大物mogurar純平の異世界物語

漆黒の電気鼠

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早すぎる再会

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ゴーン!

街の鐘が鳴り響く音で純平は目を覚ました。
あの後近場の安宿に入り、風呂がないことに軽いカルチャーショックを受けつつもすぐに寝ておいた。
鐘は朝6時・昼12時・夕6時の3回なるとのこと。
一応時計も存在し、1日が24時間というのは一緒でほっとしたのだが、量産するにはまだまだ時間がかかるそうで公共の場や大きな店にしかないらしい。
8時までに街の南口に集合と聞いたのでまだ時間はある。
とりあえず顔を洗おうと表の井戸まで行くことにした。
カウンターを通りかかると女将さんが話しかけてきた。
「こんな朝早くから依頼かい?冒険者は大変だねぇ」
「はい、初めての依頼なので張り切り過ぎて早く起きちゃいました」
「あら?新人だったの?なら主人の料理食べて力つけて行っておいで!ここの宿屋は料理はとても人気があるのよ」
「顔洗ったらすぐに食堂いきますね!楽しみにしてます」
表に出て井戸から水をすくう。
桶の中には見慣れた筈のモグラ顔。
だが、その顔はとてもいきいきとしていた。

顔を洗い食堂で朝食を食べていると奥からエプロン姿のおっさんが出てきた。
おっさんはバスケットをテーブルの上に置き、
「新人なんだろ?これ食って頑張りな」
と言い戻って行った。
「ありがとうございます!」
俺は大きな声でそう言い、バスケットを持って南口へ向かうことにした。



南口の前には見たことのある影があった。
お金返したいけどこれが最初の依頼なんだよなあ。
「クロキーシ!」
俺が名前を呼ぶと彼はこちらを振り向き肩を叩いてきた。
「お、ジュンペイ!こんな朝早くにどうした?」
「依頼だよ」
そう言って依頼用紙を見せると、クロキーシは一瞬驚愕の表情を浮かべそしてすぐに眉間に皺を寄せ、質問してきた。
「お前、死にたいのか?」
死にたくはないよ、俺がそう言うとクロキーシの説教が始まった。
なんでもZOT盗賊団は騎士団と互角にやりあえるほど強いらしい。
だからよっぽど強いか、自信家な奴しか来ないらしい。
結果俺は後ろでサポートする役目になった。
そして荷物はあまり持っていけないと言われ、俺の昼飯は騎士団の腹に収まった。
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