君の声を聴かせて~声フェチの人には聞かせたくないんですけどっ!~

如月 そら

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全てをあなたに

全てをあなたに②

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「可愛い、下着。」
ブラジャーをずらされて、あらわにされた胸の先端を指で辿られる。

「……んっ、涼真さんっ……」
「……っ、そんな声で名前呼ぶの、反則ですよ。どうしましょうね? これから仕事場に来る度にあなたがここで乱れたこと、思い出しそうだ」

「そんなこと、言っちゃ……や」
「感じている結衣さん、すごく可愛い」
甘い声を結衣の耳元に注ぎながら、尖ってきた胸の先端を指先でつついたり、きゅっとつまんだりされる。

「んんっ……ダメ……お願い」

「煽ってるんですか? 甘い声で名前を呼んでみたり感じてみたり、喘いでみたり、ダメとかお願いとか……」

結衣は、はあっと熱いため息をもらして、熱に潤んだ瞳で蓮根を見返す。
「え?」

「分かりました。無自覚なんですね」
蓮根は結衣を見つめて、ネクタイを緩める。

「……ん……」
結衣は一瞬ためらって手を止めた。
「うん? どうしたの?」
「ホントにここで……?」
「いや?」

「恥ずかしいです」
「いいですね。恥ずかしがるあなたをもっと見たい」

結衣の首の後ろを手で支えて、蓮根が唇を重ねる。
お互いの唇が何度も重なり、何度も何度もキスをする。

「結衣さん……」
「は……い」
「僕のネクタイ、外してください」

ネクタイを外す?

「え……」
「ね?」
戸惑っている結衣に緩く首を傾げて、蓮根はにこりと笑う。

見蕩れる程の綺麗な笑顔だ。
結衣は蓮根の指にふわりと頬を撫でられて、こくんと頷く。蓮根の笑顔には逆らえないのだ。

ほら、と手をネクタイの結び目にもっていかれた。
ためらいながらも結衣は結び目を解く。シュルっと絹の擦れ合う音。

結衣がネクタイを外している間に、蓮根は結衣のパンツのベルトを外し、するっと足から抜いてしまった。

「あなたがネクタイを外しているの、ドキドキしますよ。シャツのボタンも外して?」
「や……」

「すごく、エロい……。ブラウスの前がはだけていてブラは肩ヒモがずれてて、胸が見えてる。下はストッキングだけだし」
そんな結衣さんが脱がしてくれるの、最高……と耳元で囁かれた。
「ちが……っそれは涼真さん、が……」
    
あられもない姿なのは自覚があるのだ。
そうさせたのは蓮根のクセに煽るようにそんなことを言うから、一気に羞恥で顔が熱くなる結衣である。

「ん? ほら、キスしましょう? 好きでしょう?」
「も、ずるい……」
「恥ずかしがってる結衣さん、可愛いですよ」

少しだけむくれて見せても、くすっと笑われて唇を重ねられるだけだ。
確かに好きなのは本当かも……。
こんなことされても許せてしまうのは蓮根だから、という気がする。

蓮根の整った顔が近づいて、結衣の唇に重なる。軽く上唇を舌でなぞられて思わず甘い声が漏れてしまったところを、口の中を緩く舐められる。
口の中の粘膜が擦れ合う感触すら思ったよりも気持ちよくて、背中がぞくんとして思わず、結衣は蓮根にぎゅうっと抱きついてしまった。

「あ……なんか、……あつ……いっ」
「結衣さん、感度良すぎ」
またくすっと笑われて深く、何度も何度も舌が絡まる。

優しくて甘くて熱い、そのキスに翻弄される。
時折耳をかすめる、甘いため息も。

「いいよ。たくさん声出して。結衣さんの声いつまでも聴いていたいし、聴いているこっちがおかしくなりそう。息上がっててすごく……いい。触らせて……」

「んっ……あ!涼真さん……待って、や」
「もう待ちませんよ。待たないって言ったでしょう」

容赦なく触れられた、下着の中から聞こえる水音のような響きに身体がびくん、と震える。
「涼真さぁん……っ」

「すごく濡れていて熱い。結衣さんに名前呼ばれるのたまらない……。結衣さん、指入れますよ」
「や……だめ……」
    
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