契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!

如月 そら

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20.免許皆伝、でしょーか?

免許皆伝、でしょーか?②

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「溢れてる……」
 時折ジュルッ……というような激しい水音をさせながら尖ってしまっている芽を押し潰すように舌先でゆるゆると舐めている。

 そうして蜜を零し続ける秘部に槙野の長い指が入ってくる。入ってきて始めて待っていたんだと美冬は自覚した。

「ゆび……押し出そうとしてんのか吸いつこうとしてんのか、分かんねえな。すげぇ締まる……」
 指が中を探るその感触まで美冬には分かる。それくらい離すまいとしていることも。

 こんな時までストレートなのは、とても恥ずかしい。でも、恥ずかしいところを見たいと言われると微妙に逆らえなかったりもする。

 強引で、まっすぐで、美冬を欲しいというその気持ちまでまっすぐだから、だからその言葉にはいつも逆らえないのかもしれない。

「美冬、我慢できない。このまま入れていいか?」

 ──立ったまま、ウォークインクローゼットで?

 槙野は美冬にいいかと聞いたけれど、その場にスーツのジャケットを脱ぎ捨てて、トラウザーズのベルトを外す。

 そのカチャカチャ……という音はやけに美冬の耳に響いた。
 すっかり濡れていたそこに槙野の硬いものが入ってくる。

「っん……」
「大丈夫か? 痛くない?」

 浅いところをゆるゆると擦られて、この前はもっと圧迫感があった気がしたのに、今日はもっと欲しい気持ちになる。

「ん……平気、もっとしていいよ?」
 槙野は意地悪でえっちで激しいくせに、こんな時はいつも美冬の身体を気づかってくれるのだ。
 ゆっくり奥まで入ってくるのを美冬は感じて、中がびくびくっと痙攣してそれをこらえることができない。

「はっ……その動き、ヤバい」
「違っ……勝手になっちゃうの」
 槙野は自身の動きを一旦止めて、美冬の中を堪能する。

 それに伴って美冬はナカで槙野の形をくっきりと感じた。その大きさも、括れも、もしかしたら浮き出ている血管すらも。

「んっ……あ! そんなにしたら、ナカが祐輔の形になっちゃうよ」
「お前っ……ホントに煽るよな」

 立っているから槙野は支えてくれているけど美冬自身の体重は加わるので奥まで一気に届いてしまう。

「やぁんっ! 奥……ダメ、おかしくなっちゃう……からぁ」
「もっとしていい……って、美冬が言ったんだろう!」

 奥を突くような激しい動きは先程まで美冬の身体を気づかっていた人のものとも思えない。
 それでもそんな余裕のなささえ、美冬には嬉しくなってしまう。 

 だって……私ばっかり余裕がないなんて、イヤだもの!

 ◇ ◇ ◇

「おい、起きろ」
「眠いー……」
「今日も会社だろうが、ほら、送ってやるから」

 今日も今日とて腰タオルの槙野が美冬の頬をつつきながら、甘い声で起こす。

 美冬は目を擦りながら身体を起こした。
「もー、眠いの祐輔のせいだからぁ」

 一方の槙野は昨日夜、散々美冬と心ゆくまでいたしたこともあり、ツヤッツヤである。
「舌っ足らず可愛いなー。このままベッドに引きずり込みたくなる」

「無理っ!」
 それを聞いて布団で身体を隠す美冬だ。

「朝メシ作ってやるから、シャワー浴びてこいよ」
 美冬の抵抗など気にしないで、槙野はベッドの横に軽く座って、美冬の額にキスをする。

「パンがいいよー」
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