君の声を聴かせて~声フェチの人には聞かせたくないんですけどっ!~

如月 そら

文字の大きさ
上 下
41 / 70
ご趣味は……?

ご趣味は……?①

しおりを挟む
「何もかもが好み過ぎて何もかも欲しいんです。可愛いところも喜んでいるところも、涙ぐんでいるところも恥ずかしがっているところも、気持ちよすぎて、喘いでいるところも。全部全部、です。こんな気持ちになったことはない。自分でも驚いているんですよ」

結衣だってこんなに熱く、すべてを求められたことはない。

怖い気持ちもある。
けれどこんなに素直に真っ直ぐ自分を求められることは、嬉しくもある。

「ん……」
左手で口元を抑えて、結衣はそっと右手を差し出した。

察した蓮根が、優しく笑って指を絡めてくれる。

「結衣さん下さい。僕にあなたを味わわせて?」
「あんまり……しちゃ、だめ……」
「さあ……?それは聞けないかな」

その瞬間、大きく開かれた足の間に蓮根が顔を埋めてしまう。
水音と共に、下半身に広がる快感。
敏感になり過ぎて、唇の感触もその舌の感触もすべて感じる。

堪えきれない声が漏れて、絡めている手をぎゅうっと握ると、蓮根がふふっと笑った。

「涼真さんっ……や、息、当たって……ます」
「ああ、そんなことにも感じちゃう? 僕の結衣さんはすごく感じやすくて、エロくて可愛い。もっと、もっと乱れて」

「お願いです……ホントそこで喋っちゃ、や……」
「それって、ここ?」

散々感じさせられて、話している時の息が当たるだけでもおかしくなりそうなのに、蓮根はふっーと息を当てる。

「やぁぁんっ……」
背中というより、脊髄までぞくぞくっとして結衣は身体を反らしてしまう。

「もっと……もっとですよ、結衣さん」

敏感なそこを何度も舐められたり、時折水音とともに啜るような音まで聴こえて、与えられ続ける感覚におかしくなりそうだ。

身体の中心が熱くてもどかしくて、身体が震える。

ひっきりなしに漏れでる声は、もう抑えることなんて出来なくて。

そこにもっと、もっと……と甘い声で煽られて、それは今まで経験した事のないほどの感覚だった。

「 涼真さん、涼真さ……っん。あ……」
「結衣さん、その名前を呼ぶ声堪らない……っは……。なんて顔なんです。感じてる顔壮絶に色っぽくて、すごくくる」

「ふ……あ……んんっ、だめ、やだやだ、イ……っちゃう」

絶頂の寸前の結衣の足の間から、ちゅと音を立てて蓮根が離れる。
ふっ……と蓮根が艶めいた表情で笑った。

「……っあ」
結衣はつい、蓮根の手をぎゅううっと握ってしまい、さらにどうして?と目で追ってしまう。

「どうしたの? 結衣さん……」
「……っう……」
して欲しくておかしくなりそうだ。

泣きそう……。
「や……」

「なにが? この格好? それともイキたいの? 可愛いですよ。すごく素敵です」
「も、だめ。恥ずかしくて、や……です」

「結衣さん……恥ずかしい? うん。恥ずかしがらせたい。しどけなく、足を開いて他人には見せたことのないところを僕に見せてる。こんなこと、したことありますか?」

唇を噛み締めて結衣は首を横に振った。
恥ずかしいのと、身体の中心がきゅんきゅんするのと、煽られるので言われたことを考えることも出来ない。

「結衣さん、僕だけにしか見せたことのない姿を見せて。僕だけに見せてください。僕だけを欲しがって。僕の名前だけを呼んで。僕の前でだけはいいんですよ、恥ずかしい姿を見せても」

優しく耳元で囁かれる。
「ね、おねだりして? 欲しいって言って?」

「んっ……あ、涼真さん、お……願いっ」
「じゃあ、ここに手をついて」

椅子の背に両手を着くように、身体の位置を変えられる。
「大丈夫。ここにいますから」

そう言って後ろから抱きしめられ、両手をその大きな手で包み込まれた。

結衣の背中の全面に、蓮根の体温を感じる。
ぴったりとくっついたままで、蓮根は後ろから囁いた。

「もう……抑えられないと思うんですよ。この方がいいかもしれないから」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

恋とキスは背伸びして

葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員 成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長 年齢差 9歳 身長差 22㎝ 役職 雲泥の差 この違い、恋愛には大きな壁? そして同期の卓の存在 異性の親友は成立する? 数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの 二人の恋の物語

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

あまやかしても、いいですか?

藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。 「俺ね、ダメなんだ」 「あーもう、キスしたい」 「それこそだめです」  甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の 契約結婚生活とはこれいかに。

貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈

玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳 大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。 でも、これはただのお見合いではないらしい。 初出はエブリスタ様にて。 また番外編を追加する予定です。 シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。 表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

誘惑の延長線上、君を囲う。

桜井 響華
恋愛
私と貴方の間には "恋"も"愛"も存在しない。 高校の同級生が上司となって 私の前に現れただけの話。 .。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚ Иatural+ 企画開発部部長 日下部 郁弥(30) × 転職したてのエリアマネージャー 佐藤 琴葉(30) .。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚ 偶然にもバーカウンターで泥酔寸前の 貴方を見つけて… 高校時代の面影がない私は… 弱っていそうな貴方を誘惑した。 : : ♡o。+..:* : 「本当は大好きだった……」 ───そんな気持ちを隠したままに 欲に溺れ、お互いの隙間を埋める。 【誘惑の延長線上、君を囲う。】

憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

けいこ
恋愛
15歳のまだ子どもだった私を励まし続けてくれた家庭教師の「千隼先生」。 私は密かに先生に「憧れ」ていた。 でもこれは、恋心じゃなくただの「憧れ」。 そう思って生きてきたのに、10年の月日が過ぎ去って25歳になった私は、再び「千隼先生」に出会ってしまった。 久しぶりに会った先生は、男性なのにとんでもなく美しい顔立ちで、ありえない程の大人の魅力と色気をまとってた。 まるで人気モデルのような文句のつけようもないスタイルで、その姿は周りを魅了して止まない。 しかも、高級ホテルなどを世界展開する日本有数の大企業「晴月グループ」の御曹司だったなんて… ウエディングプランナーとして働く私と、一緒に仕事をしている仲間達との関係、そして、家族の絆… 様々な人間関係の中で進んでいく新しい展開は、毎日何が起こってるのかわからないくらい目まぐるしくて。 『僕達の再会は…本当の奇跡だ。里桜ちゃんとの出会いを僕は大切にしたいと思ってる』 「憧れ」のままの存在だったはずの先生との再会。 気づけば「千隼先生」に偽装恋愛の相手を頼まれて… ねえ、この出会いに何か意味はあるの? 本当に…「奇跡」なの? それとも… 晴月グループ LUNA BLUホテル東京ベイ 経営企画部長 晴月 千隼(はづき ちはや) 30歳 × LUNA BLUホテル東京ベイ ウエディングプランナー 優木 里桜(ゆうき りお) 25歳 うららかな春の到来と共に、今、2人の止まった時間がキラキラと鮮やかに動き出す。

Perverse

伊吹美香
恋愛
『高嶺の花』なんて立派なものじゃない ただ一人の女として愛してほしいだけなの… あなたはゆっくりと私の心に浸食してくる 触れ合う身体は熱いのに あなたの心がわからない… あなたは私に何を求めてるの? 私の気持ちはあなたに届いているの? 周りからは高嶺の花と呼ばれ本当の自分を出し切れずに悩んでいる女 三崎結菜 × 口も態度も悪いが営業成績No.1で結菜を振り回す冷たい同期男 柴垣義人 大人オフィスラブ

処理中です...