契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!

如月 そら

文字の大きさ
上 下
81 / 109
18.煽り運転注意です!

煽り運転注意です!①

しおりを挟む
「まだナカで感じるのは無理だろ。こっちのがいいんじゃないか」
 やっと開放されるのかな……そう思ったら一旦出ていった指はもう1本を伴ってまた入ってきた。

「……んっ」
「痛いか?」
「大……丈夫」
 驚いただけなのだ。

 槙野は初心者の美冬に心配そうに優しい顔で尋ねてくれて、とても優しく気を使ってくれていることはとても伝わるのだから。

 そうして、少し美冬の顔を見た槙野は足の間に顔を埋めた。あらぬところに顔が近い。
 美冬も大人である。
 槙野が何をしようとしているかは見当はつく。
 だからといって恥ずかしさが軽減される訳ではないのだ。

「や……やだっ! 恥ずかしいよ! やぁ……」
「お前が慣らせと言ったんだろうに」
「でも、恥ずかしいんだもん」
「やだとか、恥ずかしいとか言っておけ」

 槙野が顔を上げて、その部分にふっ……と息を吹きかけられる。
 そんな些細な刺激にすら美冬の身体はぴくっと揺れるのを止めることはできなかった。

 足の間から槙野が美冬を見てくるその瞳は艶めいてきらきらしている。
「そのいやいやとか、可愛いから滾る。それに恥ずかしいって悪いことか? 恥ずかしいところ、俺には見せてくれねぇの?」

 そんな可愛いねだり方の方がむしろずるいんじゃないかと思う。

「気持ちよくしてやるから、イヤとか言って喘ぎ声とか聞かせろよ」
 そんなことを言いながらも、槙野が美冬に触れる指は優しい。

 指はゆっくりとナカを探るように動かされていた。時折聞こえるくちゅ……という音には美冬はいたたまれなくなる。

 そして先程擦られてイってしまったその芽を槙野は今度は緩く舐めたのだ。
 それは指とは全く違う感覚だった。

 もどかしいような、けれどぬるりとしていて気持ちいいような柔らかくて、濡れていて温かい感触。

「だ……め、イっちゃ……うよ」
「うん。イっていい。何度でもイけ」
「だって……そんなのっ……」

 ナカもおかしくなりそうだし、舐められているところもおかしくなりそうだし、美冬は腰を逃がしたくて、ゆるっと動かすと
「その動き、エロいんだけど」
と言われる。

「ち……ちがっ……」
 さっきから二回もイかされていた。
 敏感になっているところを舌で触れられて、その感触を感じていたらまた、下腹部がむずむずしてくる。

「っは……あ、あぁっ……や、もう……だめ……」
 逃げようとする腰を手で抑えられて逃げられなくされて、舌での刺激を繰り返される。

 ナカがきゅっと収縮して、指を逃がすまいとするかのように動いているのも分かる。
「や……イっちゃうっ……」

 槙野はその言葉通り、イヤとかダメとか言っても全然聞いてくれなくて、美冬が一際大きな声を上げて達した時自分では止めようもなく、ガクガクっとナカも足も大きく痙攣して、経験したことのない感覚を味わったのだ。

 それから一気に脱力した美冬は呆然としてしまう。
──な……なんなの……?

 自分はなにか動いたわけでもないのに、美冬は走りでもしたかのように大きな呼吸を何度も何度も繰り返す。

「ん、頑張ったな」
 満足気な槙野が緩く美冬の頭を撫でてくれて、そしてにっこり笑った。

「もうちょっと頑張ろうな」
「もう……指一本も動かない……」
「いい具合に身体の力が抜けているな。そのままにしてろよ」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました

水都 ミナト
恋愛
最高峰の魔法の研究施設である魔塔。 そこでは、生活に不可欠な魔導具の生産や開発を行われている。 最愛の父と母を失い、継母に生家を乗っ取られ居場所を失ったシルファは、ついには戸籍ごと魔塔に売り飛ばされてしまった。 そんなシルファが配属されたのは、魔導具の『メンテナンス部』であった。 上層階ほど尊ばれ、難解な技術を必要とする部署が配置される魔塔において、メンテナンス部は最底辺の地下に位置している。 貴族の生まれながらも、魔法を発動することができないシルファは、唯一の取り柄である周囲の魔力を吸収して体内で中和する力を活かし、日々魔導具のメンテナンスに従事していた。 実家の後ろ盾を無くし、一人で粛々と生きていくと誓っていたシルファであったが、 上司に愛人になれと言い寄られて困り果てていたところ、突然魔塔の最高責任者ルーカスに呼びつけられる。 そこで知ったルーカスの秘密。 彼はとある事件で自分自身を守るために退行魔法で少年の姿になっていたのだ。 元の姿に戻るためには、シルファの力が必要だという。 戸惑うシルファに提案されたのは、互いの利のために結ぶ契約結婚であった。 シルファはルーカスに協力するため、そして自らの利のためにその提案に頷いた。 所詮はお飾りの妻。役目を果たすまでの仮の妻。 そう覚悟を決めようとしていたシルファに、ルーカスは「俺は、この先誰でもない、君だけを大切にすると誓う」と言う。 心が追いつかないまま始まったルーカスとの生活は温かく幸せに満ちていて、シルファは少しずつ失ったものを取り戻していく。 けれど、継母や上司の男の手が忍び寄り、シルファがようやく見つけた居場所が脅かされることになる。 シルファは自分の居場所を守り抜き、ルーカスの退行魔法を解除することができるのか―― ※他サイトでも公開しています

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

【完結】魔王様、溺愛しすぎです!

綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
ファンタジー
「パパと結婚する!」  8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!  拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。  シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう 【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264) 挿絵★あり 【完結】2021/12/02 ※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過 ※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過 ※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位 ※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品 ※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24) ※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品 ※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品 ※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。 専務は御曹司の元上司。 その専務が社内政争に巻き込まれ退任。 菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。 居場所がなくなった彼女は退職を希望したが 支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。 ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に 海外にいたはずの御曹司が現れて?!

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

人生を諦めた私へ、冷酷な産業医から最大級の溺愛を。

海月いおり
恋愛
昔からプログラミングが大好きだった黒磯由香里は、念願のプログラマーになった。しかし現実は厳しく、続く時間外勤務に翻弄される。ある日、チームメンバーの1人が鬱により退職したことによって、抱える仕事量が増えた。それが原因で今度は由香里の精神がどんどん壊れていく。 総務から産業医との面接を指示され始まる、冷酷な精神科医、日比野玲司との関わり。 日比野と関わることで、由香里は徐々に自分を取り戻す……。

処理中です...