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番外編
おばあちゃんのお山のお家
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はぁはぁ……
んっとっ!
ふぅふぅ……
まったく、おばあちゃんったら、本当にこんなとこで生活しようとしてたのかしら?
雨戸も重たいし……
キッチンは、土間だし……
「脩さーん、雨戸とお勝手開けたよー」
雨戸をあけ、窓まで開け放つと風が部屋を通り抜けていくのを感じた。
澱んでいた空気が一気に清浄なものと入れ換わっていく。
ふぅ。でも、この家本当に風が抜けるのね。家の前に広がる雑草の草いきれが部屋の中に充満する。それは嫌な感じがしなかった。草の生きた匂い…… そういえば、これっておばあちゃんの匂いだ。
ここまで来るのだって大変だった。麓からどれぐらい道を登ったのだろう。しかも、くねくねと曲がった細い道。片側がうねる川、もう片側が山で木が覆いかぶさってくるぐらい邪魔。
車が離合するのにも大変で。でも何故なんだろう、離合する車がきていたのは。道の終着点はこの家だったというのに。この先は何もないというのに。
ここはおばあちゃんの最後の財産。殆どの資産は生前贈与されて、おばあちゃん自身の物はここしか残っていなかったの。
ずっと住んでいた家も、お父さんの遺してくれたお金も土地も、会社も……
いつの間にかすべて私名義になっていて、知らない親戚が何を言っても脩さんがすべてやってくれて。
おばあちゃんは何がしたかったの?
私はもう必要じゃなかったの?
おばあちゃんのお葬式にきていた人の半分は、あとで相続についてもめた人たちで。後の半分はほとんど知らない人だった。
私は今まで何を見てきたの?
私はずっと、お父さんやお母さんが亡くなって以来ずっと一緒にいたのに。おばあちゃんの事を何も知らなかった。おばあちゃんのお友達も、おばあちゃんのお仕事も。
何も……
家の窓を開け放ち、風を通すと……
おばあちゃんの匂いが家に満ちてきた。
おばあちゃん、私、ここに来たよ。
脩さんと来たよ。
何かわかるのかな。
おばあちゃん……。
んっとっ!
ふぅふぅ……
まったく、おばあちゃんったら、本当にこんなとこで生活しようとしてたのかしら?
雨戸も重たいし……
キッチンは、土間だし……
「脩さーん、雨戸とお勝手開けたよー」
雨戸をあけ、窓まで開け放つと風が部屋を通り抜けていくのを感じた。
澱んでいた空気が一気に清浄なものと入れ換わっていく。
ふぅ。でも、この家本当に風が抜けるのね。家の前に広がる雑草の草いきれが部屋の中に充満する。それは嫌な感じがしなかった。草の生きた匂い…… そういえば、これっておばあちゃんの匂いだ。
ここまで来るのだって大変だった。麓からどれぐらい道を登ったのだろう。しかも、くねくねと曲がった細い道。片側がうねる川、もう片側が山で木が覆いかぶさってくるぐらい邪魔。
車が離合するのにも大変で。でも何故なんだろう、離合する車がきていたのは。道の終着点はこの家だったというのに。この先は何もないというのに。
ここはおばあちゃんの最後の財産。殆どの資産は生前贈与されて、おばあちゃん自身の物はここしか残っていなかったの。
ずっと住んでいた家も、お父さんの遺してくれたお金も土地も、会社も……
いつの間にかすべて私名義になっていて、知らない親戚が何を言っても脩さんがすべてやってくれて。
おばあちゃんは何がしたかったの?
私はもう必要じゃなかったの?
おばあちゃんのお葬式にきていた人の半分は、あとで相続についてもめた人たちで。後の半分はほとんど知らない人だった。
私は今まで何を見てきたの?
私はずっと、お父さんやお母さんが亡くなって以来ずっと一緒にいたのに。おばあちゃんの事を何も知らなかった。おばあちゃんのお友達も、おばあちゃんのお仕事も。
何も……
家の窓を開け放ち、風を通すと……
おばあちゃんの匂いが家に満ちてきた。
おばあちゃん、私、ここに来たよ。
脩さんと来たよ。
何かわかるのかな。
おばあちゃん……。
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