4 / 4
セクハラは慣れてる。ただし同性からの
しおりを挟む「ラブホラブホって…僕たち男同士だよ!?入れるわけないじゃないか!」
「今の時代男同士だろうが女同士だろうがヨユーっすわ」
今の時代は色々と寛容にはなってきていることは知っているけど…けど……!
「俺も男は初めてっすけど、いけるいける!」
ばちーんとウィンクをして笑う岸くん。
一体何がいけるのか一切合切わからない。
若い子のテンションってこういうものなんだろうか。
「岸くん……あのね、僕はまだ仕事中だからね!?引っ張らないの!連れ込まないの!!」
会社の近くにラブホテル街があるもんだからそこまで引っ張ってこられてしまっている。真っ昼間からスーツのおっさんと男子高校生がラブホの前で言い争っている姿は犯罪に近い。主に僕が捕まる側の意味で。
どうにか手を振り払って慌てて会社の方に走り出す。
「とにかく会社に来ないで!わかったね!」
そう言いながら振り返ってみれば犬のようにしょんぼりした岸くんの顔に胸が締め付けられる。
けど、昼休みが終わってるんだよ僕は…!!
大分遅刻して午後の仕事に戻ったけど、何故かニヤニヤした唯子さんの視線が突き刺さって痛かった……。
「はあ……」
一人、barのカウンターで飲んでいる。
再会できた騎士が男の子だったなんて…僕よりも彼の方がきっとショックだったろう。だからショックの余りヤりたがってるんだ。きっとそうだ。
……男に生まれ変わってしまったのが申し訳ない。男だとしても今流行りの男の娘みたいな可愛い感じだったらまだ良かったんだろうが、がっちり鍛えたおっさんだもんな。
「はぁああ…」
溜め息が尽きない。
逃げてばかりだったが大人としてもう一度ちゃんと岸くんと向き合って、友人として生きていこうと言おう。
お互いのためにも。
…横からウイスキーの注がれたグラスが差し出される。
「これは…?」
「私からです。お疲れのようでしたので」
気付かなかったが、いつの間にか僕よりも少し年上の男が隣に座っていた。
「はは、ちょっと色々とありまして」
「一人ならご一緒にいかがですか?」
柔和な笑みを浮かべているが、腰に手が回っている。
(あーまたかー。またなのかー)
女性にはモテないが、何故かそっちの人にはモテる僕。
乾いた笑みを浮かべれば、腰に回った手が僅かに蠢き始めたのを感じるのだった。
0
お気に入りに追加
87
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説


案外、悪役ポジも悪くない…かもです?
彩ノ華
BL
BLゲームの悪役として転生した僕はBADエンドを回避しようと日々励んでいます、、
たけど…思いのほか全然上手くいきません!
ていうか主人公も攻略対象者たちも僕に甘すぎません?
案外、悪役ポジも悪くない…かもです?
※ゆるゆる更新
※素人なので文章おかしいです!

どうやら手懐けてしまったようだ...さて、どうしよう。
彩ノ華
BL
ある日BLゲームの中に転生した俺は義弟と主人公(ヒロイン)をくっつけようと決意する。
だが、義弟からも主人公からも…ましてや攻略対象者たちからも気に入れられる始末…。
どうやら手懐けてしまったようだ…さて、どうしよう。

蔑まれ王子と愛され王子
あぎ
BL
蔑まれ王子と愛され王子
蔑まれ王子
顔が醜いからと城の別邸に幽閉されている。
基本的なことは1人でできる。
父と母にここ何年もあっていない
愛され王子
顔が美しく、次の国大使。
全属性を使える。光魔法も抜かりなく使える
兄として弟のために頑張らないと!と頑張っていたが弟がいなくなっていて病んだ
父と母はこの世界でいちばん大嫌い
※pixiv掲載小説※
自身の掲載小説のため、オリジナルです

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?
「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。
王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り
更新頻度=適当
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる