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8.大事なことは言いましょう
大事なことは言いましょう②
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好きな人は大事にすると言った鷹條の言葉は信頼に足るものだったし、それ以上に優しくて甘い。
「どうしよう……すごく、好き……」
「うん。俺もすごく、好きだ」
そう言った鷹條の顔が近づいた。
何度も何度も唇が重なる。緩く触れ合って、その度に鼓動が大きくなってゆくのを亜由美は感じた。
強そうに見えても弱い亜由美も、大人びて見えても女子っぽい可愛いものが大好きな亜由美も鷹條は全部全部受け入れてくれる。
この人の前で、背伸びしたり見栄張ったり、頑張りすぎなくていい。
そう思うとつい目が潤んでしまう。
「意外と泣き虫だよな? それとも本当は嫌? 俺とはこういうことしたくない?」
そう言って優しく鷹條は亜由美の頬に触れてくれる。
聞かれた亜由美は慌てて首を横に振った。
「やじゃ……ない」
ふっと微笑んで口角の上がった鷹條の唇が亜由美の口元から頬、頬から耳元、そして首元へと徐々に降りてゆく。
ブラウスのボタンが外されて胸元に手と唇が触れた。その優しい手つきに思わず声が漏れてしまう。
「んっ……あ」
それが恥ずかしくて慌てて口元を抑えた。
聞いたこともないような甘えた声で、自分がそんな声を出すなんて思わなかった。
「やじゃない……んだよな?」
目線が絡み合って、鷹條からは優しいだけではなくて情欲を含んだ瞳で見つめられていることに亜由美は気づく。恥ずかしいよりそんな瞳で見られることが嬉しかった。
いつもは表情を変えない鷹條の欲情にあふれた、堪えきれない表情には胸が高鳴る。
やじゃないのは事実なので、こくんとうなずく。
「やじゃないなら、声も聞かせて。俺、亜由美の声も好きだ」
「呆れ……ないでね?」
そう言った亜由美にはーっと大きなため息の音が聞こえた。そしてぎゅうっと抱かれる。
「呆れるわけがないだろう。俺の彼女、可愛すぎて困るくらいなのに」
買いかぶりすぎなのでは? と思うが、鷹條はとても真剣に見える。
亜由美の上にいる鷹條は脱いだジャケットをベッドの下に放り投げ、着ていた黒いTシャツもかなぐり捨てるように脱いだ。
その下から現れた見事な裸体はまるでギリシャの彫像のようだった。
「ん? なに?」
つい、じーっと見つめてしまって、その視線に気づいた鷹條が戸惑ったように亜由美に視線を落とす。
「だって……すごく、カッコいい」
「多少は、鍛えているからな? 亜由美にそんな目で見られるのは悪くない」
軽々と亜由美を抱き上げられるわけだ。
「亜由美のも見たい」
ブラウスを脱がせて、ブラジャーのホックを外される。するりとブラジャーを外されたら、なんだかとても心もとない気がした。
思わず胸元を抑えてしまうと、くすりと笑われる。その手に鷹條の指が絡んだら、きゅっと繋ぎたくなってしまって、胸元はあっという間に暴かれてしまった。
「亜由美も綺麗」
見られていることに恥ずかしくてどきどきしているはずなのに、綺麗と言われて下腹部がきゅうっと熱くなった。
鷹條は亜由美の上になり、その腕の中に亜由美を捉える。
「怖い?」
亜由美はふるふるっと首を横に振った。
鷹條にされることで怖いことなんかない。
「良かった」
安心したように微笑む鷹條の顔が近づいた。そっと亜由美の唇と重なる。
一気に二人の距離がなくなって、肌と肌が触れ合う。唇の重なる感触も、肌の触れ合う感触も、どちらも亜由美を戸惑わせるほどに感じさせられてしまっていた。
重なり合うだけだった唇の隙間から鷹條の熱い舌が亜由美を追って、少しでも弱いところを見つけられるとそこを執拗に舐られる。
「どうしよう……すごく、好き……」
「うん。俺もすごく、好きだ」
そう言った鷹條の顔が近づいた。
何度も何度も唇が重なる。緩く触れ合って、その度に鼓動が大きくなってゆくのを亜由美は感じた。
強そうに見えても弱い亜由美も、大人びて見えても女子っぽい可愛いものが大好きな亜由美も鷹條は全部全部受け入れてくれる。
この人の前で、背伸びしたり見栄張ったり、頑張りすぎなくていい。
そう思うとつい目が潤んでしまう。
「意外と泣き虫だよな? それとも本当は嫌? 俺とはこういうことしたくない?」
そう言って優しく鷹條は亜由美の頬に触れてくれる。
聞かれた亜由美は慌てて首を横に振った。
「やじゃ……ない」
ふっと微笑んで口角の上がった鷹條の唇が亜由美の口元から頬、頬から耳元、そして首元へと徐々に降りてゆく。
ブラウスのボタンが外されて胸元に手と唇が触れた。その優しい手つきに思わず声が漏れてしまう。
「んっ……あ」
それが恥ずかしくて慌てて口元を抑えた。
聞いたこともないような甘えた声で、自分がそんな声を出すなんて思わなかった。
「やじゃない……んだよな?」
目線が絡み合って、鷹條からは優しいだけではなくて情欲を含んだ瞳で見つめられていることに亜由美は気づく。恥ずかしいよりそんな瞳で見られることが嬉しかった。
いつもは表情を変えない鷹條の欲情にあふれた、堪えきれない表情には胸が高鳴る。
やじゃないのは事実なので、こくんとうなずく。
「やじゃないなら、声も聞かせて。俺、亜由美の声も好きだ」
「呆れ……ないでね?」
そう言った亜由美にはーっと大きなため息の音が聞こえた。そしてぎゅうっと抱かれる。
「呆れるわけがないだろう。俺の彼女、可愛すぎて困るくらいなのに」
買いかぶりすぎなのでは? と思うが、鷹條はとても真剣に見える。
亜由美の上にいる鷹條は脱いだジャケットをベッドの下に放り投げ、着ていた黒いTシャツもかなぐり捨てるように脱いだ。
その下から現れた見事な裸体はまるでギリシャの彫像のようだった。
「ん? なに?」
つい、じーっと見つめてしまって、その視線に気づいた鷹條が戸惑ったように亜由美に視線を落とす。
「だって……すごく、カッコいい」
「多少は、鍛えているからな? 亜由美にそんな目で見られるのは悪くない」
軽々と亜由美を抱き上げられるわけだ。
「亜由美のも見たい」
ブラウスを脱がせて、ブラジャーのホックを外される。するりとブラジャーを外されたら、なんだかとても心もとない気がした。
思わず胸元を抑えてしまうと、くすりと笑われる。その手に鷹條の指が絡んだら、きゅっと繋ぎたくなってしまって、胸元はあっという間に暴かれてしまった。
「亜由美も綺麗」
見られていることに恥ずかしくてどきどきしているはずなのに、綺麗と言われて下腹部がきゅうっと熱くなった。
鷹條は亜由美の上になり、その腕の中に亜由美を捉える。
「怖い?」
亜由美はふるふるっと首を横に振った。
鷹條にされることで怖いことなんかない。
「良かった」
安心したように微笑む鷹條の顔が近づいた。そっと亜由美の唇と重なる。
一気に二人の距離がなくなって、肌と肌が触れ合う。唇の重なる感触も、肌の触れ合う感触も、どちらも亜由美を戸惑わせるほどに感じさせられてしまっていた。
重なり合うだけだった唇の隙間から鷹條の熱い舌が亜由美を追って、少しでも弱いところを見つけられるとそこを執拗に舐られる。
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