48 / 100
第四十八話 即身仏
しおりを挟むとある海岸の街。そこには八百比丘尼の伝承があった。
八百比丘尼は人魚を食べ不老不死となった存在。飽くまで伝説の存在。
しかし……観光名所にしようという街の思惑もあり、その街の海岸の洞窟こそ八百比丘尼が消えた場所に違いないと本格的な調査が始まった。
すると、洞窟の一つから即身仏が見付かり街はちょっとした騒動に……。
即神仏の衣服は尼僧の姿ということもあり、街は本腰を入れて観光にしようと乗り出すこととなる。
即身仏はそのままという訳にもいかず、警察に届け出た後に近くの寺で供養を兼ねて祀ることに決まった。
しかし───。
即身仏を運んだ翌日早朝……市役所に一本の電話が入る。
それは即身仏を受け入れた寺からの連絡。今朝方起きて見ると即身仏が消えていたのだと住職からの連絡だった……。
その後、警察の調べで分かったことが幾つかある。
先ず、内部から戸締めをしていた筈の寺院の鍵は内側から開けられていたこと。そして外に向かう犯人らしき足形が残されていたが、寺に入って来た痕跡が無いこと。
最後に……寺の僧侶の衣服が一人分無くなっていたこと。
それら全てにはしっかりと指紋が残されていたが、身元の判らないものだったそうだ。
即身仏が無くなったことで観光計画は頓挫するかに思われたが、街は寧ろ勢い付いたのは余談だろう。
後に判明したことだが、即身仏を預かった寺の僧侶は夜中に寺院内を歩く若い尼僧を見たと証言していたらしい……。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる