契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!

如月 そら

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22.狼の番(つがい)とは

狼の番(つがい)とは ⑤

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「強引にされてるのにすげえ感じてんな?」
「だっ……て、祐輔がするから」
「俺が?」
「祐輔……が言ったのよ……恥ずかしいところ、見せろって……」

 奥まで挿れられて、美冬の口から堪えきれない声が漏れてしまう。

「そうだ。全部見せろよ。堪えられないのか? 美冬、珍しいよな。お前がそんなに声上げるの。でも、忘れるなよ? ここ、玄関だからな?」

「んっ……」
 そうだった。
 慌てて美冬は口元を手で抑える。

 それを見た槙野は緩く笑った。
「そんなんで、どこまで我慢できるだろうな?」

 槙野が美冬の左足を持ち上げ、腰を奥深くまで進める。
「んっ……んんっ」

「我慢してる美冬、最高に可愛い。それに俺が、するから? お前、どこまで俺を好きにさせたら気が済むの?」

 こつっとお互いの恥骨が当たって、しっかり奥まで入り切ったのが分かる。

 愛撫なんてほとんどされていなかったはずなのに、槙野の身体に馴染んでしまって、一度受け入れて緩く動かれたら美冬の蜜壷は水音を立てて、槙野をもっと、と受け入れてしまう。

 それが、美冬には分かった。
 それほどまでに槙野が好きなのだ。

 槙野は激しくは動かないけど美冬は中をぐちゃぐちゃと掻き回されているのが分かる。

 そんな動きの中に時折、堪えられないところを擦られて身体がびくんと震えて、声が漏れそうになった。

「ん? 気持ちいいところがあるな?」
 槙野は美冬の耳元にそそのかすように囁く。

「その身体がビクってするところ、思い切り突いてやろうか? そこ、俺ので突いて擦ったらどうなるんだろうな?」
 耳元で囁かれて、想像しただけで美冬はぶるっと身体が震えてしまった。

「や……おかしく、なっちゃう……」
「おかしくさせたい。前も言っただろう。『本当に感じまくったら、そんな話す余裕なんてねぇぞ』って」

 身体を重ねれば重ねるほど、余裕なんてなくなっていって、おかしくさせられていく。

 びくんとするところを中からその熱いもので擦られる。
 槙野には遠慮はなかった。

「んッ……あ、もぅ無理っ……立ってられないっ」

「ベッド、行くか?」
 美冬がこくんっと頷くと、抱き上げられてベッドルームに連れて行かれた。

 ぽん、とベッドに降ろされるとスカートを捲られて、さっき気持ちよかったところを今度は思い切り突かれた。

「だ……だめっ! そこ……だめ……っ」
「何がだよ? じゃあ、ダメになれよ」

 止めたって容赦なく擦り上げられて、抵抗できないまま、登りつめてしまう。

 くったりと力の抜けたところを、槙野は美冬の服を脱がせて、自分ももどかしそうにジャケットを脱いで、襟元からシュルっと音をさせてネクタイを引き抜く。

 美冬はそれをぼうっと見つめてしまった。
 ──祐輔の余裕のない姿って、すっごくいいんだけど。



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