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十才になります。
春。
しおりを挟む桜の花が散っています。
庭はまるで薄桃色の池のよう。
とても きれいだけれども
悲しげな 色でうめつくされています。
わたしの 心の中のようです。
春の楽しげなよそおいをまとって
泣くのをがまんしているかのように
散ったあとも 薄いいろだけのこしたまま
そこに ある。
泣いてはいけないのです。
努力の 足りないのは きっと わたし。
何かを頑張ろうとすると
からだが 悲鳴をあげる
皆が 気をつかって くれているのに
何ひとつ こなせない
泣いてなんとか なるのなら
そうしてしまいたい
でも 悲しげな表情だけで
まわりに迷惑をかけてしまう。
ごめんなさいと 謝るだけで 傷つく人がいるなら
それすら してはいけないのだと。
わかってしまったから
わたしは 大丈夫と わらっているしかない。
いつになったら
学校に行けるように
なるのでしょうか
いつになったら…
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