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子ブタは姫聖女に喰われたい
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やあ! 僕の名前はトントロ!
森にすむ豚農民の子ブタさ!
僕には小さい頃から夢があるんだ……。
……それはね。
人族の王国のお城に住む姫聖女さまに食べて貰われたいんだ!
うん。
みんなの言いたいことはよ~く分かっている。
何言ってるんだって。
そんなの叶うわけがない。
それは大変なことだって……。
そんなの出来っこないって。
僕だってそう思ってる。
でもね?
僕が物心ついた時にね?
森から王国へ続く道で、お付きの従者を連れてお城に帰る馬車の中から出てきた姫聖女さまの姿を初めて見た時にね?
僕は決めたんだ!!
「スゲェ……ぜっテーあのオオきなうしちちオんなにくワレてぇ……」ってね!
子ブタに産まれたからには好きな人に食べられたいって、みんなもそう思うよね!
それから僕はあの大きな牛乳姫聖女さまに絶対に食べてもらわれるように、いろいろな試練や困難に立ち向ってきたんだ!
「ブモッ! あのムらのくイものヲぜんぶうばいとれぇ!」
肉質を良くするためならばと好き嫌いなく、美味しいものも嫌いなものも何でも食べたし……。
「ブモモモモモオーっ! ぼうケんしゃをおソいにいくどォーっ!!」
精神的に鍛錬すればもっと美味しくなると聞いて、血のにじむような努力や鍛錬もしてきた。
あれから10余年の時が過ぎて僕も今では立派な一人前の豚農民に成長したんだ!
いやぁ…長かったなぁ……。
そして今日、チャンスがやってきたんだ。
「魔王を倒したものに如何なる望みでも一つ取らせよう」
なんと!
姫聖女が住むお城の王様がお触れを出したんだ!
そうして僕は果ての大陸にいる魔王を倒す勇者として立候補したんだ。
でも、僕一人の力じゃ魔王なんてとても倒せそうにないから森の豚農民の友達をいっぱい勧誘したんだ!
今じゃあ僕は、森の豚農民勇者団のリーダーさ!
「ヤろうどもーっ! いくどぉー!」
「「「「「ブモオオオオ!」」」」」
トントン拍子で、勇者になった僕たちがすぐに魔王を倒せるということはなくて、まずは地道にレベルをあげていったのさ!
僕達の行く手を遮る魔王の手下も。
「オークどもめぇ! ワシは教皇じゃぞ!?」
金品を目当てに襲い掛かってくる山賊達も。
「逃すな! 白鳳聖騎士団の名に懸けて……必ず討ち果たせ!」
やってくるものは皆拒まずに……。
「うぇえぇえぇえぇえ……おがぁさああぁあん……どこいったのぉぉおおぉおおぉお!!?」
どんどん倒していったのさ!
「オ! オマエタチ! 我は同族……魔王カイナッツオだゾ!!」
そして僕たちは魔王城にたどり着き魔王を打ちはたした!!
僕は感無量だ!!
「ブオオーっ! おデはに魔王豚にナるんだーっ!!」
そして姫聖女と感動のご対面……。
いやー、人族のお城ってすごいね! でかいんだよすごく!
姫聖女さまの牛乳が……!
10余年見ないうちにとってもでっかくなっちゃったんだ!
「パネェ……ぜっテーあのやべぇバクにゅううしちちオんなにくってモラう……」
ナイーブで純真な僕にはちょっと刺激が強すぎたかな? テへ。
そして僕は王様から魔王を倒した褒美として何でも一つ望みを言ってみよ。と言われ、念願の姫聖女さまに食べられることとなった。
……意識が薄れていく。
「いやぁああー!」
……体の隅々まで……どこかに消えていくようだ……。
「んがっ! ぐもっ!」ゴクン!
……僕の意識が……。少し……づつ……
「ごほっ! やめ!」カチャカチャカチャ!
溶け……。
「うっう……神よ……私が……何をしたというのですか……」
僕の存在全てが消えてなくなりそうになった時。
目の前に光の筋が見え、無い体が吸い込まれた。
真っ暗な闇から這い出てきた僕の残りかすは。
この世界の大地を構成するすべての源に還った。
「うぉい! そこのオマエ」
ナんだよぉお! イますごいイイかんじにモノローグしてたのにぃ!
「オマエ! こんなトコロでなにしてんジャ?」
ナにしてんジゃって……。アれ? コこは……いったい。
「かえれ! ココはオマエがきていいトコロじゃないんジャ」
えぇ……。 ボくだってどうすればいいのカ…。
「ええい! もんどうむようジャ! さっさとかえれ、かえれ!」
ソんあこといったって……ウん?! ナんか……すいこまれ……。
-輪廻転生システム稼働-
「フン! オマエがダダをこねるからジャぞ!?」
ウわ! スんごい、いきおいで、どこかにスいこまれてるぅうぅう! タすけてぇえ!!
―システムエラー検知―
「……カミのチュウコクをきかぬからじゃ」
ウあぁあぁあぁあぁあぁアぁあぁあァアァ!
―対象は転生システム非対象者デス―
―……人族の残滓を確認―
―検索中……―
―……?―
―……検索完了―
―称号:魔王を検知しました―
―称号:喰らわれる者を検知しました―
―ハーベストタイム……―
―人族への転異を行います―
―お望みの人族はございますか?―
イやあぁあぁあぁ!! 望みってぇえぇえぇえ!? あ……あ……あ……お城!!
お城ならドこだっていィいぃいイィーッ!!
―承りました……―
―キーワード入力―
―転異先人族:お城―
―それでは、よい人生を―
うわぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!?
……あぁ……。
……。
ャア……。
……ホンギャア!
ホンギャア! ホンギャア!!
かくして、僕は子ブタから人族に転異した。
聖ヨハネスブルク王国の王子として。
前世の僕を食べた女騎士と再開を果たし。
今度は逆に僕が女騎士を食べた。
性的にね!!
二人の結婚を祝う席に出てきた皿の上で、前世の子ブタだった時の両親、兄弟と再開したんだけど……。
それはまた、別のお話。
森にすむ豚農民の子ブタさ!
僕には小さい頃から夢があるんだ……。
……それはね。
人族の王国のお城に住む姫聖女さまに食べて貰われたいんだ!
うん。
みんなの言いたいことはよ~く分かっている。
何言ってるんだって。
そんなの叶うわけがない。
それは大変なことだって……。
そんなの出来っこないって。
僕だってそう思ってる。
でもね?
僕が物心ついた時にね?
森から王国へ続く道で、お付きの従者を連れてお城に帰る馬車の中から出てきた姫聖女さまの姿を初めて見た時にね?
僕は決めたんだ!!
「スゲェ……ぜっテーあのオオきなうしちちオんなにくワレてぇ……」ってね!
子ブタに産まれたからには好きな人に食べられたいって、みんなもそう思うよね!
それから僕はあの大きな牛乳姫聖女さまに絶対に食べてもらわれるように、いろいろな試練や困難に立ち向ってきたんだ!
「ブモッ! あのムらのくイものヲぜんぶうばいとれぇ!」
肉質を良くするためならばと好き嫌いなく、美味しいものも嫌いなものも何でも食べたし……。
「ブモモモモモオーっ! ぼうケんしゃをおソいにいくどォーっ!!」
精神的に鍛錬すればもっと美味しくなると聞いて、血のにじむような努力や鍛錬もしてきた。
あれから10余年の時が過ぎて僕も今では立派な一人前の豚農民に成長したんだ!
いやぁ…長かったなぁ……。
そして今日、チャンスがやってきたんだ。
「魔王を倒したものに如何なる望みでも一つ取らせよう」
なんと!
姫聖女が住むお城の王様がお触れを出したんだ!
そうして僕は果ての大陸にいる魔王を倒す勇者として立候補したんだ。
でも、僕一人の力じゃ魔王なんてとても倒せそうにないから森の豚農民の友達をいっぱい勧誘したんだ!
今じゃあ僕は、森の豚農民勇者団のリーダーさ!
「ヤろうどもーっ! いくどぉー!」
「「「「「ブモオオオオ!」」」」」
トントン拍子で、勇者になった僕たちがすぐに魔王を倒せるということはなくて、まずは地道にレベルをあげていったのさ!
僕達の行く手を遮る魔王の手下も。
「オークどもめぇ! ワシは教皇じゃぞ!?」
金品を目当てに襲い掛かってくる山賊達も。
「逃すな! 白鳳聖騎士団の名に懸けて……必ず討ち果たせ!」
やってくるものは皆拒まずに……。
「うぇえぇえぇえぇえ……おがぁさああぁあん……どこいったのぉぉおおぉおおぉお!!?」
どんどん倒していったのさ!
「オ! オマエタチ! 我は同族……魔王カイナッツオだゾ!!」
そして僕たちは魔王城にたどり着き魔王を打ちはたした!!
僕は感無量だ!!
「ブオオーっ! おデはに魔王豚にナるんだーっ!!」
そして姫聖女と感動のご対面……。
いやー、人族のお城ってすごいね! でかいんだよすごく!
姫聖女さまの牛乳が……!
10余年見ないうちにとってもでっかくなっちゃったんだ!
「パネェ……ぜっテーあのやべぇバクにゅううしちちオんなにくってモラう……」
ナイーブで純真な僕にはちょっと刺激が強すぎたかな? テへ。
そして僕は王様から魔王を倒した褒美として何でも一つ望みを言ってみよ。と言われ、念願の姫聖女さまに食べられることとなった。
……意識が薄れていく。
「いやぁああー!」
……体の隅々まで……どこかに消えていくようだ……。
「んがっ! ぐもっ!」ゴクン!
……僕の意識が……。少し……づつ……
「ごほっ! やめ!」カチャカチャカチャ!
溶け……。
「うっう……神よ……私が……何をしたというのですか……」
僕の存在全てが消えてなくなりそうになった時。
目の前に光の筋が見え、無い体が吸い込まれた。
真っ暗な闇から這い出てきた僕の残りかすは。
この世界の大地を構成するすべての源に還った。
「うぉい! そこのオマエ」
ナんだよぉお! イますごいイイかんじにモノローグしてたのにぃ!
「オマエ! こんなトコロでなにしてんジャ?」
ナにしてんジゃって……。アれ? コこは……いったい。
「かえれ! ココはオマエがきていいトコロじゃないんジャ」
えぇ……。 ボくだってどうすればいいのカ…。
「ええい! もんどうむようジャ! さっさとかえれ、かえれ!」
ソんあこといったって……ウん?! ナんか……すいこまれ……。
-輪廻転生システム稼働-
「フン! オマエがダダをこねるからジャぞ!?」
ウわ! スんごい、いきおいで、どこかにスいこまれてるぅうぅう! タすけてぇえ!!
―システムエラー検知―
「……カミのチュウコクをきかぬからじゃ」
ウあぁあぁあぁあぁあぁアぁあぁあァアァ!
―対象は転生システム非対象者デス―
―……人族の残滓を確認―
―検索中……―
―……?―
―……検索完了―
―称号:魔王を検知しました―
―称号:喰らわれる者を検知しました―
―ハーベストタイム……―
―人族への転異を行います―
―お望みの人族はございますか?―
イやあぁあぁあぁ!! 望みってぇえぇえぇえ!? あ……あ……あ……お城!!
お城ならドこだっていィいぃいイィーッ!!
―承りました……―
―キーワード入力―
―転異先人族:お城―
―それでは、よい人生を―
うわぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!?
……あぁ……。
……。
ャア……。
……ホンギャア!
ホンギャア! ホンギャア!!
かくして、僕は子ブタから人族に転異した。
聖ヨハネスブルク王国の王子として。
前世の僕を食べた女騎士と再開を果たし。
今度は逆に僕が女騎士を食べた。
性的にね!!
二人の結婚を祝う席に出てきた皿の上で、前世の子ブタだった時の両親、兄弟と再開したんだけど……。
それはまた、別のお話。
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