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22.狼の番(つがい)とは
狼の番(つがい)とは④
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引き摺られるように玄関の中に入った瞬間だ。
強く抱き締められて、貪るようにキスをされた。
唇を重ねるなんてものじゃない。
まるで食べられてしまうかのように深く舌が絡み合うようなキスだ。
「……っん、祐輔……っ、ここ、玄関……」
「ああ。大きい声、出すなよ?」
そこ!?絶対違う!!
「こんな綺麗な美冬の姿を見せられて、何も出来ずにお預けされていたんだからな」
「お預け……って……ぁんっ」
軽く鎖骨に歯を当てられた。
背中のファスナーが半分程下ろされてそこから入った手が胸元を探り当てる。
「なあ? その綺麗な姿を見て、俺が何を考えていたか分かるか?」
な……なにっ?
感じるところを甘くひっかくようにされたり、きゅっと軽く摘まれたりして、頭なんて働いていない。
「考え……て? んっ……」
「このドレスのまま犯したいって思ってたよ」
やはり飼い慣らせるような狼なんかじゃなかった。その言葉は美冬の胸を高鳴らせる。
乱暴なはずなのに、そうされたくもなってしまうのは、強引な槙野が瞳をキラキラとさせているのが抵抗できないくらいに魅力的だからだ。
「んっ……あ、そんなこと……言っちゃ、や」
「本当に? 興奮しない? 確認するぞ」
射抜くような熱のこもった瞳で見つめられて、肌に触れられたら、蕩けそうだ。
するりとスカートの中に入った手が美冬の足の間に触れる。
「濡れてる……」
「あ、や……」
「たまらない。すぐに入れたい」
「待っ……て、まだ……」
「まだ、何だ?準備できてない?」
ぴっ……と下肢から聞こえるストッキングを破る音。
「本当に?」
できてないなんて、言えない。
それはウソだ。
食事の時に手を繋いでいた時から、タクシーの中で指を絡められていた時から、玄関で息もつかせないほどのキスをされていた時から、抱かれたかった。
ふるふるっと美冬は首を横に振って槙野の身体に抱きついた。
「して……っ、準備なんてきっとできてる。して、ほしいっ」
「本っ当に美冬って煽るよな。入れてやる。痛かったら、言えよ?」
ほら……無理矢理のようでいて、無理矢理ではない。最後のところはちゃんと優しいのだ。
槙野が自分のもので、美冬の入口を軽く擦る。擦られて、そこはくちゅくちゅと音を立てていた。
「傷つける心配はなさそうだな」
入ってくる熱い楔が、いつもよりも大きく感じる。
「美冬……キツい。大丈夫か?」
「祐輔、は? 気持ち良く……ない?」
「すげえいい。押し込むぞ」
「んっ……あ、あぁん……っ」
まだ慣れていないその場所に強引に入れられて、嫌でもおかしくないのに、むしろその強引さに胸がぎゅうっとした。
それほどまでに欲しがられているのが、素直に嬉しい。
もっと、欲しがられたいと思うのは美冬の欲張りだろうか。
もっと欲しがって、離さないで欲しい、なんて思うのは。
強く抱き締められて、貪るようにキスをされた。
唇を重ねるなんてものじゃない。
まるで食べられてしまうかのように深く舌が絡み合うようなキスだ。
「……っん、祐輔……っ、ここ、玄関……」
「ああ。大きい声、出すなよ?」
そこ!?絶対違う!!
「こんな綺麗な美冬の姿を見せられて、何も出来ずにお預けされていたんだからな」
「お預け……って……ぁんっ」
軽く鎖骨に歯を当てられた。
背中のファスナーが半分程下ろされてそこから入った手が胸元を探り当てる。
「なあ? その綺麗な姿を見て、俺が何を考えていたか分かるか?」
な……なにっ?
感じるところを甘くひっかくようにされたり、きゅっと軽く摘まれたりして、頭なんて働いていない。
「考え……て? んっ……」
「このドレスのまま犯したいって思ってたよ」
やはり飼い慣らせるような狼なんかじゃなかった。その言葉は美冬の胸を高鳴らせる。
乱暴なはずなのに、そうされたくもなってしまうのは、強引な槙野が瞳をキラキラとさせているのが抵抗できないくらいに魅力的だからだ。
「んっ……あ、そんなこと……言っちゃ、や」
「本当に? 興奮しない? 確認するぞ」
射抜くような熱のこもった瞳で見つめられて、肌に触れられたら、蕩けそうだ。
するりとスカートの中に入った手が美冬の足の間に触れる。
「濡れてる……」
「あ、や……」
「たまらない。すぐに入れたい」
「待っ……て、まだ……」
「まだ、何だ?準備できてない?」
ぴっ……と下肢から聞こえるストッキングを破る音。
「本当に?」
できてないなんて、言えない。
それはウソだ。
食事の時に手を繋いでいた時から、タクシーの中で指を絡められていた時から、玄関で息もつかせないほどのキスをされていた時から、抱かれたかった。
ふるふるっと美冬は首を横に振って槙野の身体に抱きついた。
「して……っ、準備なんてきっとできてる。して、ほしいっ」
「本っ当に美冬って煽るよな。入れてやる。痛かったら、言えよ?」
ほら……無理矢理のようでいて、無理矢理ではない。最後のところはちゃんと優しいのだ。
槙野が自分のもので、美冬の入口を軽く擦る。擦られて、そこはくちゅくちゅと音を立てていた。
「傷つける心配はなさそうだな」
入ってくる熱い楔が、いつもよりも大きく感じる。
「美冬……キツい。大丈夫か?」
「祐輔、は? 気持ち良く……ない?」
「すげえいい。押し込むぞ」
「んっ……あ、あぁん……っ」
まだ慣れていないその場所に強引に入れられて、嫌でもおかしくないのに、むしろその強引さに胸がぎゅうっとした。
それほどまでに欲しがられているのが、素直に嬉しい。
もっと、欲しがられたいと思うのは美冬の欲張りだろうか。
もっと欲しがって、離さないで欲しい、なんて思うのは。
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