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第三十三帖 雲居の花
枕草子の夢⑤ ~手蔓・壱~
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女房たちは鏡を見ながらお化粧に余念がない。鳳仙花は竹桶に入れられた米のとぎ汁を傍らに、そして櫛を右手に持って女房たちの髪を梳かし回っていた。
「やだ、白粉(※①)の乗りが悪いわ」
「このところイライラしていたからじゃない?」
「失礼ね、あなたに言われたくないわよ」
「……駄目だわ。今日は引眉が乱れちゃう」
「あら、何か良く無い事が起こるのかしら?」
「心が乱れている験じゃない?」
未明からタバタと大忙しの文壇の女房たちである。文壇は大急ぎで掃除や整理整頓が行われ、高貴さを表す菊花の薫物を焚きしめている。今、詰所に集まって女房達たちは一斉に化粧をしていた。つい昨日の事だ。定子の身を案じ、同時に文壇の様子が気になったのであろう。源経房が訪ねて来るという知らせが届いたのだ。
「経房様、て清少納言さんと仲良かった方じゃない! 確か道長様の奥様の弟でらっしゃるのよね」
「そうよ、道長様を義兄に持ってる方だけど昔から定子様や伊周様たちとも親しくしてらして。……でも、信用は出来ないわ!」
「だからこそ、定子様に恥をかかせる訳にはいかないのよ!」
「そうよ、皆! 今こそ私たちの知性と教養、実践力を見せつける時よ!」
「清少納言さんなんか居なくっても立派にやれるところを見せつけてやりましょうよ!」
女房たちはと大いに盛り上がり、誇りと意地にかけて奮起したのだった。鳳仙花はてきぱきと行動し、声をかける。自分は文壇で接客をする訳ではないので、自らが進んで彼女たちの身支度の手伝いをすると申し出たのだ。
「皆様、髪を梳かし終わりましたからこれから油綿(※②)をつけて参りますね」
「宜しくね」
「お願いね」
久々に活気溢れる女房たちを見るのがとても嬉かったし、何よりも役に立てる事に幸せを感じた。母親を亡くして以来、久々に感じる高揚感だった。
女房たちは生絹を一番上に羽織、真夏の暑さにも負けずに襲の色目にも気合いを入れており、見た目にも鮮やかで目を奪われる。
邸が全焼し、母親である高階貴子の元に身を寄せている定子であったが、その貴子の体調が思わしく無いという話を伝え聞いた。文壇は益々意気消沈し、今後の自分の身の振り方を考える者が続出した。そんな中、文壇に活気のある頃はほぼ毎日のように庭の手入れに訪れた担当の侍従達が、花山院の事件後に定子の出家とあって殆ど来なくなってしまった。更に先月、定子の邸の全焼でもう庭の手入れに訪れるものは居なくなってしまっていた。早々と身の振り方を考えたのと、報酬が満足に貰え無いであろう事を予測しての事だろう。
鳳仙花はせめて庭の雑草だけでも抜こうと空き時間を利用して秘かに行い続けていたが、限られた時間かつ人目につかぬようにするのは非常に困難であった。梅雨が明けてからというもの、雑草は勢いよく成長し、本腰をいれねば追いつかない状況になっていた。
……さて、と。部屋は綺麗にしても、庭の手入れが行き届いてなければにわかに取り繕っただけだ、てすぐにばれてしまうわ。今日のお仕事は夕刻からだし。雑草だけでも抜いてしまわないと。見つかったら「はしたない女」として文壇や定子様の恥になってしまうから気を付けないと、だけど……
鳳仙花は土色の布を頭から被り、しゃがみ込んで雑草を引き抜き始めた。両手には布を巻いてある。怪我をしないようにする為だ。かなり力がいる時があるが、爪紅を創る際に培った腕の力が役に立つ。引き抜いた雑草は持ち寄った竹籠に入れていく。あわよくば土の色と布が同化してくれたら、と思って土色を選んだのだが、小袿の上に布を被るのは暑い事この上ない。
「ほう、これは皆さんお美しい装いで。四季も意識された襲の色目がお見事です!」
しばらくして、源経房の高めのよく通る声が響いてきた。鳳仙花は見つからないように開け放たれた簾から目が届かない場所へ回り込み、素早く退散した。そして汚れた足先を持ち寄った布で素早く拭き取る。
「ほほほ。恐れ入ります。このような時こそ、私達がしっかりしませんと」
「なるほど、見上げたお心がけです。……清少納言さんは、やはりまだ……」
「ええ。定子様がこのような時こそ、彼女の力が必要ですのに」
「本当ですわ。早く復帰して頂きたいものです」
……うわぁ。あれだけあからさまに悪口を言っておいてどの口が言うのだろうか……
筒抜けの会話を渡殿で聞きながら、控え室を目指す。土色の布で竹籠をしっかりと覆って抱えながら。少ししか雑草を抜けなかった事が心残りだった。
「……ところで、お庭だけどうして雑草が生え放題なのですか? 担当の者を雇えば宜しいのに」
経房の声に、思わず鳳仙花の足が止まる。
……あー、やっぱり気付かれたかぁ。お公卿様だものねぇ。風流な事を見過ごされる筈が無いんだわ。私に、もう少し妙案浮かんでいたらなぁ……
悔しい思いが込み上げる。そして女房たちがどう切り返すのか気になり。殊更足音を忍ばせて歩いた。
「あぁ、それはわざとそうしているのですよ」
軽やかな声が響く。
「ほう、わざと、とは?」
「定子様は、茂った草の上に朝露が光る様をご覧になられるのです。俄か雨が降った後も、素敵ですわね。ですから、わざと刈らずにいるのですよ」
「なんと! 草に露を置かせて観賞する! また格式高く雅でございますなぁ」(※③)
彼と女房たちの朗らかな笑い声が聞こえてきた。
……へぇ。さすがだわ。確か、唐の白楽天の有名な詩よね。草に露を置かせて眺めるのって……
鳳仙花は誇らしく感じた。清少納言がその場に居れば……と切に感じた。控え室に入り、荷物を端に置きまずは腰をおろす。
……私が、もし清少納言さんみたいに文才に恵まれていたら、今の逸話とか物語風にして書き記したりするのになぁ。定子様の美貌とかお人柄とか。あ、随筆みたいのもいいかも! 類稀なる女性作家誕生! なーんてね……
ホッと一息ついた。そして次の瞬間、何かを思い付いたかのように「あっ!」と小さく声をあげる。その時、
「鳳仙花さん、いらっしゃる?」
入口で女性の声がした。恐らく文壇誰かだろうと「はい」と返事をしながら立ち上がり、入り口の几帳をずらして簾を開ける。
「あ、赤染衛門さん!」
「あ、あのね。経房様が鳳仙花さんと二人だけで少しお話がしたいそうよ」
「え?」
突然の話で、何の事か全く見当もつかない鳳仙花であった。
(※① 高級なものは水銀を、安価になるものは鉛を主成分としていた。高貴な女性は恋人や夫にしか顔を見せる習慣がなく、夜這いなどで夜に蝋燭の灯りの中より肌を白く見せる為に非常に厚塗りをしていたと言われている)
(※② 髪につける為に香油に浸した綿)
(※③ 枕草子 第一三六段 殿などのおわしまさでのち より)
「やだ、白粉(※①)の乗りが悪いわ」
「このところイライラしていたからじゃない?」
「失礼ね、あなたに言われたくないわよ」
「……駄目だわ。今日は引眉が乱れちゃう」
「あら、何か良く無い事が起こるのかしら?」
「心が乱れている験じゃない?」
未明からタバタと大忙しの文壇の女房たちである。文壇は大急ぎで掃除や整理整頓が行われ、高貴さを表す菊花の薫物を焚きしめている。今、詰所に集まって女房達たちは一斉に化粧をしていた。つい昨日の事だ。定子の身を案じ、同時に文壇の様子が気になったのであろう。源経房が訪ねて来るという知らせが届いたのだ。
「経房様、て清少納言さんと仲良かった方じゃない! 確か道長様の奥様の弟でらっしゃるのよね」
「そうよ、道長様を義兄に持ってる方だけど昔から定子様や伊周様たちとも親しくしてらして。……でも、信用は出来ないわ!」
「だからこそ、定子様に恥をかかせる訳にはいかないのよ!」
「そうよ、皆! 今こそ私たちの知性と教養、実践力を見せつける時よ!」
「清少納言さんなんか居なくっても立派にやれるところを見せつけてやりましょうよ!」
女房たちはと大いに盛り上がり、誇りと意地にかけて奮起したのだった。鳳仙花はてきぱきと行動し、声をかける。自分は文壇で接客をする訳ではないので、自らが進んで彼女たちの身支度の手伝いをすると申し出たのだ。
「皆様、髪を梳かし終わりましたからこれから油綿(※②)をつけて参りますね」
「宜しくね」
「お願いね」
久々に活気溢れる女房たちを見るのがとても嬉かったし、何よりも役に立てる事に幸せを感じた。母親を亡くして以来、久々に感じる高揚感だった。
女房たちは生絹を一番上に羽織、真夏の暑さにも負けずに襲の色目にも気合いを入れており、見た目にも鮮やかで目を奪われる。
邸が全焼し、母親である高階貴子の元に身を寄せている定子であったが、その貴子の体調が思わしく無いという話を伝え聞いた。文壇は益々意気消沈し、今後の自分の身の振り方を考える者が続出した。そんな中、文壇に活気のある頃はほぼ毎日のように庭の手入れに訪れた担当の侍従達が、花山院の事件後に定子の出家とあって殆ど来なくなってしまった。更に先月、定子の邸の全焼でもう庭の手入れに訪れるものは居なくなってしまっていた。早々と身の振り方を考えたのと、報酬が満足に貰え無いであろう事を予測しての事だろう。
鳳仙花はせめて庭の雑草だけでも抜こうと空き時間を利用して秘かに行い続けていたが、限られた時間かつ人目につかぬようにするのは非常に困難であった。梅雨が明けてからというもの、雑草は勢いよく成長し、本腰をいれねば追いつかない状況になっていた。
……さて、と。部屋は綺麗にしても、庭の手入れが行き届いてなければにわかに取り繕っただけだ、てすぐにばれてしまうわ。今日のお仕事は夕刻からだし。雑草だけでも抜いてしまわないと。見つかったら「はしたない女」として文壇や定子様の恥になってしまうから気を付けないと、だけど……
鳳仙花は土色の布を頭から被り、しゃがみ込んで雑草を引き抜き始めた。両手には布を巻いてある。怪我をしないようにする為だ。かなり力がいる時があるが、爪紅を創る際に培った腕の力が役に立つ。引き抜いた雑草は持ち寄った竹籠に入れていく。あわよくば土の色と布が同化してくれたら、と思って土色を選んだのだが、小袿の上に布を被るのは暑い事この上ない。
「ほう、これは皆さんお美しい装いで。四季も意識された襲の色目がお見事です!」
しばらくして、源経房の高めのよく通る声が響いてきた。鳳仙花は見つからないように開け放たれた簾から目が届かない場所へ回り込み、素早く退散した。そして汚れた足先を持ち寄った布で素早く拭き取る。
「ほほほ。恐れ入ります。このような時こそ、私達がしっかりしませんと」
「なるほど、見上げたお心がけです。……清少納言さんは、やはりまだ……」
「ええ。定子様がこのような時こそ、彼女の力が必要ですのに」
「本当ですわ。早く復帰して頂きたいものです」
……うわぁ。あれだけあからさまに悪口を言っておいてどの口が言うのだろうか……
筒抜けの会話を渡殿で聞きながら、控え室を目指す。土色の布で竹籠をしっかりと覆って抱えながら。少ししか雑草を抜けなかった事が心残りだった。
「……ところで、お庭だけどうして雑草が生え放題なのですか? 担当の者を雇えば宜しいのに」
経房の声に、思わず鳳仙花の足が止まる。
……あー、やっぱり気付かれたかぁ。お公卿様だものねぇ。風流な事を見過ごされる筈が無いんだわ。私に、もう少し妙案浮かんでいたらなぁ……
悔しい思いが込み上げる。そして女房たちがどう切り返すのか気になり。殊更足音を忍ばせて歩いた。
「あぁ、それはわざとそうしているのですよ」
軽やかな声が響く。
「ほう、わざと、とは?」
「定子様は、茂った草の上に朝露が光る様をご覧になられるのです。俄か雨が降った後も、素敵ですわね。ですから、わざと刈らずにいるのですよ」
「なんと! 草に露を置かせて観賞する! また格式高く雅でございますなぁ」(※③)
彼と女房たちの朗らかな笑い声が聞こえてきた。
……へぇ。さすがだわ。確か、唐の白楽天の有名な詩よね。草に露を置かせて眺めるのって……
鳳仙花は誇らしく感じた。清少納言がその場に居れば……と切に感じた。控え室に入り、荷物を端に置きまずは腰をおろす。
……私が、もし清少納言さんみたいに文才に恵まれていたら、今の逸話とか物語風にして書き記したりするのになぁ。定子様の美貌とかお人柄とか。あ、随筆みたいのもいいかも! 類稀なる女性作家誕生! なーんてね……
ホッと一息ついた。そして次の瞬間、何かを思い付いたかのように「あっ!」と小さく声をあげる。その時、
「鳳仙花さん、いらっしゃる?」
入口で女性の声がした。恐らく文壇誰かだろうと「はい」と返事をしながら立ち上がり、入り口の几帳をずらして簾を開ける。
「あ、赤染衛門さん!」
「あ、あのね。経房様が鳳仙花さんと二人だけで少しお話がしたいそうよ」
「え?」
突然の話で、何の事か全く見当もつかない鳳仙花であった。
(※① 高級なものは水銀を、安価になるものは鉛を主成分としていた。高貴な女性は恋人や夫にしか顔を見せる習慣がなく、夜這いなどで夜に蝋燭の灯りの中より肌を白く見せる為に非常に厚塗りをしていたと言われている)
(※② 髪につける為に香油に浸した綿)
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