契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!

如月 そら

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9.助けて食われるっ!

助けて食われるっ!①

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「なあ、そろそろ本気になっていいか?」
「え?」
 借りていた槙野のパジャマの上から尖っている胸の先に槙野がつん、と触れる。美冬はぴくんと身体が揺れた。

 美冬はつい槙野をじいっと見てしまう。
「ん?」
 なにか言いたいような気もするけど、うまく伝えられなくて潤んだような目で見ることしかできない。

 それを見てふっと笑った槙野は、美冬の尖りに何度も触れる。
 つい、声が漏れそうで美冬は口元を手で覆った。

「感じる?」
 多分この感覚がそうなのだ。
 こくっと美冬は頷いた。

「さっきからツンって尖っててすごく可愛くて触りたくて仕方なかった」
 槙野はそれを指でつまんだりくりくりといじったりする。

 それに応じて美冬のその部分がどんどん敏感になって、その指の感覚をすごくとらえようとしている気がした。

「んっ……んー…」
 唇をぎゅっと閉じたままの抑えられない声はそんな風になってしまう。右手で口元を覆って、左手はぎゅうっとベッドのシーツを握り締めていた。

「声、出してみろ? ん?」
「や……」

 抵抗のはずなのに、妙に甘い声になってしまって美冬はそんな自分に戸惑う。
 さっきの軽いキスなんて何にもしてない、と言ったのが分かるような気がした。

 するりと槙野の手がパジャマの中に入って美冬の肌に直に触れる。
 脇腹、肋骨を辿って胸の下にふわっと触れた。
「っあ……」

 今度こそ声をこらえることはできなかった。
「うん。もっと聞かせろよ」

 布の上から先端を軽く咥えられる。
 布越しにゆるく舐めるその感覚はもどかしいのに、美冬は敏感に感じてしまった。

「あっ……あ、や」
「胸、すごく感じるみたいだな」
 そんな風に口にされたらまるで淫らだと言われているかのようで、美冬は泣きそうだ。

「ん……ぅ」
「感じていいんだって。美冬が感じてくれたら俺は嬉しいよ」

「本当? 淫らだって、思わない?」
「淫らになって乱れてくれたらすげー興奮すんだけど」
「も……お……」

 その時指先で先端をピンとはじかれて、美冬は反論できなくなる。
「やんっ」
「美冬ってやっぱりお嬢様なんだな」
「え?」

「淫らになれって言ったって、戸惑いながら感じる姿すらお前は品があるよ。いつもはポンポン言葉が帰ってきて元気なのに、こんなことになると恥じらうのは、すごくいい。もちろん淫らになってかまわないんだけど、恥じらっている様子にもすごく興奮するんだがな」

 口ではそんなことを言っているくせに、美冬の肌をまさぐる様子には一切容赦はない。
「いや、とかどうしようって戸惑っている美冬をとろとろにしたらって想像したらそれだけでも興奮する」

「自分は慣れてるからって……余裕ぶって!」
「余裕ではないんだが……触ってみる?」
 触って……?なにに?

 気軽に美冬の手を取った槙野は主張しているそこに美冬の手を当てる。

「ふにゃっ……!!」
「なんつー声だよ」
(は、初めて触った! 固い! 熱くない? それに……)

「おっきい……」
 なんか今、さらに主張してこなかった?生きてるの?
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