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結衣後ろ!後ろ!
結衣後ろ!後ろ!①
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白いそのマンションのエントランスに車を停め、後部座席のシートベルトを外した蓮根は結衣の手を繋いで中に入る。
入口にはコンシェルジュが微笑んでいて、蓮根は車の鍵を預けて、代わりに部屋の鍵を受け取っていた。
「車、動かしておいてください」
「かしこまりました」
「結衣さん、行きましょう」
景色いいですよ。とエレベーターに連れていかれる。
20階建ての最上階。
そのいちばん奥が、蓮根の所有する部屋のようだ。
リビングはほとんどが窓で、高層ビルのないこの辺りでは、かなり遠くまで見通すことが出来る。
もちろん海も見える。
角部屋なので、窓が大きく取られているから尚更だ。
「……まあ確かに、いい景色ですよね……」
「時間によっては海に沈む夕日とか見れますよ。食事はお願いすれば、ケータリングサービスを部屋まで持って来てくれます。6時くらいでいいですよね?」
疑問形ではあるけれど、その口調は完全に決定事項ではないのか。
夕食もここで食べることが決まりなんですね……。
つい、窓の外を見ながら黄昏てしまう結衣だ。
半分……というか大半拉致するような形で連れてこられて、万一に備えるとか何とか言って、準備万端て……。
「いつまで、外を見ているんです?」
シャッとカーテンを引かれてしまい、外が見えなくなると、蓮根と向かい合う事しか出来ない。
「あ……の……」
結衣の目の前に蓮根が立っている。
つい後ろに後ずさってしまった結衣は窓に背中をぶつけてしまった。
──これ以上は、後ろに行けない……。
「どうしたんです?」
「いえ……」
思わず顔を逸らすのに、結衣は俯いてしまった。
「結衣さん、こっちを見てください」
言葉は丁寧なくせに、蓮根に強引に顔を両手で仰けられる。
「っあ……」
「いい声……もっと聞かせて。ん?」
蓮根の端正な顔が近づいてきて、唇が重なった。
「可愛い……」
「……っ……ん」
「なんで、カーテン掴んでいるんですか?」
「なんででしょう?」
「僕の身体に手を回して?」
「あ……」
低くて甘い声。そして優しい表情。
つい、言われたまま腕を身体に回してしまう。
胸の鼓動が激しい。
どきどきしている音が自分の耳に響いて、こんなに近くにいたら、蓮根にまで聴こえそうだ。
「ん……いい子」
身体が密着した分、キスも深くなったような気がして。
口の中を探られる感覚。
先ほどよりももっと奥深く、強く探られているような気がする。
結衣はぞくんとする。
ダメになりそう……。
結衣もさほど経験豊富な方ではないけれど、多分、蓮根はキスがとっても上手い。
気持ち良過ぎるのだ。
「どうしたの? 立ってられない?」
くすくすと笑った蓮根は、からかうように結衣の頬を撫でた。
「すごく可愛い。結衣さん、好きなんです本当に。あなたの全てが欲しい」
物凄く熱を孕んだその声に先程から浮かされたようになっている結衣は、逆らうことが出来ない。
「おいで」
ふわりと抱き上げられて、ベッドにそっと降ろされる。
蓮根は指で結衣の頬を撫でた。
「んっ……」
そのまま、顎の下をくすぐる。
結衣は軽く身を捩った。少し笑い声も漏れてしまう。
蓮根からは笑みを含んだ楽しそうな声が聞こえる。
「くすぐったい?」
「はい」
「笑っている顔が、すごく可愛い」
目元を笑ませた蓮根の指はさらに、首へと降りる。
指先は首を撫でているのに、親指は唇を辿っていて、蓮根はひどく熱心にその結衣の様子を見ていた。
唇を辿られている様子をそんな風に熱心に見られて、結衣はどきんとする。
「口、開けてください……」
「っ……あ……はっ」
薄らと開けた口の中に蓮根の指が入ってきた。
その指は結衣の舌を捉えると、撫でるように触れる。
入口にはコンシェルジュが微笑んでいて、蓮根は車の鍵を預けて、代わりに部屋の鍵を受け取っていた。
「車、動かしておいてください」
「かしこまりました」
「結衣さん、行きましょう」
景色いいですよ。とエレベーターに連れていかれる。
20階建ての最上階。
そのいちばん奥が、蓮根の所有する部屋のようだ。
リビングはほとんどが窓で、高層ビルのないこの辺りでは、かなり遠くまで見通すことが出来る。
もちろん海も見える。
角部屋なので、窓が大きく取られているから尚更だ。
「……まあ確かに、いい景色ですよね……」
「時間によっては海に沈む夕日とか見れますよ。食事はお願いすれば、ケータリングサービスを部屋まで持って来てくれます。6時くらいでいいですよね?」
疑問形ではあるけれど、その口調は完全に決定事項ではないのか。
夕食もここで食べることが決まりなんですね……。
つい、窓の外を見ながら黄昏てしまう結衣だ。
半分……というか大半拉致するような形で連れてこられて、万一に備えるとか何とか言って、準備万端て……。
「いつまで、外を見ているんです?」
シャッとカーテンを引かれてしまい、外が見えなくなると、蓮根と向かい合う事しか出来ない。
「あ……の……」
結衣の目の前に蓮根が立っている。
つい後ろに後ずさってしまった結衣は窓に背中をぶつけてしまった。
──これ以上は、後ろに行けない……。
「どうしたんです?」
「いえ……」
思わず顔を逸らすのに、結衣は俯いてしまった。
「結衣さん、こっちを見てください」
言葉は丁寧なくせに、蓮根に強引に顔を両手で仰けられる。
「っあ……」
「いい声……もっと聞かせて。ん?」
蓮根の端正な顔が近づいてきて、唇が重なった。
「可愛い……」
「……っ……ん」
「なんで、カーテン掴んでいるんですか?」
「なんででしょう?」
「僕の身体に手を回して?」
「あ……」
低くて甘い声。そして優しい表情。
つい、言われたまま腕を身体に回してしまう。
胸の鼓動が激しい。
どきどきしている音が自分の耳に響いて、こんなに近くにいたら、蓮根にまで聴こえそうだ。
「ん……いい子」
身体が密着した分、キスも深くなったような気がして。
口の中を探られる感覚。
先ほどよりももっと奥深く、強く探られているような気がする。
結衣はぞくんとする。
ダメになりそう……。
結衣もさほど経験豊富な方ではないけれど、多分、蓮根はキスがとっても上手い。
気持ち良過ぎるのだ。
「どうしたの? 立ってられない?」
くすくすと笑った蓮根は、からかうように結衣の頬を撫でた。
「すごく可愛い。結衣さん、好きなんです本当に。あなたの全てが欲しい」
物凄く熱を孕んだその声に先程から浮かされたようになっている結衣は、逆らうことが出来ない。
「おいで」
ふわりと抱き上げられて、ベッドにそっと降ろされる。
蓮根は指で結衣の頬を撫でた。
「んっ……」
そのまま、顎の下をくすぐる。
結衣は軽く身を捩った。少し笑い声も漏れてしまう。
蓮根からは笑みを含んだ楽しそうな声が聞こえる。
「くすぐったい?」
「はい」
「笑っている顔が、すごく可愛い」
目元を笑ませた蓮根の指はさらに、首へと降りる。
指先は首を撫でているのに、親指は唇を辿っていて、蓮根はひどく熱心にその結衣の様子を見ていた。
唇を辿られている様子をそんな風に熱心に見られて、結衣はどきんとする。
「口、開けてください……」
「っ……あ……はっ」
薄らと開けた口の中に蓮根の指が入ってきた。
その指は結衣の舌を捉えると、撫でるように触れる。
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