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第二十九話
縁~よすが~・前編
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「だ、誰が貴様の言うなりになど……」
「風牙!」
「うわっ! くそっ……。神の贄といえど、ただの人の分際で、何故、ここまでの術を……」
風牙はうずくまりながらも、己の矜持をかけて必死に抵抗を試みた。曲がりなりにも自分は神の端くれなのだ。けれども、氷輪に真の名を呼ばれただけで体の自由が奪われてしまう。さながら、決して切れない蜘蛛の糸で全身を絡めとられてしまったように。忌々し気に氷輪を見上げた。
「蛇比礼の件、取り引きに応じるかどうかは、風牙、そなたの話の内容にもよるぞ」
氷輪はその瞳に笑みを含ませ、優しく語りかける。風牙は尚も抵抗しようともがくが、どうにも体を動かす事が出来ない。
「……分かったよ」
風牙は諦めたように抵抗を辞めた。
『ほほぅ、人柱の分際で神々相手に取り引きをしようとは。なかなか肝の座った策士のようですねぇ』
(たかが人、贄の分際で。生意気な小僧め)と内心で毒づきながら、禍津日神は涼し気な声で呟いた。
『……しかし、風牙は末端とはいえ神の端くれ。贄と言っても人である事には変わりません。それにも関わらず、ここまで術を使いこなせるなど……。幼少期より陰陽の術も学んできたとはいえ、そこまでの力を持つほどとは思えませぬが……』
諌弥は解せないと言うようにこたえた。
『まぁ、意想外と言いますか、ゆくりない存在……とでも言っておきましょうか』
至って落ち着いて話す禍津日神に、諌弥は面食らう。
『このまま捨ておけ、と?』
『たまには我々の予想を超える者があってもそれもまた一興。彼がこの先、我々に害をもたらすようであれば、その時は無に返してしまえば良い』
禍津日神はニタリと笑った。真っ赤な唇を少し歪ませて冷たく笑うその姿は、口から血を流しているように怪奇めいて見え、諌弥は恐怖を現さないように必死に平静を保つ。
『……それは、長きに渡る神々と人との約定を反故にする、という事でしょうか?』
『そんな契約など、大分前から崩れ去って来ていますよ。表向きは、まだ何もありませんがね』
『な、何と? それは、どのような……?』
『今に、分かりますよ』
禍々津日神は意味有り気にそれだけ言うと、再び氷輪たちを見おろし、
『さて、あの痴れ者どもはどんな茶番を見せてくれるますかねぇ』
と嘲笑を浮かべた。諌弥は物恐ろしく感じながら、黙って氷輪たちを見やった。
『諌弥』
唐突に呼びかけられ、ビクリと全身を震わせる。
『は、はい!』
辛うじて返事をし、姿勢を正す。
『八咫烏だけに鳥肌が立つ……なかなかに興味深いですねぇ、ふふふふふ』
『え? あ……いや、これはその……』
諌弥は言われてみて初めて己の体が恐怖のあまり鳥肌が立っていた事に気付く。
『私が、怖いですか?』
『め、め、滅相もございませぬっ!』
慌てふためく諌弥の姿を可笑しそうに見つめた。
『まぁ、私は災厄を司っていますから、怖がられるのも無理もないでしょう。でも、それは下々のモノのみにとっての事。災厄など、天界や精霊界に住まう方々には関係のない事ですから。怖がる必要はありませんよ』
『勿論でございます』
ほんの少しだけ寂しそうに語る禍津日神が、諌弥には酷く意外に感じた。
「……ワイ、前は妖やったん」
風牙は氷輪の足元に膝を抱えて座り込み、ぽつりぽつりと話し始めた。
「そうか。何の妖だったのだ?」
氷輪は優しく尋ねる。
「人には『毛羽毛現(※①)』て呼ばれとった」
「毛羽毛現?」
氷輪から一歩下がって見守っていた琥珀が素早く説明する。
「全身毛むくじゃらの姿で、人の居ない家なんかに現れるんだよ。湿った場所の床下からとか、日当たりの良く無い庭のじめじめしたところに出て水を飲むだけで無害、ていう話だ。滅多に人目に触れないとも聞く」
「なるほど」
その説明に、風牙自身も頷いて同意を示す。
「……でも、ある時人気の無い民家に、水を飲もうと入ったら、病で伏していた幼女がおったん。おとんもおかんも、暗くなるまで外で働いてるらしくてな」
その時の事を思い返す。
「だぁれ? て声をかけられてな、驚いて見やると、痩せこけて滅法顔色の悪う幼女やったん。つぎはぎだらけの小袖をかけて寝とったんや。全然怖がらず、ワイの事犬っころだと思ったっらしいのや。寂しかったんじゃろ。病で心細かったろうしな」
風牙は穏やかで優しい眼差しで空を見上げた。
(優しくて温かな親愛の絆を築いたのだろうな)
と氷輪は推測した。
「無下にするのもなんだし、放っておけなくてな。その頃はただの妖怪やったから言葉をかける事は出来なかったけど、幼女が言うてる事は伝わった。あの子にもワイの気持ち、通じてたと思う。名前は『お駒』と呼ばれとった。その日から、時々お駒の元に訪ねるようになったんや。ワイの事、おぼこいおぼこい、て撫でたり抱いたりしてくれてな。言葉の大半はな、お駒から教わったんや。少しずつ話せるようになってんな」
本当に嬉しそうに目を輝かせている。
「けど……」
急に声を落とし、俯いた。そのまま話しを続ける。
「ある時、いつものように訪れたら……家は……焼け焦げた跡だけが残ってたのや」
氷輪も琥珀も息を呑む。その先の展開が読めて胸が詰まった。風牙は唐突に顔をあげ、怒りでギラギラ光る眼差しを空に向けた。
「ワイはお駒を探した。……見つかったのは、焼け焦げて変わり果てたお駒と、折り重なるようにして焼け焦げた成人が二人。ワイは何があったのか必死に草木に聞いて回ったんや。話しを総称するとこうや。侍が戦の為に村に米や麦、野菜や馬なんかを取り立てに来たらしい。だけど本当に貧しくて、何も取り立てるものが無かったもんだから、腹いせに村を焼き払っていった、て事やった。ワイは怒りで頭が真っ白になった。気付いたら、侍が沢山集っていた場所で奴らを食い散らかしていた。体は信じられないほど大きゅうなって、長い四足、狼にみたいな牙が生えとった。周りには侍の屍が転がっていた。憎かった。侍という侍を根絶やしにしてくれようとあちこちで暴れ回った……。お駒は、お駒のおとんもおかんも、何も悪い事はしていないのに! 何でやっ! 理不尽過ぎやろっ!……」
口惜しさに唇を噛みしめ、怒りと悲しみで全身が小刻みに震えている。右手で涙を拭い、溜息をついた。そしていくらか落ち着いた口調で話しを続けた。氷輪も琥珀も涙ぐんで話に耳を傾けている。
「けど、ある時……森の中で仮眠をとっていると、『もうお止しなさい』て声が降りて来たんや。ホンマに、天から降りてきたような声やった。綺麗で、神々しい……。驚いて起き上がると、空から観音様みたいなのがおりてきたんや。こう……なんちゅうか、観音像が着ているような衣装、つーか、薄緑と白やったな。亜麻色の髪で、乙姫はんみたいな髪型に結うておった。色白で目の玉は朽葉色(※②)やったな。女みたいに、別嬪はんやった。その人はワイの目の前まで降りてきて、『私は碧天』……」
「……亜麻色の髪、朽葉色の瞳、碧天……様?」
氷輪はうわ言のように呟いた。琥珀も風牙も、驚いて彼を見つめる。
(※①…ごく稀にしか見る事が出来ない事から稀有稀見と書かれる場合もある)
(※②…灰色みの赤みがかった黄色)
「風牙!」
「うわっ! くそっ……。神の贄といえど、ただの人の分際で、何故、ここまでの術を……」
風牙はうずくまりながらも、己の矜持をかけて必死に抵抗を試みた。曲がりなりにも自分は神の端くれなのだ。けれども、氷輪に真の名を呼ばれただけで体の自由が奪われてしまう。さながら、決して切れない蜘蛛の糸で全身を絡めとられてしまったように。忌々し気に氷輪を見上げた。
「蛇比礼の件、取り引きに応じるかどうかは、風牙、そなたの話の内容にもよるぞ」
氷輪はその瞳に笑みを含ませ、優しく語りかける。風牙は尚も抵抗しようともがくが、どうにも体を動かす事が出来ない。
「……分かったよ」
風牙は諦めたように抵抗を辞めた。
『ほほぅ、人柱の分際で神々相手に取り引きをしようとは。なかなか肝の座った策士のようですねぇ』
(たかが人、贄の分際で。生意気な小僧め)と内心で毒づきながら、禍津日神は涼し気な声で呟いた。
『……しかし、風牙は末端とはいえ神の端くれ。贄と言っても人である事には変わりません。それにも関わらず、ここまで術を使いこなせるなど……。幼少期より陰陽の術も学んできたとはいえ、そこまでの力を持つほどとは思えませぬが……』
諌弥は解せないと言うようにこたえた。
『まぁ、意想外と言いますか、ゆくりない存在……とでも言っておきましょうか』
至って落ち着いて話す禍津日神に、諌弥は面食らう。
『このまま捨ておけ、と?』
『たまには我々の予想を超える者があってもそれもまた一興。彼がこの先、我々に害をもたらすようであれば、その時は無に返してしまえば良い』
禍津日神はニタリと笑った。真っ赤な唇を少し歪ませて冷たく笑うその姿は、口から血を流しているように怪奇めいて見え、諌弥は恐怖を現さないように必死に平静を保つ。
『……それは、長きに渡る神々と人との約定を反故にする、という事でしょうか?』
『そんな契約など、大分前から崩れ去って来ていますよ。表向きは、まだ何もありませんがね』
『な、何と? それは、どのような……?』
『今に、分かりますよ』
禍々津日神は意味有り気にそれだけ言うと、再び氷輪たちを見おろし、
『さて、あの痴れ者どもはどんな茶番を見せてくれるますかねぇ』
と嘲笑を浮かべた。諌弥は物恐ろしく感じながら、黙って氷輪たちを見やった。
『諌弥』
唐突に呼びかけられ、ビクリと全身を震わせる。
『は、はい!』
辛うじて返事をし、姿勢を正す。
『八咫烏だけに鳥肌が立つ……なかなかに興味深いですねぇ、ふふふふふ』
『え? あ……いや、これはその……』
諌弥は言われてみて初めて己の体が恐怖のあまり鳥肌が立っていた事に気付く。
『私が、怖いですか?』
『め、め、滅相もございませぬっ!』
慌てふためく諌弥の姿を可笑しそうに見つめた。
『まぁ、私は災厄を司っていますから、怖がられるのも無理もないでしょう。でも、それは下々のモノのみにとっての事。災厄など、天界や精霊界に住まう方々には関係のない事ですから。怖がる必要はありませんよ』
『勿論でございます』
ほんの少しだけ寂しそうに語る禍津日神が、諌弥には酷く意外に感じた。
「……ワイ、前は妖やったん」
風牙は氷輪の足元に膝を抱えて座り込み、ぽつりぽつりと話し始めた。
「そうか。何の妖だったのだ?」
氷輪は優しく尋ねる。
「人には『毛羽毛現(※①)』て呼ばれとった」
「毛羽毛現?」
氷輪から一歩下がって見守っていた琥珀が素早く説明する。
「全身毛むくじゃらの姿で、人の居ない家なんかに現れるんだよ。湿った場所の床下からとか、日当たりの良く無い庭のじめじめしたところに出て水を飲むだけで無害、ていう話だ。滅多に人目に触れないとも聞く」
「なるほど」
その説明に、風牙自身も頷いて同意を示す。
「……でも、ある時人気の無い民家に、水を飲もうと入ったら、病で伏していた幼女がおったん。おとんもおかんも、暗くなるまで外で働いてるらしくてな」
その時の事を思い返す。
「だぁれ? て声をかけられてな、驚いて見やると、痩せこけて滅法顔色の悪う幼女やったん。つぎはぎだらけの小袖をかけて寝とったんや。全然怖がらず、ワイの事犬っころだと思ったっらしいのや。寂しかったんじゃろ。病で心細かったろうしな」
風牙は穏やかで優しい眼差しで空を見上げた。
(優しくて温かな親愛の絆を築いたのだろうな)
と氷輪は推測した。
「無下にするのもなんだし、放っておけなくてな。その頃はただの妖怪やったから言葉をかける事は出来なかったけど、幼女が言うてる事は伝わった。あの子にもワイの気持ち、通じてたと思う。名前は『お駒』と呼ばれとった。その日から、時々お駒の元に訪ねるようになったんや。ワイの事、おぼこいおぼこい、て撫でたり抱いたりしてくれてな。言葉の大半はな、お駒から教わったんや。少しずつ話せるようになってんな」
本当に嬉しそうに目を輝かせている。
「けど……」
急に声を落とし、俯いた。そのまま話しを続ける。
「ある時、いつものように訪れたら……家は……焼け焦げた跡だけが残ってたのや」
氷輪も琥珀も息を呑む。その先の展開が読めて胸が詰まった。風牙は唐突に顔をあげ、怒りでギラギラ光る眼差しを空に向けた。
「ワイはお駒を探した。……見つかったのは、焼け焦げて変わり果てたお駒と、折り重なるようにして焼け焦げた成人が二人。ワイは何があったのか必死に草木に聞いて回ったんや。話しを総称するとこうや。侍が戦の為に村に米や麦、野菜や馬なんかを取り立てに来たらしい。だけど本当に貧しくて、何も取り立てるものが無かったもんだから、腹いせに村を焼き払っていった、て事やった。ワイは怒りで頭が真っ白になった。気付いたら、侍が沢山集っていた場所で奴らを食い散らかしていた。体は信じられないほど大きゅうなって、長い四足、狼にみたいな牙が生えとった。周りには侍の屍が転がっていた。憎かった。侍という侍を根絶やしにしてくれようとあちこちで暴れ回った……。お駒は、お駒のおとんもおかんも、何も悪い事はしていないのに! 何でやっ! 理不尽過ぎやろっ!……」
口惜しさに唇を噛みしめ、怒りと悲しみで全身が小刻みに震えている。右手で涙を拭い、溜息をついた。そしていくらか落ち着いた口調で話しを続けた。氷輪も琥珀も涙ぐんで話に耳を傾けている。
「けど、ある時……森の中で仮眠をとっていると、『もうお止しなさい』て声が降りて来たんや。ホンマに、天から降りてきたような声やった。綺麗で、神々しい……。驚いて起き上がると、空から観音様みたいなのがおりてきたんや。こう……なんちゅうか、観音像が着ているような衣装、つーか、薄緑と白やったな。亜麻色の髪で、乙姫はんみたいな髪型に結うておった。色白で目の玉は朽葉色(※②)やったな。女みたいに、別嬪はんやった。その人はワイの目の前まで降りてきて、『私は碧天』……」
「……亜麻色の髪、朽葉色の瞳、碧天……様?」
氷輪はうわ言のように呟いた。琥珀も風牙も、驚いて彼を見つめる。
(※①…ごく稀にしか見る事が出来ない事から稀有稀見と書かれる場合もある)
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