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別視点
弘人視点
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部屋の戸が明らかに不機嫌な様子で開けられる。
「兄さん、どういうことかな? 」
「何がだ?」
こんな夜更けにいきなり。こちらが不機嫌になってもおかしくないはずだ。
「久しぶりに帰ってみれば。あの様子はどういうことだよ。任せろって言っただろう?」
「は? 様子? 蓉子がどうかしたか? 今朝も話したがべつに変わってなかったが」
「何見てるんだよ! おかしくなってるじゃないか! ばあやも言ってたぞ。忙しすぎて自分で精一杯なら、俺が帰ってきてもいい」
「どうした。何を言ってた」
蓉子がおかしい?そんなはずは… いや、こいつが嘘を言うわけがない。
何を見逃していたと。
気持ちを切り替える。仕事なんかやってられるか。
「どうも、家庭教師たちに問題がありそうだ。蓉子が勉強できないって。おかしいだろう! 誰の選出だ?今、何人いる?」
「五人かな? 選んだのは親父の秘書だ。 どっかの塾や学校から引き抜いたらしい。 できるやつという触れ込みだぞ?」
「五人… すべてがそうとは限らんが、本当にできる教師か?」
親父に任せたのが間違いだったか……
あまりに関わらせないわけにもいかず、教師の選定をさせたのだが……
やはり、かかわらせるのではなかったな。
「解った。すぐ調べる。新しいのに心当りあるか?」
「あたってみる。」
なんでだろうな。
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俺たち家族のはずなのに。
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