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おまけのお話:その2
見たことのないあなたも④
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「あら? 良かったらごゆっくりどうぞ?」
「いや、なんだか新婚みたいなお2人の邪魔をする気にはなれなくて。それに珍しい倉橋の姿も十分見られましたから。倉橋、いいパートナー見つけたな」
からかうでもなく、真剣な様子に陽平も屈託なく頷いた。
「ああ。そう思ってるよ」
ごちそうさまでしたーとか、結婚式の時は呼べよ!とかそんな風に言い残して彼らは帰っていく。
玄関まで見送ってリビングに戻った陽平は、片付けをしている翠咲をぎゅうっと抱きしめる。
「んー? どうしたの? まだ酔ってる?」
「もう酔ってない。みんなに認められる翠咲を誇りに思ってる」
「何言ってるんだか……」
「本当のことだ」
ちゅ……と陽平は翠咲の耳元にキスをする。
くすぐったいよ、と身を捩る翠咲が可愛くて、陽平は頬から唇へとキスを移してゆく。
くるりと振り返った翠咲がぎゅうっと陽平の背中に回す手が愛おしい。
「良かった……」
「ん? 何が?」
「陽平さんのこと分かってくれる仲間がいて良かった。その人達に嫌われなくて良かった……って」
「翠咲のことを嫌うわけがないだろう」
「でも、なんか安心した。いいパートナーって褒められて嬉しかったの」
それを言うなら陽平もだ。
自分が選んだ女性を友人が認めてくれたことは嬉しい。
「僕もだよ。他にはいない。たった一人のかけがえのない人なんだ」
翠咲にとってもそれは同じだ。
こんな風に愛しく思える人は他にはいないだろう。
翠咲は自分から陽平の唇に唇を重ねた。
軽いものではあったけれど、翠咲からのキスに陽平は笑顔になる。
──もう、本当に花が咲くみたいに笑うから。
そう、最初から大好きな顔。
それが翠咲からのキスで幸せに綻んでいた。
「君は簡単に僕を幸せにするね?」
「私もそんな笑顔見れて、すごく幸せなんだけど」
淡々としていて、表情が動くことなんてないと思っていた人。
こんなにも綺麗な笑顔を見せるなんて、その時は思っていなかったのだ。
「笑顔だけじゃない僕の顔も見せてあげるよ」
それはひどく蠱惑的な表情で、聞いていた翠咲の方が真っ赤になってしまった。
「僕の婚約者は照れ屋で可愛い。ねえ、お互い家族には挨拶は済ませたんだし、入籍しちゃダメかな? あの時は待てって言われたから待ったけど、だいぶ我慢しているんだけどな」
確かに、あの時は翌日にでも婚姻届を出しに行きそうな陽平だったが、あれから翠咲の実家に挨拶に行き、翠咲も陽平の実家に挨拶に行った。
具体的な話は出なかったけれど、翠咲の親も、陽平の親も『結婚さえしてくれたらなんでもいい!』みたいな感じになっていたからだと思う。
多分どちらの両親も結婚について諦めていたからだろう。
「ちゃんと式は挙げるよ。翠咲のドレス姿か、白無垢か分かんないけど、両方でもいいんだけど、絶対見たいからね」
「それを言うなら、私だって陽平さんのタキシードとか、袴姿とか見たいっ」
「んー」
陽平がひょいっと抱きついていた翠咲を抱っこする。
「きゃ……」
「吹けば飛ぶとか思ってないよね?」
「もう、思ってません……」
あんなの、まだ覚えているなんて……。
翠咲が陽平の首元に腕を回すと陽平はご機嫌になった。そうして、翠咲を寝室のベッドまで運ぶ。
ベッドにゆるりと押し倒された翠咲は寝室の薄暗い灯りの中で、陽平を真っ直ぐ見つめる。
陽平はそらすことなく真っ直ぐ見つめ返してきた。
この真っ直ぐさがお互いに信頼できるところなのだ。
陽平が自分の鼻を翠咲の鼻にこすりつける。
「入籍のこと、決めよう」
「うん」
「明日起きたら」
今は存分に2人で愛を確認したいから。
ふふっと翠咲の軽やかな笑い声がして、ベッドが緩く軋んだ音がした。
✽+†+✽―END―✽+†+✽
(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾今度こそ、本当にENDです。
たくさん、お付き合いくださって、最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます‼️
「いや、なんだか新婚みたいなお2人の邪魔をする気にはなれなくて。それに珍しい倉橋の姿も十分見られましたから。倉橋、いいパートナー見つけたな」
からかうでもなく、真剣な様子に陽平も屈託なく頷いた。
「ああ。そう思ってるよ」
ごちそうさまでしたーとか、結婚式の時は呼べよ!とかそんな風に言い残して彼らは帰っていく。
玄関まで見送ってリビングに戻った陽平は、片付けをしている翠咲をぎゅうっと抱きしめる。
「んー? どうしたの? まだ酔ってる?」
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「何言ってるんだか……」
「本当のことだ」
ちゅ……と陽平は翠咲の耳元にキスをする。
くすぐったいよ、と身を捩る翠咲が可愛くて、陽平は頬から唇へとキスを移してゆく。
くるりと振り返った翠咲がぎゅうっと陽平の背中に回す手が愛おしい。
「良かった……」
「ん? 何が?」
「陽平さんのこと分かってくれる仲間がいて良かった。その人達に嫌われなくて良かった……って」
「翠咲のことを嫌うわけがないだろう」
「でも、なんか安心した。いいパートナーって褒められて嬉しかったの」
それを言うなら陽平もだ。
自分が選んだ女性を友人が認めてくれたことは嬉しい。
「僕もだよ。他にはいない。たった一人のかけがえのない人なんだ」
翠咲にとってもそれは同じだ。
こんな風に愛しく思える人は他にはいないだろう。
翠咲は自分から陽平の唇に唇を重ねた。
軽いものではあったけれど、翠咲からのキスに陽平は笑顔になる。
──もう、本当に花が咲くみたいに笑うから。
そう、最初から大好きな顔。
それが翠咲からのキスで幸せに綻んでいた。
「君は簡単に僕を幸せにするね?」
「私もそんな笑顔見れて、すごく幸せなんだけど」
淡々としていて、表情が動くことなんてないと思っていた人。
こんなにも綺麗な笑顔を見せるなんて、その時は思っていなかったのだ。
「笑顔だけじゃない僕の顔も見せてあげるよ」
それはひどく蠱惑的な表情で、聞いていた翠咲の方が真っ赤になってしまった。
「僕の婚約者は照れ屋で可愛い。ねえ、お互い家族には挨拶は済ませたんだし、入籍しちゃダメかな? あの時は待てって言われたから待ったけど、だいぶ我慢しているんだけどな」
確かに、あの時は翌日にでも婚姻届を出しに行きそうな陽平だったが、あれから翠咲の実家に挨拶に行き、翠咲も陽平の実家に挨拶に行った。
具体的な話は出なかったけれど、翠咲の親も、陽平の親も『結婚さえしてくれたらなんでもいい!』みたいな感じになっていたからだと思う。
多分どちらの両親も結婚について諦めていたからだろう。
「ちゃんと式は挙げるよ。翠咲のドレス姿か、白無垢か分かんないけど、両方でもいいんだけど、絶対見たいからね」
「それを言うなら、私だって陽平さんのタキシードとか、袴姿とか見たいっ」
「んー」
陽平がひょいっと抱きついていた翠咲を抱っこする。
「きゃ……」
「吹けば飛ぶとか思ってないよね?」
「もう、思ってません……」
あんなの、まだ覚えているなんて……。
翠咲が陽平の首元に腕を回すと陽平はご機嫌になった。そうして、翠咲を寝室のベッドまで運ぶ。
ベッドにゆるりと押し倒された翠咲は寝室の薄暗い灯りの中で、陽平を真っ直ぐ見つめる。
陽平はそらすことなく真っ直ぐ見つめ返してきた。
この真っ直ぐさがお互いに信頼できるところなのだ。
陽平が自分の鼻を翠咲の鼻にこすりつける。
「入籍のこと、決めよう」
「うん」
「明日起きたら」
今は存分に2人で愛を確認したいから。
ふふっと翠咲の軽やかな笑い声がして、ベッドが緩く軋んだ音がした。
✽+†+✽―END―✽+†+✽
(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾今度こそ、本当にENDです。
たくさん、お付き合いくださって、最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます‼️
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