上 下
76 / 87
17.二人のルール

二人のルール④

しおりを挟む
 お腹がきゅんとするし、中からはどんどん温かいものが出てきている気がするし、なにか、我慢出来ないような感じがする……!

「いっぱい、出てる……」
 嬉しそうだけれど、とても嬉しそうだけれど……恥ずかしいっ。

 舐め取られても舐め取られても、そこに片倉の舌が触れている間は止めどなく露をこぼし続けていて、もう、浅緋は泣きそうだ。

「浅緋のここが可愛すぎてつい、夢中になっちゃった。ごめんね」

 ごめんね、と言いながら軽く口元を指で拭う仕草はとてつもなくいやらしい。

「今度は、中は舐めないから」
 そうして、すっかり尖ってしまった突起をまたぺろりと舐める。

 浅緋は甘い声を上げて背を反らせた。
「たくさん濡れたから、大丈夫だと思うけど」
 え?と思ったらそこに指が入ってくる。

「……っん」
 確かに違和感はあるけれど、浅緋から出てくるものの滑りを借りて、するっと中に入ってしまうのだ。

 それよりも、ぷっくりと膨れているその芽を舌先で舐められていることの方が気になってしまって。

 中に入っている指も激しく動かされているわけではないけれど、緩やかにではあるけれど、容赦なく動いてさらに先程よりも粘着質な音を響かせている。

 指の動きとぐちゅぐちゅいうその音と、敏感なところを舌で愛撫されるその感覚で堪えきれない熱が下腹部に溜まってゆくのがわかる。

 何かに手が届きそうな、そこに行きたいような。

「イって……?」
 浅緋の様子をつぶさに見ていた、片倉がそう言った。

 繋いでくれているその手がきゅっと握られる。
 浅緋も強く握り返した。

 というか、もうぎゅうっと握っていないと我慢できないのだ。

「イくとき、教えて? 浅緋……」
 敏感なところに息がかかる。

「っや、そんなところで、しゃべっちゃ、ダメです……」
 くすりと笑った片倉はゆるりとその舌での愛撫を再開した。

「っあ……」
 高みに到達した浅緋の足が、シーツを乱した。
 片倉がゆっくりと浅緋の中から指をぬく。

「んっ……」
 いったばかりの身体には、指を抜かれるだけでも充分な刺激だった。

 満足気な表情の片倉が浅緋の内腿にキスをする。

「教えてって、言ったのに」
「っ……ご、ごめんなさい」

「謝らなくていいよ。浅緋の中に触れていたからイく時はすごくよく分かったし。ただ、イくって言う浅緋の声が聞きたかったから。今回は気持ちよくなって欲しかったから顔があまり見られなくて残念だけれど、そのうち見せてね」

──な……なにかとんでもなく卑猥なことを言われているような気がします。

「浅緋、夫婦になるなら当然だよ?」
 たまにそう言って、片倉はすごく真っ直ぐな目をするのだが。

……本当でしょうか?
 世の中のご夫婦はこんなに恥ずかしいことを?

「僕と浅緋のルールだよ」
 そう言って額にキスされるのは、まるでいつも約束の刻印のようで浅緋はその言葉に逆らえない。

 それに2人のルールなら、それでいいのかなと思うのだ。
 そうして『2人のルール』が少しずつ出来ていくことは、悪い気持ちはしないから。

「はい……」
 そう返事をした浅緋の下肢にまた片倉の指が触れる。

「え……あの、私……」
「浅緋、肝心な事がまだだよね?」

 今度は浅緋のその場所は片倉の指をするりと簡単に呑み込んだ。
「んっ、あ……」

 先程は2本入るのもやっとだったけれど、今は大丈夫そうだ。
 片倉はぱさっと浅緋と自分に布団をかけた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

社長、嫌いになってもいいですか?

和泉杏咲
恋愛
ずっと連絡が取れなかった恋人が、女と二人きりで楽そうに話していた……!? 浮気なの? 私のことは捨てるの? 私は出会った頃のこと、付き合い始めた頃のことを思い出しながら走り出す。 「あなたのことを嫌いになりたい…!」 そうすれば、こんな苦しい思いをしなくて済むのに。 そんな時、思い出の紫陽花が目の前に現れる。 美しいグラデーションに隠された、花言葉が私の心を蝕んでいく……。

忙しい男

菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。 「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」 「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」 すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。 ※ハッピーエンドです かなりやきもきさせてしまうと思います。 どうか温かい目でみてやってくださいね。 ※本編完結しました(2019/07/15) スピンオフ &番外編 【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19) 改稿 (2020/01/01) 本編のみカクヨムさんでも公開しました。

冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています

朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。 颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。 結婚してみると超一方的な溺愛が始まり…… 「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」 冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。 別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)

長い片思い

詩織
恋愛
大好きな上司が結婚。 もう私の想いは届かない。 だから私は…

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

好きな人の好きな人

ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。" 初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。 恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。 そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

処理中です...