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全てをあなたに
全てをあなたに①
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「蓮根先生?」
「んー結衣さん? 名前でしょう?」
「あの……ご飯がいただけません」
先程から蓮根は結衣を自分の膝に乗せ、頬に耳元に唇の横に、ちゅ、ちゅとキスをしていて、結衣にしてみれば食事どころではない。
部屋の中は、先程蓮根がなぜか部屋の電気を落としてしまい、デスクライトのみが付いていてほんのり明るい。
応接セットに座っている二人は明るすぎず、暗過ぎず、辛うじて表情は見える明るさの中にいるのだ。
「先にあなたを食べたい」
「もうっ……」
とは言ってみたものの、自分でも顔が赤い自覚があるので、結衣も説得力がないことは十分承知している。
「なんで、そんなにいつも甘いんです?」
「ことさらに甘くしている自覚はありませんよ。そうですね。強いて言えば、あなたがそうさせているとしか……」
うわー大丈夫か?この人?って他の人なら確実に思うのだけれど、蓮根の口から確信をもって言われると、強烈な甘さになって結衣に届くだけで、それは強烈に恥ずかしい!
「ほら、照れたからってうつむかないでください。その顔も見せて」
「涼真さん……も、無理」
その甘さに結衣は戸惑ってしまう。
本当に蓮根は結衣を甘やかすのが好きなのだ。また最近はそれが少しづつ心地よくなってきているところが怖い。
「本当に可愛いですね、結衣さんは……」
甘く耳元に響く声。
蓮根はすいっと、結衣の顎に手を添えた。
「ねえ? 前言ったこと、覚えてますか?」
「前……」
いろいろ、言われすぎて何だろう?
「次に会ったら、あなたを隅々まで奪い尽くす、と言いましたよね。心も、身体も全て僕のものにするから、と」
確かに!え?けど、それ……
「い、今ですか?」
「今でしょ」
既視感のあるこのやり取り。
「あ、いや、涼真さんお仕事は?それにですね、ここ会社です」
「背徳的ですね。ドキドキしませんか?」
超絶、ドキドキはしますけど。
嬉しそうだな……。
「んっ……」
唇を重ねられる。
蓮根の甘いため息に、結衣まで背中がぞくんとする。
「は……ぁっ、結衣さん……」
お願いだから、そんな甘い声出さないで。
どきどきする。
「んっ……あ……」
堪えられない声が結衣の口から漏れて、それすら絡め取られるようにキスをされる。
「ね、結衣さんの心臓、すごくドキドキしてる」
服の上からでも、触れられたら分かるほどのその鼓動。
「う……だって……」
ふっと、笑った蓮根が結衣を抱き締めた。
「大丈夫。僕も、一緒ですよ」
ほら、と手を掴まれて蓮根の胸に触れさせられた。
確かに、蓮根の心臓が早鐘を打っている。
「それはね、やっぱり好きな人に触れているんだからドキドキしますよ」
「……っあ」
「それにその声……堪らないです。もっと聞かせて?」
明らかな意志を持って、蓮根が結衣の耳に触れる。
その瞬間、結衣は背筋がぞくんとした。
蓮根の膝の上なので、動きは全部伝わってしまう。
そして知られている、そう思うと更に快感は増幅されるような気がして。
声を聞かれている。
動きが伝わっている。
心臓の鼓動すら知られている。
蓮根の唇は、耳元から首へと移り、更に鎖骨にまで辿り着く。
「ちょっ……」
ちゅ、ちゅ……とわざとのように、音を立てて唇を移され、鎖骨の下辺りで、ちゅっと強く吸われた。
「あ、だめですっ……ん!」
蓮根は結衣のブラウスのボタンを外していく。
「やっ……」
「んー結衣さん? 名前でしょう?」
「あの……ご飯がいただけません」
先程から蓮根は結衣を自分の膝に乗せ、頬に耳元に唇の横に、ちゅ、ちゅとキスをしていて、結衣にしてみれば食事どころではない。
部屋の中は、先程蓮根がなぜか部屋の電気を落としてしまい、デスクライトのみが付いていてほんのり明るい。
応接セットに座っている二人は明るすぎず、暗過ぎず、辛うじて表情は見える明るさの中にいるのだ。
「先にあなたを食べたい」
「もうっ……」
とは言ってみたものの、自分でも顔が赤い自覚があるので、結衣も説得力がないことは十分承知している。
「なんで、そんなにいつも甘いんです?」
「ことさらに甘くしている自覚はありませんよ。そうですね。強いて言えば、あなたがそうさせているとしか……」
うわー大丈夫か?この人?って他の人なら確実に思うのだけれど、蓮根の口から確信をもって言われると、強烈な甘さになって結衣に届くだけで、それは強烈に恥ずかしい!
「ほら、照れたからってうつむかないでください。その顔も見せて」
「涼真さん……も、無理」
その甘さに結衣は戸惑ってしまう。
本当に蓮根は結衣を甘やかすのが好きなのだ。また最近はそれが少しづつ心地よくなってきているところが怖い。
「本当に可愛いですね、結衣さんは……」
甘く耳元に響く声。
蓮根はすいっと、結衣の顎に手を添えた。
「ねえ? 前言ったこと、覚えてますか?」
「前……」
いろいろ、言われすぎて何だろう?
「次に会ったら、あなたを隅々まで奪い尽くす、と言いましたよね。心も、身体も全て僕のものにするから、と」
確かに!え?けど、それ……
「い、今ですか?」
「今でしょ」
既視感のあるこのやり取り。
「あ、いや、涼真さんお仕事は?それにですね、ここ会社です」
「背徳的ですね。ドキドキしませんか?」
超絶、ドキドキはしますけど。
嬉しそうだな……。
「んっ……」
唇を重ねられる。
蓮根の甘いため息に、結衣まで背中がぞくんとする。
「は……ぁっ、結衣さん……」
お願いだから、そんな甘い声出さないで。
どきどきする。
「んっ……あ……」
堪えられない声が結衣の口から漏れて、それすら絡め取られるようにキスをされる。
「ね、結衣さんの心臓、すごくドキドキしてる」
服の上からでも、触れられたら分かるほどのその鼓動。
「う……だって……」
ふっと、笑った蓮根が結衣を抱き締めた。
「大丈夫。僕も、一緒ですよ」
ほら、と手を掴まれて蓮根の胸に触れさせられた。
確かに、蓮根の心臓が早鐘を打っている。
「それはね、やっぱり好きな人に触れているんだからドキドキしますよ」
「……っあ」
「それにその声……堪らないです。もっと聞かせて?」
明らかな意志を持って、蓮根が結衣の耳に触れる。
その瞬間、結衣は背筋がぞくんとした。
蓮根の膝の上なので、動きは全部伝わってしまう。
そして知られている、そう思うと更に快感は増幅されるような気がして。
声を聞かれている。
動きが伝わっている。
心臓の鼓動すら知られている。
蓮根の唇は、耳元から首へと移り、更に鎖骨にまで辿り着く。
「ちょっ……」
ちゅ、ちゅ……とわざとのように、音を立てて唇を移され、鎖骨の下辺りで、ちゅっと強く吸われた。
「あ、だめですっ……ん!」
蓮根は結衣のブラウスのボタンを外していく。
「やっ……」
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