君の声を聴かせて~声フェチの人には聞かせたくないんですけどっ!~

如月 そら

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正しい電話の使い方

正しい電話の使い方③

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結衣は言われるがまま、つっ……と胸の下の方をなぞる。

涼真に触れられた時のことを思い出して。
軽く息が乱れた。
「……っ」

『結衣さんの胸の下の方、柔らかくて好きなんです。どう? 柔らかいでしょう?』
「は、い……」

『そのまま身体のラインに沿って、胸の外を指で辿って? まだ、先には触れないで』

「ふっ……あ」
『うん。いい声。もっと聞かせて』

囁くように優しく耳元で、もっと、とせがまれる。
触れてもいない、胸の先端がずきずきする。
腰の辺りもぞくっとして、きゅうっと膝を合わせてしまう。

「涼真、さん……」
『ん?』

「む……ね、じんじんしますっ」
『触っていないのに?』
「んんっ……」

『僕の結衣さんは感じやすくてすごく可愛い。先、触れたいの?』
「あ、さ……わりたいかも……」

ちゅと耳元でキスの音。

『じゃあ、触ってあげる。キスしながら、僕が触っている時のこと思い出して、触って。先を両方の指先でつまんで、捏ねて、きゅってして?』

「やぁんっ……」
『ああ、結衣さん……っ、すごくいい。もっと感じている声、聞かせて。じゃあ、一番感じるところ、触れてみましょうか』

「っあ……や」
『下着の上から優しく、触って。優しくですよ?』

甘くて蕩けそうな声に、結衣は言われるがままに自分の下着の上に手を触れる。
ドキン、とした。
──やだ、思ったより濡れてる……。
『感じているところ、可愛い。どう? 濡れている?』

「はい。下着、ぐちゃぐちゃ……」
浮かされたように、卑猥なことを口にてしまう。
電話の向こうの涼真の声が熱を帯びた気がした。
『は……結衣さん、興奮します。少し待って……』

カチャカチャと、ベルトを外す音が聞こえて、見えていないのに結衣は真っ赤になってしまう。

『ね?じゃあ、下着脱ごうか』
結衣はそっと下着から足を抜いた。

『直接、触ってみて?』
結衣がそこに指を触れてみると、驚くほどぬるりとした感触がして、思わず手を引いてしまった。

やだ。いつもこんなに濡れてるの?
「すごくぬるってしました」
『すごく、濡れているんだね。気持ちいいところ、指で触ってみて? いつも僕が触っている時のことを思い出して。濡れているところに触れて』
涼真の声も少しずつ、上擦ってくる。

『感じるところを撫でて、擦って』
「ふっ……あ……」

『気持ちいい?』
「は……い、気持ちい……」
    
『ふっ……あ、結衣さん、ヤバ可愛い。ねえ? 指、入れてみて?まずは1本だけ。大丈夫、怖くないですから。僕がちゃんと側にいるから』

「んっ……涼真、さんっ」
『うん? 結衣さん愛してる。可愛いです。中の感じるところ、ゆっくり探って。逆の手で気持ちいいところも触って』

結衣はいつの間にか、漏れ出る声を抑えられなくなっていた。

『イきそう? いつでもイッて、いいですよ。結衣さんお願い、音聞かせて? 携帯、ハンズフリーにして。両手で触れる?
っ……あ、その音、ダメです、僕も気持ちいい……』

結衣にも電話越しにくちゅ……と濡れた音が聞こえる。
『分かる?僕も……すごく気持ちいいって』

「ん……興奮します。あ、やっ……涼真さん、や、ダメ、イッちゃうっ……」
『結衣さん、僕もイく、イキそうだ。一緒にいく?』
「あんっ……涼真、さぁん、一緒にいきたいっ……ん、んあぁ……っ」

はあっ、はっと電話越しに伝わる涼真の荒い息遣いに結衣も身体が熱くなる。

二人の呼吸が重なって、結衣は身体を大きく反らせた。

『結衣さん……』
「は……い?」
『大好きです』

目を閉じたら、側で囁かれているようだ。

「涼真さん、側にいるみたい。でも、いないんですね。私も好きじゃなかったら……こんなこと、しな……」
『結衣さん? 眠いの?』
「ん……だいじょぶ……」
結衣には刺激的過ぎて、気付いたら、眠ってしまっていたのだ。

電話の向こうの涼真がくすりと笑って、『愛してますよ。結衣さん、おやすみなさい』と言ったのは、結衣には聞こえていなかった。


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