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17.二人のルール
二人のルール⑤
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「見えたら、怖くなっちゃうかもだろう?」
「あ……」
こういうところに、きゅんとしてしまう。
布団の中はとても閉ざされた空間のように感じて、先程はあらぬところまで見られていたその不安が、今はなかった。
「浅緋を不安な気持ちにさせたくない。本当は繋がっているところも見たいけれど、今じゃなくてもいい。これからたくさんしてくれる? 浅緋……」
こんなに大事にされている。それに……嫌ではない気がする。
「はい……」
とても小さな声になってしまったけれど、浅緋はそう返事をした。
片倉は浅緋の様子を見ながらゆっくり身体を進めてくれた。それでも浅緋にはつらい。
「大丈夫? つらいな?」
「んっ……でも、止めないで……」
「今、半分くらいかな」
「は、半分……ですか?」
異物感も圧迫感も先程の指の時とは比べ物にならない。
ふ……と笑った片倉がきゅっと浅緋を抱きしめる。
抱きしめてくれている片倉の身体が、少ししっとりとしているのを浅緋は感じた。
「慎也さん、つらい?」
「平気。浅緋、君こそつらいだろうに」
「大丈夫。お願いします……っ」
めりめりと音がしないのが不思議なくらい、圧倒的な存在感のものが侵入してきた。
「んっ……」
「浅緋……」
気づいたら、涙が零れていたらしく、それを片倉に舐め取られる。
「あ……」
まぶたへのキスで、ゆっくり目を開けた浅緋は、目の前の片倉が眉間に皺を寄せている表情を見た。
浅緋の視線に気づいて、片倉が淡く笑う。
その時、片倉の下半身が浅緋の下半身にぶつかった。
「入ったよ?」
「慎也、さん……すごくっ、……すごく幸せです」
「ん……、良かった」
浅緋を撫でた片倉が顔を寄せる。
自然に重なり合った唇は、深いキスへと変わっていった。
もう、それすらも自然なことで、深く舌が絡まっても上顎を軽く舐められても、唇を食むように啄まれても、ただ、ひたすら気持ちいい。
緩く、片倉の腰が動いて、浅緋の中にある熱くて硬いものが動いている。
最初入らないのではないかと思ったけれど、ゆるゆると動かされているうちに、どこかに擦れたようだった。
「あ……ぁんっ……」
甘えるような嬌声が自分から出たのだとは浅緋は信じたくないけれど、堪えきれなかったのだ。
「その声、っ……やば……」
片倉の動きが徐々に早くなるにつれて、浅緋の声もとめどなく溢れてしまう。
目の前の片倉は見たこともないくらい壮絶に艶っぽくて激しく打ち付けられる腰も、それに伴って粘着質な音を上げる下半身も初めて受け入れる中も、そのすべてに対処することなんて出来なくて、浅緋はただただ甘い声を上げることしか出来なかった。
「浅緋っ……浅緋、浅緋……」
何度も呼ばれるその名前に浅緋も縋るように片倉に捕まって、その名前を呼ぶ。
「っ……慎也、さんっ……」
一際強く、奥に押し付けられ、中のものがビクンっと大きく動いたのが分かった。
お互いにぎゅうっと抱き合って、乱れた息を落ち着かせる。
「浅緋、平気?」
「ん……大丈夫です」
息が落ち着いたところで、ゆっくりと身体を持ち上げた片倉が、浅緋の顔を覗き込む。
「ありがとうございます、慎也さん。とても、幸せです」
はっ……と大きく息をついた片倉はうっすらと汗をかいていて、額に張り付いていた髪を浅緋はそっと手で避ける。
その仕草に、片倉は浅緋をぎゅっと抱きしめた。
「頼むよ……煽らないで……」
煽る……?分からないのですけれど……。
「あ……」
こういうところに、きゅんとしてしまう。
布団の中はとても閉ざされた空間のように感じて、先程はあらぬところまで見られていたその不安が、今はなかった。
「浅緋を不安な気持ちにさせたくない。本当は繋がっているところも見たいけれど、今じゃなくてもいい。これからたくさんしてくれる? 浅緋……」
こんなに大事にされている。それに……嫌ではない気がする。
「はい……」
とても小さな声になってしまったけれど、浅緋はそう返事をした。
片倉は浅緋の様子を見ながらゆっくり身体を進めてくれた。それでも浅緋にはつらい。
「大丈夫? つらいな?」
「んっ……でも、止めないで……」
「今、半分くらいかな」
「は、半分……ですか?」
異物感も圧迫感も先程の指の時とは比べ物にならない。
ふ……と笑った片倉がきゅっと浅緋を抱きしめる。
抱きしめてくれている片倉の身体が、少ししっとりとしているのを浅緋は感じた。
「慎也さん、つらい?」
「平気。浅緋、君こそつらいだろうに」
「大丈夫。お願いします……っ」
めりめりと音がしないのが不思議なくらい、圧倒的な存在感のものが侵入してきた。
「んっ……」
「浅緋……」
気づいたら、涙が零れていたらしく、それを片倉に舐め取られる。
「あ……」
まぶたへのキスで、ゆっくり目を開けた浅緋は、目の前の片倉が眉間に皺を寄せている表情を見た。
浅緋の視線に気づいて、片倉が淡く笑う。
その時、片倉の下半身が浅緋の下半身にぶつかった。
「入ったよ?」
「慎也、さん……すごくっ、……すごく幸せです」
「ん……、良かった」
浅緋を撫でた片倉が顔を寄せる。
自然に重なり合った唇は、深いキスへと変わっていった。
もう、それすらも自然なことで、深く舌が絡まっても上顎を軽く舐められても、唇を食むように啄まれても、ただ、ひたすら気持ちいい。
緩く、片倉の腰が動いて、浅緋の中にある熱くて硬いものが動いている。
最初入らないのではないかと思ったけれど、ゆるゆると動かされているうちに、どこかに擦れたようだった。
「あ……ぁんっ……」
甘えるような嬌声が自分から出たのだとは浅緋は信じたくないけれど、堪えきれなかったのだ。
「その声、っ……やば……」
片倉の動きが徐々に早くなるにつれて、浅緋の声もとめどなく溢れてしまう。
目の前の片倉は見たこともないくらい壮絶に艶っぽくて激しく打ち付けられる腰も、それに伴って粘着質な音を上げる下半身も初めて受け入れる中も、そのすべてに対処することなんて出来なくて、浅緋はただただ甘い声を上げることしか出来なかった。
「浅緋っ……浅緋、浅緋……」
何度も呼ばれるその名前に浅緋も縋るように片倉に捕まって、その名前を呼ぶ。
「っ……慎也、さんっ……」
一際強く、奥に押し付けられ、中のものがビクンっと大きく動いたのが分かった。
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「浅緋、平気?」
「ん……大丈夫です」
息が落ち着いたところで、ゆっくりと身体を持ち上げた片倉が、浅緋の顔を覗き込む。
「ありがとうございます、慎也さん。とても、幸せです」
はっ……と大きく息をついた片倉はうっすらと汗をかいていて、額に張り付いていた髪を浅緋はそっと手で避ける。
その仕草に、片倉は浅緋をぎゅっと抱きしめた。
「頼むよ……煽らないで……」
煽る……?分からないのですけれど……。
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