嫁いできた花嫁が男なのだが?

SIN

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 ホーンドオウルの屋敷に到着するなり、アールは自分の部屋にではなく極々普通に俺の部屋までついてきた。
 理由は分かっている。
 俺と一緒にいたいとか、自分の部屋が人を招くには適していないからだとかそんなものでは全くなく、レッドドラゴンに会うためだ。
 俺自身、レッドドラゴンの身が心配で急いで戻ってきた者の一人ではある。
 ベッドの上に寝転がり、少し暇そうにしながらも優雅に寛いで姿を見るまでは、アールの行動を考えて勝手にモヤモヤする余裕もなかったさ。
 「キュ!キュキュー!」
 首を持ち上げてこっちを見ていたレッドドラゴンは、急に俺達が戻ってきたことを理解できたのだろう、可愛らしい鳴き声を上げた。
 なんて言ったのだろう?
 「お帰りなさいって言ってる」
 通訳をしてもらい、改めてレッドドラゴンを見れば、もう「おかえり」と言っている風にしか見えない位に体を動かしていて、懸命に気持ちを伝えようとしてくれていることに気が付いた。
 今までもこうして伝えようとしてくれていたんだろうなって思うと、全く気が付いてこなかった今までの自分を不甲斐なく感じる。
 ドスン!
 ベッドからフワリと浮かんだ次の瞬間、レッドドラゴンは真正面から突進してくる。
 それが攻撃ではないことは分かってはいるから受け止め、その痛みにしばし息が詰まる。
 「あぁ、ただいま」
 キュルキュルと鳴きながら、俺の頬に頭をくっつけてくるレッドドラゴンのこの行動は、言葉が分からなくても、なんとなく甘えてるのかな?なんて。
 「チビ、父さんは屋敷に戻ってきた?兄さん達はまだ洞窟の中?」
 レッドドラゴンの無事が確認できたら、次はホーンドオウル侯爵の行方だ。
 アールはその答えを誰よりも早くに知りたいんだろうな、もう部屋のドアに手がかかっていて、返事を聞いた後スグにでも出ていこうとしている感じだ。
 「キューキュキュキュキュッ」
 チラッとアールを見れば、真剣な表情でレッドドラゴンを見ていて、そんなレッドドラゴンも懸命に言葉を伝えている。
 チビと呼ばれたことに対して、またチビって呼ぶなとか言っているのだろうか?
 でもそんな微笑ましい雰囲気でないことは分かる、
 「何処にいる!?」
 何処にいるのかって聞いていることから、ホーンドオウル侯爵は生きているんだな。
 うん、そうだと思ってたよ。
 だけど、瀕死の状態ということだってあり得るから……病院にいるとかだったら、俺も一緒にお見舞い行った方が良いのかも知れない。
 「キュキュ」
 レッドドラゴンはなんてことはなさそうになにかを伝え、それを聞いたアールは勢いよく部屋から出て行ってしまった。
 着いて行こうとした俺に向かって首を振ってから。
 部屋で待機しろってことらしい。
 なんとなくだけど、ひと段落つくまで自由時間なんだろうなってのは分かったし、今はこの屋敷の中にいる方が安全なんだろうとも思った。
 仕掛けられている魔法陣の効果は同じで、仕掛けている人物もホーンドオウル侯爵に違いはないんだけど、それでも王城で感じたような息苦しさが、ここにはない。
 決していい環境ではないけど、と付け加えはするけどさ。
 アールにとって1番良い環境ってどこなんだろう?
 実家であるホーンドオウル侯爵の屋敷では、使用人からは妙な扱いだしなによりも自室が牢屋仕立てだし、長く一緒にいる筈の騎士達からも良い風には扱われていない感じだった。
 とはいっても、アールはどこにいても眩しいばかりに輝いていたし、俺を曇らせた。
 毎日森に行ってくれとか、出て行けとか、あっちに行けとか、こっちに行けとか、使用人達は皆アールにものを頼む際には必ず「アイン様」と、言うことを利かせられる呪文を口にしていた。
 それを「仕方ない」だのなんだのとアールは文句も言わずに聞いていた……使用人達が皆「呪文の効き目はある」と勘違いするほど、アールは毎度毎度言う事を聞いてあげていたんだ。
 公爵家の次男だぞ?
 仕えている侯爵のご子息に、使用人達は恐怖でひきつった表情や、めんどくさそうな表情で言うんだ。
 そしてアールはそれを当然のように受け入れて、たった1人で森の魔物と戦ってさ、その魔物の正体も隠されたままで……。
 俺がここでなにをどう思ったところで、当人はきっとなにも感じていないんだ。
 こんな扱いに慣れきってしまっているんだ。
 アールがなんの警戒もせずに笑っている姿は、本当に綺麗で眩しくて、太陽のようで……だけど、そんな姿は悲しいことに俺の前で見せてはくれない。
 真正面から笑顔を向けられている相手は、俺の知る限りレッドドラゴンのみだ。
 そして現時点で最も仲のよい相手も、レッドドラゴンだろう。
 根拠はある。
 俺がまだ15王女だと信じて疑われてもいない頃から、レッドドラゴンはアールに会うために森に向かっていたこと。
 なにか不測の事態が起きた時、アールは作戦の中に自然にレッドドラゴンを組み込んでいて、伝達や見張りなどを任せていること。
 レッドドラゴンは「チビと呼ぶな」と言っているらしいが、アールは改める様子もなくチビと呼び続けていること。
 もしアールが俺に「ジョー」と呼び掛けて来た時に、レッドドラゴンと同じように拗ねた風に「ジョーって呼ぶな」なんて言おうものなら、アールは二度と俺にジョーと呼びかけることはないだろう。
 そんなアールが、「チビ」「チビって言うな」と笑い合っているのだ。
 笑い合っているのだから、レッドドラゴンも言う程チビという名前が気に入っていないわけではなく、それはもはや2人の挨拶なのだ。
 アールの境遇を思うと、人間に対して信用できなくなっていても不思議はない。
 「お前は絶対になにがあってもアールの味方であってくれ……」
 だから俺はレッドドラゴンにそう頼む他ないんだ。
 態々言わなくてもレッドドラゴンはアールとは友達のままいてくれるんだろうし、むしろ俺の方が信用されていないわけだから……そのうち裏切るとか思われてたりするのか?
 あだ名で呼び合える程度には仲良くなったし婚約者ではあるんだけど、それも兄貴とカインが見つかった今となっては、俺とアールの婚約自体があやふやと言うか……。
 ともかく、フルヘルム姿では芽生えるものも芽生えないだろう。
 「……着替えるか」
 装備を解いて浴室に入り、水と炎の魔法陣が描かれた石を同時に発動させれば、浴槽に湯がたまった。
 この魔法陣のお陰で、俺は使用人の手を借りなくても1人で簡単に湯に浸かることができるのだから、大陸の技術……いや、ホーンドオウル領の魔法の技術はかなり優れていると思う。
 俺の父に錬金術を頼まなくても、研究をすれば望むものに近い魔法を作り出せるんじゃないか?
 確かに、誰でも妊娠ができるようにする技術は錬金術でなければ実現はできなかったのだろうから……肉体強化も単なる筋力アップではない気がするし、不老不死ってのも、ただ若々しくありたいってだけではないのかも知れないが。
 父にはカインを妃にしたいという意図はあるけど、だからってたったそれだけの理由で人体実験まではしない筈。
 カインが運命の人ってレベルにまで父の目に留まったのなら……ありえる、のか?
 いや、それなら兄貴とカインを結婚させて島に誘導するとか遠回しなことはせず、もっと直積的な……あぁ、カインを誘拐するとかどのレベルの兵士がどれくらい必要になるんだ?
 攻撃ではない方向で攻めるなら、結婚が1番なのか……兄貴は父にどんな命令をされたんだろう?
 俺は兄貴が大陸に嫁に出されることを知った後、島から逃げ出す計画を立てただけだから、父と兄貴がなにを考えているのか正確には分からない。
 始めはどうあれ、今の兄貴にカインを父に差し出そうという意思はないように見えた。
 そもそも、戦争を起こす理由はなんだ?
 実験体の確保とか国土の拡大とか、それらしい理由はつけられているけど、果たしてそれは本当か?
 もし本当に実験体の確保や国土拡大が理由なら、戦争を仕掛けようとする人物は島の王である俺の父でなければ可笑しい。
 それなのに大陸の王は、ホーンドオウル侯爵が戦争を起こすものだと思っていたし、むしろ俺の父が戦争に加担する理由を知りたがっている様子だった。
 それに、大陸の王はアールを城に留めようとしていた……ホーンドオウル侯爵は、大陸の王からアールを、俺の父からカインを差し出すように言われている?
 だとしたら、父と手を組んで戦争を仕掛けるって意味が分からなくなるか……。
 「ふぅ……」
 暖かな湯に浸かっていると、緊張感が和らいだのか、色々考えなきゃならないことが全部後回しになって、急速に眠たくなってきた。
 本当ならアールが戻ってくるまでは起きていたいんだけど、どうやら疲れが溜まっていたらしい。
 「キュ!キュキュ!」
 遠くで、少し忙しないレッドドラゴンの声が聞こえる。
 浴室に入ってきていないことから、俺になにか話している感じはしないし、部屋に誰かが入ってきたわけでもなさそうだから……。
 なんだろ……独り言?
 独り言にしては鳴き方が可笑しい気がするんだけど……。
 コンコン
 ん……?
 部屋のドアがノックされた?
 「キュ、キュキュ」
 ガチャ
 コツ、コツ、コツ
 レッドドラゴンの鳴き声を、入って良いものと判断したらしい訪問者はドアを開けて入ってくると室内中を歩き回っている。
 その間レッドドラゴンは大人しくしているから、どうやら顔見知りのようだ。
 だとしたら使用人のうちの誰か?
 コツ、コツ、コツ
 ガチャ
 パタン
 訪問者は少しの間部屋の中に滞在したようだけど、浴室にいる俺に気が付かなかったのか、そのまま出て行ってしまった。
 一体誰だったんだ?
 とは思うものの、アールではなかったんだろうから、後は誰だっていい。
 体を洗い、頭から水を被って少しばかり眠気を覚ましてから浴室を出れば、置いていたフルプレートやフルヘルムの位置が若干変わっていて、そこから室内を軽く物色されたんだなということが分かった。
 取られるようなものなんかないから別に困らないけど。
 動きやすい服装に着替え、ベッドの端に腰掛ける。
 ホーンドオウルの屋敷にいる方が安全ではないか、とか考えていたけど、それなら兄貴とカインが身を隠している理由が分からなくなる。
 確かにアールは大陸の王からなにか良からぬことをされそうな感じがあるから、確実に大陸の王と対立しているホーンドオウルの屋敷にいる方が安全だ。
 俺は?
 正式に島の国から兄貴の使者として付いてきているのならいざ知らず、逃げてきたんだから父から見た俺は到底信用に値する人物ではないし、ホーンドオウル侯爵からしてみても島の王を裏切った俺を傍に置くわけにはいかないだろうし……アールの婚約者というところから否定されるだろう。
 大陸の王からしてみても、俺は島の国の人間だ。
 存在しているだけでややこしい人間の扱いなんて、こっそり処分するか島に送還されて速攻実験材料にされるかのどちらかだろうな。
 それで人体強化に成功すれば、成功例の第一号としてもてはやされるのかも知れないが。
 ……今は逃げるか。
 幸い、レッドドラゴンがいればアールとの連絡はできるし、ホーンドオウル領には広大な森が数多く存在している。
 兄貴達が隠れている魔物がいる森ではなくて、馬車を落とした崖の下に広がる森なら魔物はいないし、僧兵や冒険者が見回りをしているから安全だろう。
 隠れながら剣術の訓練をして、冒険者として新しい身分を手に入れるのもいいかもしれない。
 そうなったら、本格的にアールの婚約者という立場からは離れてしまうが……。
 いいや、今は生き残ることを優先的に考えるんだ。
 脱いでいたフルプレートとフルヘルムを装備しなおし、カバンの中にペンと紙、そして島から着て来た服や装飾品を突っ込む。
 部屋の中にある食器類も持っていけば良い値が付きそうだけど、これはホーンドオウル侯爵家の物だから、手を付けない方が身のためだな。
 「キュキュ?」
 出かける準備を整えていると、不思議層にレッドドラゴンが話しかけてくる。
 多分だけど、何処に行くの?とか、なにしてるの?とか、その辺りかな。
 「出かけるから、付いてきてくれ」
 ソッと部屋から出て廊下を走り、屋敷を出るまでにすれ違った使用人は数人いたものの、普段からフルヘルム姿だったからなのか、特に不審がられることはなかった。
 こうして難なく馬車を落とした崖の下までやってくることに成功したところで、俺はその場に腰を下ろしてレッドドラゴンに手紙を頼んだ。
 もちろん、アールに向けてだ。
 森に身を隠すこと、アールはホーンドオウルの屋敷にいた方が安全であること、レッドドラゴンを通じて連絡は取り合おうということ。
 「頼んだ」
 レッドドラゴンを送り出し、戻ってくるまでは近くで身を潜めておこうと隠れられそうな場所を探すため森の中を探索しようとしたところで、後ろから腕を引っ張られた。
 「ジョセフ、ここでなにをしている?」
 聞こえてくる声の主は振り返って顔を確認するまでもなく兄貴で、その声色は思いの他冷たい。
 1度大きく息を吸い、ゆっくりと履いてから振り返れば思った通り兄貴が後ろに立っていて、いるだろうと思っていたカインの姿はなかった。
 「俺は……正式な手順を踏んで大陸に来たわけではないから……」
 戦争がひと段落つくまで隠れておくのか、それともアールがどうするのかを決めるまで身を隠しておくのか、どっちが良いのかはまだ分からない。
 「はぁ。お前達、大陸の王に戦争のことを言ったんだってな」
 レッドドラゴンに託した手紙にはホーンドオウル侯爵が行方不明になったことは書いたけど、王都に行くこととか、戦争のことを密告するとかは書いていない。
 それなのに兄貴が詳しいことを知っていそうな口ぶりである理由は……俺達に追跡魔法をかけていたか、ホーンドオウル侯爵の様子を見に行ったアールから色々聞いたかのどちらかだろう。
 俺達の行動を予測しただけなら、もう少しは伺うような口ぶりになるはずだ。
 だったら、いまさら何をどう誤魔化そうが意味がない。
 「……あぁ。大陸の王はホーンドオウル侯爵が戦争を起こすことについてある程度は予想していたようだった」
 他にも気になることはあるけど、それは兄貴には関係ないことだから言わなくていいか。
 「余計なことをしたな。カインは弟を許したが、俺はお前を許せそうにはない」
 え……。
 そこまで深刻なことだったか?
 「兄貴達は誰に味方をするのか決めかねていたんじゃなかったか?アールに任せると言っただろ」
 だから見極めようとしたんじゃないか。
 結果、俺達は大陸の王には味方しないという結論を出した。
 「カインはそうだが、俺は違う。あんな昨日今日事情を知ったばかりの奴に何故従わなきゃならない?これ以上カインの心労を増やしたくないって時に、よりによってお前らは……」
 カインの心労?
 それはそれで俺には全く関係ない。
 今までアールになにも知らせず汚い仕事を押し付けていただけの奴が、なにを偉そうに兄貴面をしてるんだと思った。
 とは言え、力を持っているのはカインの方なのだ。
 そんなカインがアールを許しているというのなら、事態をややこしくした原因は全て俺の考えであると正確に伝えなければならない。
 「王都に行こうと言ったのは俺だ。アールはついてきただけだ」
 「分かってる。あの弟にそれほどまでの行動力はない」
 は?
 なに?
 いやいや、折角無害だと思われているんだからわざわざ警戒されるようなことを言わなくて良いじゃないか。
 「それで……俺をどうするんだ?」
 兄貴は俺を許せそうにないと言ったのだ、このまま見逃されるとは思えない。
 「考えたんだ。お前とあのドラゴンを融合させるために島に送り返すか、密告者としてホーンドオウル侯爵家の牢にぶち込むか、装備品を剥ぎ取って森の中に捨てるか」
 牢に入る以外の生存率が低過ぎない?
 いや、牢に入った時の生存率が他と比べて高すぎるのは不自然だから、牢に入るだけではなく拷問込みかもしれない。
 「……分かった。身包みはいでくれ。森に行く」
 その場で防具を没収された俺は、靴まで没収された姿で森まで歩いて移動し、森の入り口に着いた後トンと背中を押された。
 自分の足で森に入れと。
 見張りの騎士達は俺達の方を見て見ぬふりをしている。
 あれほど多くの魔物が森から出ていたのだからもっと騒然としているかと思ったが、騎士達の様子は普段通りだ。
 「ジョセフ……寒いだろうから靴を履くと良い」
 なんの温情?
 しかし森の中を裸足で歩くことにならずに済んでよかった……って、この靴、俺が履いてた靴ではない。
 「これ……」
 「早くいけ」
 シッシッと追い払うように手を振った兄貴は、結局は俺が森に向かって歩き出すよりも先に背を向けて歩き出し、ホーンドオウル侯爵の屋敷の方向に歩き出した。
 その隣にはいつの間にかトリシュもいて、だから俺は安心して森に入り、歩き出したのだった。
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