遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました

如月 そら

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18.両親へのご挨拶

両親へのご挨拶①

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「ん……」
 顔に光が当たって肌に直接シーツが触れているのを感じて、亜由美はそっと目を開ける。
(私、何も着ないで寝てた……?)

「おはよう」
 耳元に響く声と、首元にかかる吐息と密着している身体と身体に絡む腕。
 亜由美はその腕にそっと手を触れた。

「おはよ」
 後ろから抱きしめられていたので、くるりと振り返って鷹條を見る。

 朝の光の中で亜由美の大好きな人が柔らかく微笑んでいた。
 それはとても幸せを感じる光景だった。

「可愛い。亜由美、好きだよ」
 亜由美が見とれそうなほどに綺麗な顔で鷹條が頬にキスをする。くすぐったいような気持ちで亜由美はそれを受け取った。そして鷹條の背中に手を回す。

「私も……好き」
 鍛えられた胸元に顔を埋めて、広くて筋肉質の大きな背中に手を回す。とても頼りがいのあるものだった。

「亜由美、煽ってる?」
「え?」
「胸が当たってて、痕が目に入る」

 ふと、亜由美が胸元に目を落とすと、昨日鷹條が付けた痕が花びらのように肌に散っている。

 ぎゅっと抱きついていたので、鷹條の肌に自分の胸元を擦り付ける形になってしまっていた。それに気付いて赤くなる。

「なんか、痕がいっぱいあった……」

「だって可愛いから。普段ちょっと澄まして見えるくらいの美人なのに、俺には蕩けた甘い顔を見せるから、つい独占欲を刺激されるよ」

 くすっと笑った鷹條は亜由美の鎖骨の下辺りに唇をつける。
「あ……」
 軽く吸われるとうっすらと痕が残った。

「もうっ、また!」
「亜由美も付けてみる?」
 それはたまらない誘惑だった。亜由美を見つめる鷹條の瞳が熱情を含んでいる。

(私も痕をつけちゃうんだから!)
 付けてみる? なんて聞かれたら黙ってはいられない。

「付けるっ」
 やるならやってごらん? という顔で見られながら、なんだか悔しいような気がするから亜由美は鷹條の胸元に唇をつけると一生懸命ちゅうっと吸った。

 うっすらと赤く痕が残り、亜由美はドヤ顔をして見せる。
「できたわ!」
「たまらないな。可愛い過ぎだろ」

 亜由美は胸元に痕をつけたままの鷹條にベッドへ押し倒されてしまう。

 確かに自分のつけた痕というのは妙に独占欲を刺激されるもので、この人は自分のものだという感覚が強くなり、ちょっと興奮させられる。

「この痕も……」
 鷹條の指が亜由美の肌の痕をなぞっていく。
「この指輪も」
 左手を繋がれて、絡んだ指の薬指に鷹條はキスをする。

「亜由美は俺のだって思えて興奮する」
「私も分かるよ。その痕、どきどきするから」

「一緒だな」
「うん」

 柔らかく甘く唇が重なって、鷹條は今度は亜由美の胸の先端を唇に含んで、優しく舐める。
 淡いその感覚はくすぐったいのより、官能的で亜由美は焦れてもじもじしてしまった。

 鷹條に気付いてほしいのだけれど、気づかないのか焦らしているのか、その唇は柔らかく胸元を辿って、お腹を甘く吸われる。

「んっ……」
 我慢できなくて漏れてしまった声と、擦り合わされた太腿の動きを見て、鷹條もなにか感じるところがあったのかもしれない。

 亜由美の膝裏に手をかけると鷹條は内腿に軽く口付けた。上目遣いで微笑みながら亜由美を見ている。

「なぁ? どうしてほしい?」
 亜由美は鷹條にあらぬところが丸見えになっているんじゃないかと思うと気が気ではないのに、そんなことを聞いてくる。

「千智……さん、あの、恥ずかしい。それに、どうしてほしい……なんて言えない……よ?」

「ねだってほしいな、亜由美に」
「や……意地悪言わないで?」

 指の背で秘裂を軽く撫でられると、濡れた感覚を亜由美に伝える。直に感じるところに触れられて亜由美の背中が震えた。

「挿れられたい? 舐められたい? 中を擦られたい? して欲しいこととか、感じることとか教えてほしいな」

「それって、本当に? 言わなきゃダメなの?」
「言ってくれたら嬉しいし、その通りにしてあげる」
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