君の声を聴かせて~声フェチの人には聞かせたくないんですけどっ!~

如月 そら

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◇おまけの話◇

結衣ちゃんの日常③

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ふわりと距離が近づいて唇が重なった。ちゅ……と何度も音がする。唇だけのキス。
けれどそれだけでも、すごくすごく気持ちいい。
まだ立ったままで、二人とも着衣は全く乱れていないのに雰囲気が甘くて、結衣はくらくらする。
涼真は片腕に結衣をしっかり抱いて、別の手でするすると結衣の身体のラインをなぞる。

「綺麗なワンピースですね」
優しい柔らかい声が耳元に響く。息を吹きかけるように、囁くようにその声が結衣の耳元に届いた。
その声にも、熱を持った息にも結衣は背中がぞくんとする。
「……っあ、一応前に立つからって、思って……」

「あんなにたくさんの目にあなたが晒されて誇らしい気持ちと嫉妬で、頭がおかしくなるかと思いました」

「涼真さん、研修ですよ?」
「それでもです」
涼真の指が胸元を引っかく。
下着も服も着ているのに、その指の動きを感じて身体がきゅんとする。

「ん……」
鼻にかかったような声が漏れてしまう。

「でも、あなたのこんな姿は僕しか見れない。僕だけのものです。ね、その声いいですよ。それにすごく感じている顔していますね。可愛い……」
可愛いなんて言われたら、それに感じてる顔って……。
つい涼真の腕の中で結衣はその顔を見つめる。

自分だって、すごくセクシーな顔をしているくせに。
お互いに欲情しているのは、上気した顔で分かる。

「ん……結衣さん、目閉じないで」
ほら、とゆるっと唇を舌でなぞられて、その誘うような仕草にどきどきしながら、結衣も少し口を開いて柔らかく舌を絡める。

視線までも絡まるその感じは、甘くて淫靡で、何もかも見られていると思うと、恥ずかしいけれど気持ちが昂るのも抑えられない。

「っ……は、涼真、さんもっと……して」
「ん? いくらでも」
舌を舐められるその感触ですら、感じる程に高まらせられる。

「結衣さん、上手。気持ちいい?」
「……ぁんん……」
「声も顔も蕩けててすごくいい」

こっちは?とスカートの中にするっと手が入った。
「すご……」
と言いながら結衣を覗き込んで、にっと笑う顔。

うっ……これは、面白いものを見つけた時の絶対構わずにはいないって時の涼真の顔だ。
なんていうのかな?
ドSスイッチ入りました??
カチッて音聞こえたような、気がします。

「ねえ?」
「はい……あ、……ふ、」
「結衣さん、目は閉じないでって言いましたよね。僕の目を見ていて。あなたの感じるところが見たいんだから」

涼真の指がストッキングの上をするする撫でていて、そのもどかしいような感触に腰の辺りがざわざわする。

「結衣さん、ストッキングの上からでも分かるくらい、濡れてますよ。まだ直接触ってもいないのに。キスと服の上から触られただけで感じちゃったの? 立っていられなさそうですね。ソファに行きましょうか」
ソファで、涼真は結衣を後ろから抱き込むように座る。

結衣はもうさっきから思考も身体もぐずぐずで、されるがままだ。けれどされたいと思ってしまう。
涼真の好きにされたい。

「結衣さん……」
後ろから耳元に注ぎ込まれる声も、そのまま耳に舌が差し込まれて濡れた音がしても、強く胸を揉まれたり、時折優しく引っ掻くようにされたりしても、涼真のすることは全部全部感じて受け取ってしまうのだ。

涼真は自分の足に結衣の足を引っ掛ける。
「っあ……」
結衣の方は涼真が足を開いたら、自分の足も開いてしまって。

「スカート少し上げますね。これ以上開かないし」
涼真が後ろから、撫でるようにしてスカートをたくしあげた。
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