダーは、正常に作動していたのだから。
けれど……万が一。
(……本当……だった、ら…)
ここで耳を見せなければ『やよさん』でない証明が出来ない。そして、耳を見せてほくろを確認されてしまえば『やよさん』であると確定されてしまう。
沈黙はすなわち肯定を示す。私は、もう――――逃げられない。
「ど、うして……?」
千歳に返す問いが震える。逸らしたままだった視線を、ぎこちない動作で戻した。目の前に映る、苦しげに眉を顰めた千歳の……泣きそうな、表情。
私を探していた、と、先ほど彼は口にした。その言葉の意味が全く噛み砕けない。理解することを、脳が拒否しているようだった。
私が白旗を上げた瞬間。初めて口づけを交わしたあの日と同じ、強い熱を孕んだ視線に射すくめられる。
「もう逃がさない。何度後悔したか。チヒロにも、さっきのアイツにも。……マスターにだって、絶対にやよさんを譲ってなんかやらない」
「ぇ……ちょ、っと、」
千歳が何を言っているのか、さっぱり理解が出来ない。チヒロ、とは、アイツ、とは誰のことだ。何より理解が出来ないのは。
(どうしてここでマスターの名前、が……?)
どうして彼の名前が出てくるのか。全く理解が及ばない。
千歳の言葉に混乱したままでいると――――コンコン、と。扉が軽くノックされた。
私の声の隙間から、カシャ、カシャ、とシャッター音が響いていく。亀ちゃんはこうしたインタビューの際、まずは誌面の見出しに配置する上半身を含めた写真を撮影していく。西沢先輩や私のようなインタビュアーが話を引き出し、中盤から後半になったところで三脚に固定したカメラを外し、様々な位置から撮影していく。大抵、どんな取材対象者も序盤は少し硬い表情、インタビューが進んでいくと綻んだ表情になっていく。その時間経過を誌面でも再現する、というのが、今回掲載予定のビジネス雑誌編集担当の意向でもある。
「はい。証券を使った継続的な資産運用、そして安定的な資金調達は非常に重要なテーマです。ですので弊社は単なる橋渡し、いわゆるブローカー的存在ではなく、アドバイザー的な存在であることを理念に経営を行ってまいりました」
「アドバイザー的存在……ですか」
「そうです。証券会社の仕事は確かに企業と企業、あるいは個人と企業を繋ぐものですが、企業の経営者も紐解いていけば『一個人』。私どもの仕事は全て『個人』に帰着すると考えています。ですので、私は弊社の社員にも、ブローカーであることよりも顧客に寄り添うアドバイザーであれと伝え続けてきました」
千歳が真っ直ぐに語る言葉たちに、改めて居住まいを正す。彼の瞳に宿っているのは確かな闘志。証券を通じて日本の経済を支えていくという覚悟が伝わってくる。声色も身に纏う雰囲気も真剣そのもの。ひとつの会社を引っ張っていくに相応しいその応対に、ほぅ、と、心の中で感嘆のため息が漏れでていく。惚れ惚れとするほどに――かっこいい。
千歳の真摯さに引っ張られるように。私が彼に投げかけていく質問も、思いも。どんどん熱くなっていく。真っ直ぐに投げかければ、真っ直ぐな言葉が返ってくる。彼が仕事にどれほど誠実に向き合っているかがわかる瞬間、だった。
その後も順調にインタビューが続いていく。すると、不意にブーッと鈍い音がした。熱量を上げていく時間に水を差されたような唐突な出来事に、私も千歳もぱちりと瞬きをして顔を見合わせた。
「あ……すみません」
その音の発生源は亀ちゃんのバッグ。慌てたようにそこをまさぐってスマートフォンを引っ張りだし、そのディスプレイを確認した亀ちゃんの顔色がさっと変わった。
「鷹城さん。編集長からなんで、ちょっと出てきていいっスか」
腰を落とした亀ちゃんに耳打ちされ、私は首を傾げた。編集長は取材中とわかっている時間帯に電話をかけるような人ではない。どうしたのだろうかと思いを巡らせながらも、亀ちゃんが出るべきと判断したのならばと即座に千歳に頭を下げた。
「取材中に申し訳ございません。亀山が少々席を外します。インタビューはこのまま続けさせていただきますので」
「あぁ、構いませんよ」
「ありがとうございます」
私も亀ちゃんも千歳にふたたび頭を下げる。亀ちゃんが出入口へ向かって踵を返し、カタンと扉が閉まる。雪が降りしきるような静かな沈黙が落ちる、ふたりだけの空間が広がった。私はそのまま取材を続けようと小さく息を吸う。
『なんでさっき知らないふりをしたの?』
無意識に喉元まで出かかった言葉を、すんでのところで飲み込んだ。思わずひゅっと喉が鳴る。ボイスレコーダーを回している状態で私的な会話をすべきではない、と、ライターとしての『鷹城やよい』がその行動を制していた。
(……なにを、バカなことを)
こうまでして――切れたと思っていた千歳との繋がりを、その細い糸の端を掴もうとするのか。身体だけの関係だったはずなのに、どれだけ千歳にのめり込んでいたのだろう。
「……あ。ボイスレコーダー、エラーになってませんか」
「え?」
千歳の言葉で現実に引き戻される。次の瞬間、告げられた言葉を理解しすっと背筋が冷えた。ここまでのインタビューはずいぶんと濃い内容で、全てをノートに書き留められているわけではなかった。ボイスレコーダーがなければ記事に起こすときにかなり苦労するだろう。視線をテーブルに落とし慌ててボイスレコーダーに手を伸ばそうとした瞬間、千歳がソファから身体を起こして私と同じようにボイスレコーダーに手を伸ばす。
黒い躯体に私の手が届くより僅かに早く、千歳の手がそこに滑り込む。ボイスレコーダーに灯っていた、正常に作動していることを示す緑の電灯がふつりと途切れた刹那。テーブルに伸ばした手首が、千歳の大きな手のひらに囚われた。
「やよさん」
「っ!?」
掠れた声で。懇願するような、今にも泣きそうな震えたテノールで。……他の誰でもない、私の名前が紡がれた。
「知らなかった。やよさんって、ライターさんだったんだね」
切なく震える声が落ちてくる。つい数十秒前まで、あんなにも真っ直ぐで凛々しかったのに。
どくん、と――全身が心臓ごと跳ねた気がした。
「……僕は、ずっと探してた。やよさんのこと」
テーブルに落とした視線が上げられない。いや、上げたくない。上げたら自分がどうなるか、わからない。わかりたく、ない。
どくん、どくん、と。うるさいほどに、鼓動を刻む……私の心臓。
「でも、やよさんに辿り着く手がかりがなくて……詰んだと思ってた。つい、さっきまで」
「え……」
辿り着く……手がかり。どういう意味だろうか。私は千歳の手によってふたたび混乱の沼に突き落とされていく。さっきは千歳のほうから初対面のフリをしたのに。どうして――今。終わったはずの関係の事を。
「っ、……な、んのことですか」
「……」
そう。私たちは、終わったはずなのだ。私から突きつけた一方的な終止符だったとしても。終わって、いるのだ。
身体だけの不毛な関係で繋がっていた私たちには未来がない。ここで彼の投げかけに応えてしまうという選択は、お互いにとって絶対によろしくない選択。他人のフリをし続けるほうが、私にとっても――日本を代表するグループの一社長、という座に就く千歳にとっても。これが、絶対に最善の選択なのだ。
掴まれた手首からは確実に伝わっているだろう、私の不規則な鼓動。それを誤魔化すように必死に視線を右に逸らし、別人だ、勘違いだ、と主張した。
ふぅ、と。千歳は細く、長く息を吐き出した。私の手首をとらえた手にきゅっと力が篭る。そこに意識を持っていかれていると、彼の反対の手がするりと私の髪に伸ばされる。顎のラインで短く切ったサイドの髪が彼の指先によって、そっと……左耳にかけられた。
「左耳の軟骨の後ろ。僕が知ってるやよさんはそこにほくろがある。知らないでしょ。そこは自分じゃ見えないから」
「……ぇ、」
「逆を言えば、ここにほくろがなければ僕が知っているやよさんじゃない。……鷹城さん。あとで非礼は詫びます、左耳を見せていただけませんか」
私の耳に触れたままの彼の言葉に、返す言葉がなかった。耳の後ろにほくろがあることなんて、彼が言った通り……私は知らないこと、だ。
(……)
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けれど……万が一。
(……本当……だった、ら…)
ここで耳を見せなければ『やよさん』でない証明が出来ない。そして、耳を見せてほくろを確認されてしまえば『やよさん』であると確定されてしまう。
沈黙はすなわち肯定を示す。私は、もう――――逃げられない。
「ど、うして……?」
千歳に返す問いが震える。逸らしたままだった視線を、ぎこちない動作で戻した。目の前に映る、苦しげに眉を顰めた千歳の……泣きそうな、表情。
私を探していた、と、先ほど彼は口にした。その言葉の意味が全く噛み砕けない。理解することを、脳が拒否しているようだった。
私が白旗を上げた瞬間。初めて口づけを交わしたあの日と同じ、強い熱を孕んだ視線に射すくめられる。
「もう逃がさない。何度後悔したか。チヒロにも、さっきのアイツにも。……マスターにだって、絶対にやよさんを譲ってなんかやらない」
「ぇ……ちょ、っと、」
千歳が何を言っているのか、さっぱり理解が出来ない。チヒロ、とは、アイツ、とは誰のことだ。何より理解が出来ないのは。
(どうしてここでマスターの名前、が……?)
どうして彼の名前が出てくるのか。全く理解が及ばない。
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