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第十八話
束の間の休息
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「あ、あの……私、一体……?」
(確か、学際とコンクールのヒロインに抜擢……もしかして全部夢???)
起き上がろうとするところを、
「あ、寝てないと駄目よ」
と養護教諭が両手を伸ばし、優しく肩をおさえる。そして
「ここは保健室よ。倒れちゃったのね、ちょっと熱が高かったみたい。色々頑張り過ぎて疲れちゃったんでしょう。お家に連絡したら、お母様が迎えに来てくださるって。それまで大人しく寝ていなさいな」
と説明した。
「あ……私……」
(そうか。あれから倒れちゃったんだ)
「あの、すみません、先生、副部長、あの……ご、ご迷惑おかけしました」
(喉が痛い。声がハスキーだ。風邪引いてたんだ。そう言えば、体が怠いや……)
「気にしないで」
「とんでもない」
副部長と養護教諭はそう言って首を横に振った。
「部長に知らせてくるわね。とても心配していたから。他の部員の子たちも心配してたわよ」
副部長はそう言って、養護教諭に軽く頭を下げると足早に保健室を出て行った。漸く状況がのみこめた真凛は、ふと疑問は芽生える。
「ん? どうした? 何か気がかりでもあるかな?」
養護教諭は優しく尋ねた。小柄で色白、円らな明るい茶色の瞳。ふっくらとした可愛らしい人だ。真凛は対面でじっくりと見た事はないが、新入生オリエンテーションの教師紹介の際、遠くから見ても可愛い人だな、と思っていた。
(佐藤奈保子先生。秘かに『肉まん先生』ってニックネームで呼ばれている意味が分かった気がする。温かくて親しみ易いし)
「あの、ここまで演劇部の皆さんが運んでくださったのかな、て……」
真凛にしてみたら、非常に重要な部分らしい。貴重な稽古時間を中断させた上に地味子な陰キャラを運ばせるという余計な仕事を、何人に、そして誰にさせてしまったのか。きっちりと詫びをいれる為に知るべき事項だった。
「あぁ、部長さんがね、軽々と抱えて来てくれたのよ」
(え? え? 今何て?)
「副部長さんが付き添ってね。それで、部長さんがベッドに運んでくれて。それから入口で待って。あなたの状態がどうなのか結果を聞くと『気づいたら知らせて』と副部長に告げて部活に戻っていったの」
(か、抱えて……て所謂『お姫様抱っこ』って事? え? え? えーーーー?)
真凛はまたもやパニックを起こしているようだ。
「素敵な部長さんね。さ、休んでなさい。部長さん様子見に来ると思うから」
養護教諭はそう言って右手で軽くポンポンと撫でるように真凛の額に手をやると、ベッドから離れていった。保健室のベッドはとても清潔感に溢れていて、桜色のカーテンのパーツでベッドの周りを仕切れるようになっている。もう一つベッドがあるようだ。裏庭に面した一階。大きな窓から裏庭が一望出来る。真凛の寝ているベッドからは、右側に窓がある仕様となっている。ハナミズキの葉が、これから咲こう準備中の花を守るようにして風に揺れていた。
(お姫様抱っこか。全然覚えてないや。もう二度とない体験、凄く貴重なのに、覚えてないなんて……ちょっと残念だな)
腕の感触や、下から見上げる彼の顔などを想像してみる。突如顔から火が出そうに熱くなった。
(ちょっと、自分。妄想して何照れてんのよ! 部長は部員を助けただけだし。意識なんかしたら部長に失礼でしょ!)
自分を叱りながら、顔が赤くなった事を気付かれたくなくて掛け布団の中に頭から潜り込んだ。
(……部長、理仁先輩。カッコイイ名前だな。リヒト……確か、ロシア語だかで『光』て意味があったような。あれ? 違ったかな?)
少し眠くなってきた。
コンコンコン、とドアをノックする音が響いた。
(お母さんかな、それとも部長かな……)
ちょっとだけドキドキした。「はい、どうぞ」と養護教諭は言いながら入り口へと歩く。
「失礼します! 演劇部部長です」
凛とした声と共に静かにドアが開いた。
「あの、久川さんは……?」
少し声を落として尋ねる声。ちょっぴり嬉しい。
「うん、ちょっと待ってね」
近づく足音。
「久川さん、大丈夫? 部長が来てくれたけど」
養護教諭が静か二声をかけた。ゆっくりと潜っていた布団から顔を出し、
「あ、はい。大丈夫です」
と答える。
「そのまま寝ててね」
優しく声をかけると「どうぞ」と彼を招き入れた。「失礼します」と軽く声をかけ、心配そうに眉を下げる理仁が覗き込む。副部長は稽古に戻ったようだ。彼単独で来てくれたらしい。
「久川さん、具合、どう?」
気付かわし気に声をかける。トクン、と鼓動が軽く跳ねるのを覚えながらも、
「大丈夫です。すみませんでした。ご迷惑おかけしました」
と応じた。その自虐癖故に謝罪する機会が多いせいなのだろうか。詫びの台詞は比較的スムーズに出るらしいい。
「ううん、とんでもない。こっちこそ御免ね。体調悪いの、気付いてあげられなくて」
本当に申し訳無さそうに言う。
(あぁ、部長として責任感じてるんだ。責任感強くて面倒見が良い人なんだなぁ、私みたいなモブにも優しくしてくださって)
ジーンと胸にこみ上げてくる。感激してジーンと来る感覚を初めて体感した。
「いいえ、自分でも、熱があったなんて気づかなくて」
真凛は照れたように笑った。理仁は(へぇ? こんな表情も出来るんだ)と新鮮に感じつつ応じる。
「きっと、一生懸命頑張り過ぎてさ、よく眠れてなかったりしたんじゃないかな。ちょうど明日は部活休みだし。ゆっくり休んで。でも体調が回復しなかったら、無理したら駄目だよ。ちゃんと回復してから、また一緒に頑張ろう」
と微笑んだ。その蕩けるような優しい笑みに、釣られるようにして自然に真凛の口元が綻ぶ。
「はい。お気遣い有難うございます」
と答えた。ほっこりした気分だ。不意にコンコンコンとノックの音が響く。母親だと感じた。「どうぞ」と養護教諭がドアを開ける音。
「お世話になっております。久川真凛の母です」
理仁は「じゃぁね」と真凛に微笑むと、進んで入り口に向かった。
「失礼します。演劇部部長、花峰理仁と申します」
「娘がお世話になっております。久川真凛の母です。この度はご迷惑をお掛けしました」
「いいえ、こちらこそ、すぐに気づいて上げる事が出来なくて申し訳ございません」
「とんでもないです。有難うございます。今後とも娘を宜しくお願いします」
「こちらこそ。では、失礼します」
ハキハキと挨拶を交わす二人の会話に、少しだけくすぐったい感じを覚えながらを傾けた。
その後は、養護教諭と母親に支えられるようにして母親の車に乗り込んだ。体が怠くて眠い。
「素敵な部長さんね。ハーフかクォーターかな。モテモテだろうね」
母親は助手席の娘に声をかける。
「うん。彼女さんいるんじゃないかな」
と答えた。何故かほんの少しだけ、胸が痛んだ。
(そう言えば、あの小学校一年の時の嫌な思い出の夢…助けてくれた男の子も、オリーブグリーンの瞳だったな。まさか、部長だった、なーんて。ナイナイ。幼い時の記憶は都合の良いように脳内変換されがちっていうし。実際は普通に黒い目だったのかも……。もし部長だったとしても、漫画やラノベじゃあるまいし、恋に発展とかナイナイ、あり得ない。部長に失礼そんな妄想)
しきりにそんな事を思いながら、眠りに落ちていった。
(この子、昔から無自覚に無茶するとこあるから。倒れるまで本人も体調の悪さに気付かないもんだから余計に私も気づきにくいのよね。困ったもんだわ)
母親は心配そうにそして愛情を込めて娘の様子をちらりと見る。そして前を向いて運転に集中した。
(確か、学際とコンクールのヒロインに抜擢……もしかして全部夢???)
起き上がろうとするところを、
「あ、寝てないと駄目よ」
と養護教諭が両手を伸ばし、優しく肩をおさえる。そして
「ここは保健室よ。倒れちゃったのね、ちょっと熱が高かったみたい。色々頑張り過ぎて疲れちゃったんでしょう。お家に連絡したら、お母様が迎えに来てくださるって。それまで大人しく寝ていなさいな」
と説明した。
「あ……私……」
(そうか。あれから倒れちゃったんだ)
「あの、すみません、先生、副部長、あの……ご、ご迷惑おかけしました」
(喉が痛い。声がハスキーだ。風邪引いてたんだ。そう言えば、体が怠いや……)
「気にしないで」
「とんでもない」
副部長と養護教諭はそう言って首を横に振った。
「部長に知らせてくるわね。とても心配していたから。他の部員の子たちも心配してたわよ」
副部長はそう言って、養護教諭に軽く頭を下げると足早に保健室を出て行った。漸く状況がのみこめた真凛は、ふと疑問は芽生える。
「ん? どうした? 何か気がかりでもあるかな?」
養護教諭は優しく尋ねた。小柄で色白、円らな明るい茶色の瞳。ふっくらとした可愛らしい人だ。真凛は対面でじっくりと見た事はないが、新入生オリエンテーションの教師紹介の際、遠くから見ても可愛い人だな、と思っていた。
(佐藤奈保子先生。秘かに『肉まん先生』ってニックネームで呼ばれている意味が分かった気がする。温かくて親しみ易いし)
「あの、ここまで演劇部の皆さんが運んでくださったのかな、て……」
真凛にしてみたら、非常に重要な部分らしい。貴重な稽古時間を中断させた上に地味子な陰キャラを運ばせるという余計な仕事を、何人に、そして誰にさせてしまったのか。きっちりと詫びをいれる為に知るべき事項だった。
「あぁ、部長さんがね、軽々と抱えて来てくれたのよ」
(え? え? 今何て?)
「副部長さんが付き添ってね。それで、部長さんがベッドに運んでくれて。それから入口で待って。あなたの状態がどうなのか結果を聞くと『気づいたら知らせて』と副部長に告げて部活に戻っていったの」
(か、抱えて……て所謂『お姫様抱っこ』って事? え? え? えーーーー?)
真凛はまたもやパニックを起こしているようだ。
「素敵な部長さんね。さ、休んでなさい。部長さん様子見に来ると思うから」
養護教諭はそう言って右手で軽くポンポンと撫でるように真凛の額に手をやると、ベッドから離れていった。保健室のベッドはとても清潔感に溢れていて、桜色のカーテンのパーツでベッドの周りを仕切れるようになっている。もう一つベッドがあるようだ。裏庭に面した一階。大きな窓から裏庭が一望出来る。真凛の寝ているベッドからは、右側に窓がある仕様となっている。ハナミズキの葉が、これから咲こう準備中の花を守るようにして風に揺れていた。
(お姫様抱っこか。全然覚えてないや。もう二度とない体験、凄く貴重なのに、覚えてないなんて……ちょっと残念だな)
腕の感触や、下から見上げる彼の顔などを想像してみる。突如顔から火が出そうに熱くなった。
(ちょっと、自分。妄想して何照れてんのよ! 部長は部員を助けただけだし。意識なんかしたら部長に失礼でしょ!)
自分を叱りながら、顔が赤くなった事を気付かれたくなくて掛け布団の中に頭から潜り込んだ。
(……部長、理仁先輩。カッコイイ名前だな。リヒト……確か、ロシア語だかで『光』て意味があったような。あれ? 違ったかな?)
少し眠くなってきた。
コンコンコン、とドアをノックする音が響いた。
(お母さんかな、それとも部長かな……)
ちょっとだけドキドキした。「はい、どうぞ」と養護教諭は言いながら入り口へと歩く。
「失礼します! 演劇部部長です」
凛とした声と共に静かにドアが開いた。
「あの、久川さんは……?」
少し声を落として尋ねる声。ちょっぴり嬉しい。
「うん、ちょっと待ってね」
近づく足音。
「久川さん、大丈夫? 部長が来てくれたけど」
養護教諭が静か二声をかけた。ゆっくりと潜っていた布団から顔を出し、
「あ、はい。大丈夫です」
と答える。
「そのまま寝ててね」
優しく声をかけると「どうぞ」と彼を招き入れた。「失礼します」と軽く声をかけ、心配そうに眉を下げる理仁が覗き込む。副部長は稽古に戻ったようだ。彼単独で来てくれたらしい。
「久川さん、具合、どう?」
気付かわし気に声をかける。トクン、と鼓動が軽く跳ねるのを覚えながらも、
「大丈夫です。すみませんでした。ご迷惑おかけしました」
と応じた。その自虐癖故に謝罪する機会が多いせいなのだろうか。詫びの台詞は比較的スムーズに出るらしいい。
「ううん、とんでもない。こっちこそ御免ね。体調悪いの、気付いてあげられなくて」
本当に申し訳無さそうに言う。
(あぁ、部長として責任感じてるんだ。責任感強くて面倒見が良い人なんだなぁ、私みたいなモブにも優しくしてくださって)
ジーンと胸にこみ上げてくる。感激してジーンと来る感覚を初めて体感した。
「いいえ、自分でも、熱があったなんて気づかなくて」
真凛は照れたように笑った。理仁は(へぇ? こんな表情も出来るんだ)と新鮮に感じつつ応じる。
「きっと、一生懸命頑張り過ぎてさ、よく眠れてなかったりしたんじゃないかな。ちょうど明日は部活休みだし。ゆっくり休んで。でも体調が回復しなかったら、無理したら駄目だよ。ちゃんと回復してから、また一緒に頑張ろう」
と微笑んだ。その蕩けるような優しい笑みに、釣られるようにして自然に真凛の口元が綻ぶ。
「はい。お気遣い有難うございます」
と答えた。ほっこりした気分だ。不意にコンコンコンとノックの音が響く。母親だと感じた。「どうぞ」と養護教諭がドアを開ける音。
「お世話になっております。久川真凛の母です」
理仁は「じゃぁね」と真凛に微笑むと、進んで入り口に向かった。
「失礼します。演劇部部長、花峰理仁と申します」
「娘がお世話になっております。久川真凛の母です。この度はご迷惑をお掛けしました」
「いいえ、こちらこそ、すぐに気づいて上げる事が出来なくて申し訳ございません」
「とんでもないです。有難うございます。今後とも娘を宜しくお願いします」
「こちらこそ。では、失礼します」
ハキハキと挨拶を交わす二人の会話に、少しだけくすぐったい感じを覚えながらを傾けた。
その後は、養護教諭と母親に支えられるようにして母親の車に乗り込んだ。体が怠くて眠い。
「素敵な部長さんね。ハーフかクォーターかな。モテモテだろうね」
母親は助手席の娘に声をかける。
「うん。彼女さんいるんじゃないかな」
と答えた。何故かほんの少しだけ、胸が痛んだ。
(そう言えば、あの小学校一年の時の嫌な思い出の夢…助けてくれた男の子も、オリーブグリーンの瞳だったな。まさか、部長だった、なーんて。ナイナイ。幼い時の記憶は都合の良いように脳内変換されがちっていうし。実際は普通に黒い目だったのかも……。もし部長だったとしても、漫画やラノベじゃあるまいし、恋に発展とかナイナイ、あり得ない。部長に失礼そんな妄想)
しきりにそんな事を思いながら、眠りに落ちていった。
(この子、昔から無自覚に無茶するとこあるから。倒れるまで本人も体調の悪さに気付かないもんだから余計に私も気づきにくいのよね。困ったもんだわ)
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