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やると言ったらやる
やると言ったらやる①
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そして迎えた研修最終日。
結衣が研修室に入ると、髪をスッキリと切った藤川が緊張した面持ちで座っていた。
「おはよーございまーす。あ、藤川さん、髪切ったんですね。すごく似合ってる」
「ホントですか?」
照れた様子の藤川だ。
研修生のみんなは、口々にでしょー!と言っていた。
それを聞いて、藤川はさらに照れている。
一人の離脱者も出さずに研修を終われた結衣は、心から安心した。
今日はセンターの上席や、今回の研修生を含め、打ち上げが行われる。
研修期間中は土日休みではあったものの、レポートの作成や研修の準備、報告書の作成などがある。
そのため結衣と涼真は相変わらず、会うことが出来なかったのだが、研修が終わったら会おうと約束をしていた。
それも結衣は励みにして、頑張っていたのだ。
打ち上げに入る前に研修が無事終わったことと、今日は打ち上げがあることを、涼真に連絡すると、終わった頃に迎えに行きますと返事が帰ってきた。
打ち上げはこじんまりしたイタリアンの店を貸し切って行われた。
この打ち上げには、顔合わせの意味もあるので、リーダークラスも参加するし、コントローラーも参加する。
和気あいあいと話をしつつ、今後仕事をスムーズにするためだ。
部署としてはストレスも多い部署なので、せめて社内では言いたいことを言ったり、お互い愚痴も言い合えるようにしましょうねというのが、センター長の方針なのだ。
会の適度なところでセンター長が帰り、続いてコントローラーの一部と、リーダークラスの一部が帰る。
結衣は今回の研修講師なので、今日は佐野と結衣は居残り組だ。
「結衣先生はー、結婚とかしてないんですか?」
お酒が進んできて、聞かれる内容もだんだんディープになってくる。
「してないよー」
「でも、彼氏はいるでしょ?」
(いますね。変な人ですけど……)
うふふ、と笑顔だけを返す結衣だ。
いるー!その顔はいる、いるー!しかも絶対イケメンだー!とか皆が騒ぎ出す。
「結衣先生、写メとかないんですか!?」
いえ、ホントそこは……今ちょっと触れたくないと言うか……。
「あははー……」
もう、笑うしかない結衣だ。
「結衣先生いつの間に……俺を置いていくつもりなのっ!?」
佐野がふざけると、皆が笑って何となく話が逸れた。
「佐野さんはー?」
「俺、独身。いい人いたら、紹介してよ」
佐野は自分を指さしてにこにこしている。
「どーゆー人が好みなんですかぁ?」
「えー?顔の可愛い巨乳の子かなー」
佐野さん、さいてー!とか言ってゲラゲラ笑われている。
結衣から上手く話が逸れるようにもっていってくれたんだろうな……。
いい人だなーと思う。
「藤川くんはー?」
「俺は……付き合ってる人はいないです。好きな人はいますけど」
「なーんかさー、イケメンなっちゃったもんねぇ。いい恋してんだねー」
そう言われて、藤川は照れている。
今までは照れる様子も素直に見せなかったりしたのだが、本当の藤川はとてもシャイなようだ。
その様子も可愛いっ!と散々弄られて、最初の頃の馴染めなかった様子が嘘のようで、結衣は微笑ましく感じた。
「高槻」
佐野が、結衣を呼ぶ。
「はい」
結衣は返事をして、佐野の横に座った。
「あいつは大丈夫だって。あとは俺が面倒見るし」
佐野がそう言ってくれるのなら、安心だ。
チーム分けの発表は、まだされていないが、藤川は佐野の下に付く、ということなのだろう。
「はい。よろしくお願いします」
結衣は、ぺこりと頭を下げる。
「先生というよりお母さん化してるぞ、お前」
「莉奈ちゃんに自分の子は可愛いって言われましたけど、その気持ち分かります」
結衣は、真顔で答えたのだった。
結衣が研修室に入ると、髪をスッキリと切った藤川が緊張した面持ちで座っていた。
「おはよーございまーす。あ、藤川さん、髪切ったんですね。すごく似合ってる」
「ホントですか?」
照れた様子の藤川だ。
研修生のみんなは、口々にでしょー!と言っていた。
それを聞いて、藤川はさらに照れている。
一人の離脱者も出さずに研修を終われた結衣は、心から安心した。
今日はセンターの上席や、今回の研修生を含め、打ち上げが行われる。
研修期間中は土日休みではあったものの、レポートの作成や研修の準備、報告書の作成などがある。
そのため結衣と涼真は相変わらず、会うことが出来なかったのだが、研修が終わったら会おうと約束をしていた。
それも結衣は励みにして、頑張っていたのだ。
打ち上げに入る前に研修が無事終わったことと、今日は打ち上げがあることを、涼真に連絡すると、終わった頃に迎えに行きますと返事が帰ってきた。
打ち上げはこじんまりしたイタリアンの店を貸し切って行われた。
この打ち上げには、顔合わせの意味もあるので、リーダークラスも参加するし、コントローラーも参加する。
和気あいあいと話をしつつ、今後仕事をスムーズにするためだ。
部署としてはストレスも多い部署なので、せめて社内では言いたいことを言ったり、お互い愚痴も言い合えるようにしましょうねというのが、センター長の方針なのだ。
会の適度なところでセンター長が帰り、続いてコントローラーの一部と、リーダークラスの一部が帰る。
結衣は今回の研修講師なので、今日は佐野と結衣は居残り組だ。
「結衣先生はー、結婚とかしてないんですか?」
お酒が進んできて、聞かれる内容もだんだんディープになってくる。
「してないよー」
「でも、彼氏はいるでしょ?」
(いますね。変な人ですけど……)
うふふ、と笑顔だけを返す結衣だ。
いるー!その顔はいる、いるー!しかも絶対イケメンだー!とか皆が騒ぎ出す。
「結衣先生、写メとかないんですか!?」
いえ、ホントそこは……今ちょっと触れたくないと言うか……。
「あははー……」
もう、笑うしかない結衣だ。
「結衣先生いつの間に……俺を置いていくつもりなのっ!?」
佐野がふざけると、皆が笑って何となく話が逸れた。
「佐野さんはー?」
「俺、独身。いい人いたら、紹介してよ」
佐野は自分を指さしてにこにこしている。
「どーゆー人が好みなんですかぁ?」
「えー?顔の可愛い巨乳の子かなー」
佐野さん、さいてー!とか言ってゲラゲラ笑われている。
結衣から上手く話が逸れるようにもっていってくれたんだろうな……。
いい人だなーと思う。
「藤川くんはー?」
「俺は……付き合ってる人はいないです。好きな人はいますけど」
「なーんかさー、イケメンなっちゃったもんねぇ。いい恋してんだねー」
そう言われて、藤川は照れている。
今までは照れる様子も素直に見せなかったりしたのだが、本当の藤川はとてもシャイなようだ。
その様子も可愛いっ!と散々弄られて、最初の頃の馴染めなかった様子が嘘のようで、結衣は微笑ましく感じた。
「高槻」
佐野が、結衣を呼ぶ。
「はい」
結衣は返事をして、佐野の横に座った。
「あいつは大丈夫だって。あとは俺が面倒見るし」
佐野がそう言ってくれるのなら、安心だ。
チーム分けの発表は、まだされていないが、藤川は佐野の下に付く、ということなのだろう。
「はい。よろしくお願いします」
結衣は、ぺこりと頭を下げる。
「先生というよりお母さん化してるぞ、お前」
「莉奈ちゃんに自分の子は可愛いって言われましたけど、その気持ち分かります」
結衣は、真顔で答えたのだった。
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