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2章 森に引きこもってもいいかしら?
17. 情報と見極め
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集まったメンバーは緑の風の五人、冒険者ギルド長のハーナさんです。大事にはしたくないのです。そう最初は思っていました。
色々皆と話し合った結果、イリスと私はこのまましばらくこの教会にいることになりました。
イーヴァと、サパンは証拠集め、エルムとハーナさんは事後の為に連絡などを、シェヌには付近の人の話を集めてもらいます。
どれだけ証拠が集まるのか、どれだけの人が加担していたのか、どうやったらパリアを助ける事ができるのか。
分からないながら、皆で手分けをして準備をします。
もちろん、周囲の他の人には内緒です。
イーヴァが集めてくるのは、それぞれがしてきた証拠が主です。誰がどんな仕打ちをしてきたか。その為その後の生活がどのようになったか。またその後の脅迫、恫喝……一つずつ洗い出してくれました。
サパンは公式の記録を写し出してくれました。どれだけ誤魔化され、どれだけ腐って行ったかもわかるように。
普通は残さないであろう帳簿も、探し出してくれました。まさかあんなところに有ろうとは思いもよりませんでした。
シェヌが集めてくる町の人の噂や冒険者から得られる情報を聞いて呆れています。
その噂の真偽もどんどん集まります。
どうやら扇動しているものがいるようです。
エルムとハーナさんと一緒に後の事も話し合います。この子たち、この町の人達をどれだけ苦しめてきていたのか。信じられないとハーナさんは言いました。しかし目の前に積み上げられた証拠がそれを表しています。彼はそういえばとか、あの時はとか……目を瞑っていたことも晒されて、苦悩で顔が歪んでいます。
全ての証拠、携わっていた人達、どれも酷いものです。
怒りが心から湧き上がっいきます。
何をどうすれば良いのでしょう。
ふぅ。何度も深呼吸をして、怒りの感情をコントロールします。
私が感情的にはなってはいけないのです。
いえ、私だけは冷静に物事を判断しなければ……
私は幾度かルミナス神にお会いして、ある修行をしました。
今では知られることのなくなった、属性の訓練をしていました。
冷静に判断しなくては……とプレッシャーを感じます。
しかしルミナス神は私が全て決めていい事なので、のんびり決めればいいよといいますの。
困ったものです。
しばらくの間、ミクリンは例の嫌な目つきの男に、いつ来るのかと迫られていました。
小銭を少しずづ渡して、お金を集められるだけ集めているんだと男には告げていました。
もちろん、私たちからの指示です。もう少し頑張ればこんな事も無くなるのだと思って頑張っているのがよく解ります。
たまにパリアの所にもいって加護のある厨房で作られたエルブ茶を飲ませています。
身体にある傷には、煮詰めたジュウジ草の煮汁で拭いています。これは臭いが強いので身体が清潔になっている事や傷が治っていっているのを誤魔化すことも出来ているようです。
セオルとタッツウには、奴らを罠にかけるためのクッキーや飲料を作って貰っています。
それは昔住んでいた方の馬小屋で作っています。なので回復の付与は付いていないのです。
彼女を助けるという事は、健康に暮らせて普通の仕事ができるようにするということです。
ただ心にも傷を負っているであろう彼女を、どのように救えばいいかは分かりません。
ゆっくりじっくり時間をかけて行こうとソルトとも話をしました。
「おばあちゃんっ! さっきパリアの所に持って行ったクッキーをあいつらに盗られた!」
ミクリンが走って帰って来るなりそう言いました。
「あいつら今ならここにたくさんあるだろうってっ。そう言ってた!」
どうやら、待っていた機会が訪れたようです。
ミクリンがどうやらその機会を作ったようです。
ふふふっ。
「そう……来るのね。子供達とソルトはこれを持って馬小屋に避難しておいてね。絶対出てはいけないわよ? タッツウ。分かったわね。もし出ていて何かあったら、ここにはもう居られないし、もしかすると私たちも命が無いかもしれないわ。セオル。我慢させられるわね? ここに居れば絶対大丈夫だから」
二人は命にかかわるのだと伝えると首が千切れるかもしれないくらい何度も頷いた。
そして渡した結界石を大事そうに抱えると小屋の方に行きました。
『イーヴァ、どうやら彼らが来るようよ。エルム達にも伝えて。私は教会の方に行きます』
色々皆と話し合った結果、イリスと私はこのまましばらくこの教会にいることになりました。
イーヴァと、サパンは証拠集め、エルムとハーナさんは事後の為に連絡などを、シェヌには付近の人の話を集めてもらいます。
どれだけ証拠が集まるのか、どれだけの人が加担していたのか、どうやったらパリアを助ける事ができるのか。
分からないながら、皆で手分けをして準備をします。
もちろん、周囲の他の人には内緒です。
イーヴァが集めてくるのは、それぞれがしてきた証拠が主です。誰がどんな仕打ちをしてきたか。その為その後の生活がどのようになったか。またその後の脅迫、恫喝……一つずつ洗い出してくれました。
サパンは公式の記録を写し出してくれました。どれだけ誤魔化され、どれだけ腐って行ったかもわかるように。
普通は残さないであろう帳簿も、探し出してくれました。まさかあんなところに有ろうとは思いもよりませんでした。
シェヌが集めてくる町の人の噂や冒険者から得られる情報を聞いて呆れています。
その噂の真偽もどんどん集まります。
どうやら扇動しているものがいるようです。
エルムとハーナさんと一緒に後の事も話し合います。この子たち、この町の人達をどれだけ苦しめてきていたのか。信じられないとハーナさんは言いました。しかし目の前に積み上げられた証拠がそれを表しています。彼はそういえばとか、あの時はとか……目を瞑っていたことも晒されて、苦悩で顔が歪んでいます。
全ての証拠、携わっていた人達、どれも酷いものです。
怒りが心から湧き上がっいきます。
何をどうすれば良いのでしょう。
ふぅ。何度も深呼吸をして、怒りの感情をコントロールします。
私が感情的にはなってはいけないのです。
いえ、私だけは冷静に物事を判断しなければ……
私は幾度かルミナス神にお会いして、ある修行をしました。
今では知られることのなくなった、属性の訓練をしていました。
冷静に判断しなくては……とプレッシャーを感じます。
しかしルミナス神は私が全て決めていい事なので、のんびり決めればいいよといいますの。
困ったものです。
しばらくの間、ミクリンは例の嫌な目つきの男に、いつ来るのかと迫られていました。
小銭を少しずづ渡して、お金を集められるだけ集めているんだと男には告げていました。
もちろん、私たちからの指示です。もう少し頑張ればこんな事も無くなるのだと思って頑張っているのがよく解ります。
たまにパリアの所にもいって加護のある厨房で作られたエルブ茶を飲ませています。
身体にある傷には、煮詰めたジュウジ草の煮汁で拭いています。これは臭いが強いので身体が清潔になっている事や傷が治っていっているのを誤魔化すことも出来ているようです。
セオルとタッツウには、奴らを罠にかけるためのクッキーや飲料を作って貰っています。
それは昔住んでいた方の馬小屋で作っています。なので回復の付与は付いていないのです。
彼女を助けるという事は、健康に暮らせて普通の仕事ができるようにするということです。
ただ心にも傷を負っているであろう彼女を、どのように救えばいいかは分かりません。
ゆっくりじっくり時間をかけて行こうとソルトとも話をしました。
「おばあちゃんっ! さっきパリアの所に持って行ったクッキーをあいつらに盗られた!」
ミクリンが走って帰って来るなりそう言いました。
「あいつら今ならここにたくさんあるだろうってっ。そう言ってた!」
どうやら、待っていた機会が訪れたようです。
ミクリンがどうやらその機会を作ったようです。
ふふふっ。
「そう……来るのね。子供達とソルトはこれを持って馬小屋に避難しておいてね。絶対出てはいけないわよ? タッツウ。分かったわね。もし出ていて何かあったら、ここにはもう居られないし、もしかすると私たちも命が無いかもしれないわ。セオル。我慢させられるわね? ここに居れば絶対大丈夫だから」
二人は命にかかわるのだと伝えると首が千切れるかもしれないくらい何度も頷いた。
そして渡した結界石を大事そうに抱えると小屋の方に行きました。
『イーヴァ、どうやら彼らが来るようよ。エルム達にも伝えて。私は教会の方に行きます』
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