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第二十六帖 零落④
長徳の政変・四~前編~
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……結局、権中納言の言った通り。関白は空席のまま、御門が公卿最上位に指名したのは、道長様だったわね。本当に「関白」という役職に呪詛がかけてありそう。黒幕は道長様、あり得るかもねぇ。それ以来、伊周様はお酒を召し上がってはあちこちの女性と浮名を流したり、というお噂だけれど、お酒、召し上がり過ぎてお体を壊されないといいけど……
鳳仙花は伊周の身を案じながらも、てきぱきと磨爪術をこなす。そして『一度で良いから伊周様に口説かれたいわぁ』などとキャッキャッと騒いでいる女房たちを思い返した。その半面白々しい感じで受け流している女房も居て、伊周に対しての反応は大きく二通りに分かれていた。
定子はというと、帝とは益々仲睦まじい様子だ。帝はよく定子を御帖台(※①)に誘っている。
鳳仙花は今、祝言を挙げるという腹違いの姉、萩の方の爪紅を施術していた。ついひと月程前も、彼女の裳着の儀の前に爪紅をしたのだった。その時も、彼女の軽率なおしゃべりに辟易し、笑顔でさり気無く流すのにとても気を遣った事を思い出す。
『私のお父様ってね、あの隆家様の直属の部下なの。だから、裳着の儀の時も何か下さるのよ。それでね、祝言の時も何か贈ってくださるのですって!』
隆家の名が出て来る事に一瞬驚いたが、言われてみれば当たり前の事だった。父親は隆家の跡を継いで権中納言になった訳だから直属の部下となる訳だ。
……この人、物凄く得意そうに話してるけど、要は『どう? 羨ましいでしょ?』と自慢したい訳ね……
と、うんざりしたものだ。そして今も、彼女は鼻息荒く嬉々としておしゃべりをしている。派手な山吹色の襲が、愛らしい萩の方に不思議とよく似合っていた。
「……それでね、裳着の儀の時に隆家様が贈ってくださったのは、何だと思う?」
「さぁ、何でございましょう?」
……はいはい、聞いて欲しいんでしょ?……
鳳仙花はさも興味深そうに応じる。萩の方は得意そうに「うふふん」と笑うと、
「何と! 鏡だったの。周りの装飾も唐風でね、凄くお洒落なのね」
「あらぁ、それは毎日お鏡をご覧になるのが楽しみでございますねぇ」
「ね! でしょ? これで益々綺麗になれ、て事よね?」
嬉しそうに目を輝かせて身を乗り出す彼女に、鳳仙花はさり気無く彼女の手の位置をやりやすいように直す。
「えぇ、そうでしょうとも。元々お可愛らしい萩の方様ですもの、これから益々美しくなられて。伴侶の方も鼻高々でしょうね」
……私なんて、以前隆家様と二人だけで牛車で過ごしたもんねーだ。ほんと、甘やかし放題でお育ちになられたようではしたない話題ですこと。さっさと施術を終わらせて帰ろう……
「うふふ。よく言われるわ」
……成る程、私だけじゃなく皆さんに自慢のおしゃべりしているのか……
保子の言う、思った事をずけずけ言うのではなく奥ゆかしさとさり気ない知性を示せ、と説いた意味が今、身を持って体感出来た気がした。
萩の方は、望むような反応で満足したのか、少しの間静かになった。だが、萩の方は唐突に破顔する。手元に集中している鳳仙花にはそれは見えない。もし見ていたら、あからさまな高慢ちきな様子に不快に感じたかもしれない。
「あ、私の夫になる人の名前教えたかしら?」
「いいえ」
……別にいいよ、興味ないもの。そこまであなたと仲良しじゃないし……
「それはね、んふっふ、藤原実光様よ」
聞き覚えのある名前に、思わず仕上げに爪や手の甲に塗っていた荏胡麻油を取り落とし「えっ?」と聞き返しそうになる。だが必死で耐え、
……実光様、とお名前しか知らないし、同名なだけかもしれないじゃない……
と平静を装った。
「さようでございますか」
「ええ。素敵でしょ? 道長様のご息女の飼ってらっしゃる猫様のお世話や、横笛や舞がお得意だそうで。身の周りのお世話や楽や舞の披露もなさっているの。この度は左大弁に出世されてね」
……猫? まさか、お相手って……
実光が『とある高貴な御方の猫』と言っていたのを思い出す。鼓動が小刻みに震え出すも、敢えて深く静かな呼吸を心がける。もうすぐ施術も終わるのだ。
「猫、ですか?」
「うん。そう、真っ白いから『ましろ』って名前らしいわ」
……彼だ……
愕然としつつも、手はしっかりと油を塗り終わり彼女の手を軽く揉みほぐしている。
「『ましろ』、可愛らしいお名前ですね。しかも真っ白い猫なんて。ご昇進も、真にお目出度い事でございますね」
と笑顔で応じた。
「でしょ? でね、祝言のお祝いに、その猫をくださるそうなの」
「あら、それは何と名誉な事でしょう! とても素敵ですね!」
「ね! もう嬉しくて嬉しくて。ましろはね、実光様にとても懐いてるんですって」
「それは楽しみですね!」
「うふふふふふ」
無邪気に喜ぶ萩の方を、穏やかな笑みで見つめながら複雑な心境を持て余していた。その後は彼女の話を適当に受け流しつつ、丁寧に挨拶をしてその場を辞した。
邸を出た途端、どっと疲れが押し寄せる。待たせてあった牛車に従者の手を借りて乗り込み、ぐったりと腰をおろした。
「あの、どうかなされましたか? 御気分でもお悪いのでしょうか?」
従者は心配そうに、かつ遠慮がちに声をかける。
「いいえ、大丈夫です。少し疲れただけなので。休めばすぐに回復します。有難う」
慌てて笑顔で応じた。牛車はゆっくり動き出す。
……何だったんだろう? あの、如何にもこれから恋に発展するかも! みたいな思わせぶりな出会いは。一瞬だけ出会っその後ぷっつり。それで久々に彼の名を聞いたと思えば、腹違いの姉の婚約者でした、て。これぞ正に「いとをかし」だわよ全く……
鳳仙花は大きく溜息をついた。別にもう、実光の事でときめいたりもしない。けれども、何とも表現し難い不快さの入り混じった複雑な気もちになるのだ。無理矢理一言で言い現すとすれば『虚しい』、であろうか。
……何だかヤケ酒でも煽りたい気分。お酒は飲めないけど、酔って何もかも忘れたいわ。あ、そうか。伊周様は毎日、こんな気もちでいらっしゃるのか……
伊周のやり場のない空虚な怒りが今、心から理解出来る気がした。
時を同じくして……
「……では、どうあっても呪詛の件は断ると言うのだな?」
道長は半ば懇願するようにして問う。黒の直衣に黒の烏帽子姿の道長は、心なしか少しやつれたように見える。六畳一間に燭台は一つという仄暗い部屋は、銀色の地に東に青龍、南に朱雀、北に玄武、西に白虎の四獣がが描かれた屏風を四方に囲み、更に黒の御簾で周りを囲んでいた。
黒の台を挟んで、道長の向かい側に腰を下ろしている男は、束帯装束という畏まった姿で座っていた。台の中央には木彫りで作られた黄龍の置物が置かれたものが置かれている。男は影になっていて顔は窺いしれぬが、背は高く、細身の筋肉質な体型の落ち着いた大人といえようか。低めで落ち着いた独特の声色の持ち主だ。その声はどことなく琵琶の音思わせる。
「はい。既に道長様は数知れず呪詛をなされておられる上に、呪詛とまで行かなくとも数多に呪いの言霊や生霊が飛んで来ております」
元来、気の小さいところがある道長はぶるると震えた。男はその様子を一瞥したのみでそのまま淡々と続ける。
「天下をお取りになりたいのであれば、今は呪いを返す方が先かと。呪詛はやり過ぎるとどのような優れた術を施しても業が強すぎて闇の力に傾きます故、この世とあの世の均衡を崩す事になります。よって私はあまり呪詛はお勧めしていませぬ。どの御方にも」
「……このまま呪詛を重ねていくとすると、わしはどうなるのだ?」
道長はごくりと生唾を呑み込み、恐る恐る問う。
「まぁ、志半ばでろくな死に方はなさりますまい」
男はにやりと笑った。
「頼む! わしは天下を取りたいのじゃ! これまでわしを馬鹿にしてきおった中関白一派を根絶やしにしてやりたい!」
道長に激情が押し寄せる。まさに彼の悲願であった。
「ええ。時が満ちるのは今よりおよそ十カ月後の二月七日。何もせずとも、あちらが勝手に事を起こしてくれるでしょう」
「真だな? 真に少しの噂を流させるだけで……」
男はゆっくりと頷いた。彼の名は安倍晴明。後に稀代の大陰陽師と言われるようになる男である。道長は内密に安倍晴明邸の訪れていた。
……まぁ、人間てそういうものなのかな。自分の力というか、努力だけではどうにもならない事を嘆いて拗ねてみても仕方ない。人間の欲には際限がないし。それなら今この時を精一杯生きる事が一番良いのかも……
鳳仙花がそういった考えに落ち着いたのは、あれからひと月ほど経ってからであった。今にして思えば、萩の方に対して心の中で思っていた事の数々は酷く子供じみて情けないものだった、と内省ともに苦笑するのであった。
(※① 高貴な御方の天蓋つき寝所)
鳳仙花は伊周の身を案じながらも、てきぱきと磨爪術をこなす。そして『一度で良いから伊周様に口説かれたいわぁ』などとキャッキャッと騒いでいる女房たちを思い返した。その半面白々しい感じで受け流している女房も居て、伊周に対しての反応は大きく二通りに分かれていた。
定子はというと、帝とは益々仲睦まじい様子だ。帝はよく定子を御帖台(※①)に誘っている。
鳳仙花は今、祝言を挙げるという腹違いの姉、萩の方の爪紅を施術していた。ついひと月程前も、彼女の裳着の儀の前に爪紅をしたのだった。その時も、彼女の軽率なおしゃべりに辟易し、笑顔でさり気無く流すのにとても気を遣った事を思い出す。
『私のお父様ってね、あの隆家様の直属の部下なの。だから、裳着の儀の時も何か下さるのよ。それでね、祝言の時も何か贈ってくださるのですって!』
隆家の名が出て来る事に一瞬驚いたが、言われてみれば当たり前の事だった。父親は隆家の跡を継いで権中納言になった訳だから直属の部下となる訳だ。
……この人、物凄く得意そうに話してるけど、要は『どう? 羨ましいでしょ?』と自慢したい訳ね……
と、うんざりしたものだ。そして今も、彼女は鼻息荒く嬉々としておしゃべりをしている。派手な山吹色の襲が、愛らしい萩の方に不思議とよく似合っていた。
「……それでね、裳着の儀の時に隆家様が贈ってくださったのは、何だと思う?」
「さぁ、何でございましょう?」
……はいはい、聞いて欲しいんでしょ?……
鳳仙花はさも興味深そうに応じる。萩の方は得意そうに「うふふん」と笑うと、
「何と! 鏡だったの。周りの装飾も唐風でね、凄くお洒落なのね」
「あらぁ、それは毎日お鏡をご覧になるのが楽しみでございますねぇ」
「ね! でしょ? これで益々綺麗になれ、て事よね?」
嬉しそうに目を輝かせて身を乗り出す彼女に、鳳仙花はさり気無く彼女の手の位置をやりやすいように直す。
「えぇ、そうでしょうとも。元々お可愛らしい萩の方様ですもの、これから益々美しくなられて。伴侶の方も鼻高々でしょうね」
……私なんて、以前隆家様と二人だけで牛車で過ごしたもんねーだ。ほんと、甘やかし放題でお育ちになられたようではしたない話題ですこと。さっさと施術を終わらせて帰ろう……
「うふふ。よく言われるわ」
……成る程、私だけじゃなく皆さんに自慢のおしゃべりしているのか……
保子の言う、思った事をずけずけ言うのではなく奥ゆかしさとさり気ない知性を示せ、と説いた意味が今、身を持って体感出来た気がした。
萩の方は、望むような反応で満足したのか、少しの間静かになった。だが、萩の方は唐突に破顔する。手元に集中している鳳仙花にはそれは見えない。もし見ていたら、あからさまな高慢ちきな様子に不快に感じたかもしれない。
「あ、私の夫になる人の名前教えたかしら?」
「いいえ」
……別にいいよ、興味ないもの。そこまであなたと仲良しじゃないし……
「それはね、んふっふ、藤原実光様よ」
聞き覚えのある名前に、思わず仕上げに爪や手の甲に塗っていた荏胡麻油を取り落とし「えっ?」と聞き返しそうになる。だが必死で耐え、
……実光様、とお名前しか知らないし、同名なだけかもしれないじゃない……
と平静を装った。
「さようでございますか」
「ええ。素敵でしょ? 道長様のご息女の飼ってらっしゃる猫様のお世話や、横笛や舞がお得意だそうで。身の周りのお世話や楽や舞の披露もなさっているの。この度は左大弁に出世されてね」
……猫? まさか、お相手って……
実光が『とある高貴な御方の猫』と言っていたのを思い出す。鼓動が小刻みに震え出すも、敢えて深く静かな呼吸を心がける。もうすぐ施術も終わるのだ。
「猫、ですか?」
「うん。そう、真っ白いから『ましろ』って名前らしいわ」
……彼だ……
愕然としつつも、手はしっかりと油を塗り終わり彼女の手を軽く揉みほぐしている。
「『ましろ』、可愛らしいお名前ですね。しかも真っ白い猫なんて。ご昇進も、真にお目出度い事でございますね」
と笑顔で応じた。
「でしょ? でね、祝言のお祝いに、その猫をくださるそうなの」
「あら、それは何と名誉な事でしょう! とても素敵ですね!」
「ね! もう嬉しくて嬉しくて。ましろはね、実光様にとても懐いてるんですって」
「それは楽しみですね!」
「うふふふふふ」
無邪気に喜ぶ萩の方を、穏やかな笑みで見つめながら複雑な心境を持て余していた。その後は彼女の話を適当に受け流しつつ、丁寧に挨拶をしてその場を辞した。
邸を出た途端、どっと疲れが押し寄せる。待たせてあった牛車に従者の手を借りて乗り込み、ぐったりと腰をおろした。
「あの、どうかなされましたか? 御気分でもお悪いのでしょうか?」
従者は心配そうに、かつ遠慮がちに声をかける。
「いいえ、大丈夫です。少し疲れただけなので。休めばすぐに回復します。有難う」
慌てて笑顔で応じた。牛車はゆっくり動き出す。
……何だったんだろう? あの、如何にもこれから恋に発展するかも! みたいな思わせぶりな出会いは。一瞬だけ出会っその後ぷっつり。それで久々に彼の名を聞いたと思えば、腹違いの姉の婚約者でした、て。これぞ正に「いとをかし」だわよ全く……
鳳仙花は大きく溜息をついた。別にもう、実光の事でときめいたりもしない。けれども、何とも表現し難い不快さの入り混じった複雑な気もちになるのだ。無理矢理一言で言い現すとすれば『虚しい』、であろうか。
……何だかヤケ酒でも煽りたい気分。お酒は飲めないけど、酔って何もかも忘れたいわ。あ、そうか。伊周様は毎日、こんな気もちでいらっしゃるのか……
伊周のやり場のない空虚な怒りが今、心から理解出来る気がした。
時を同じくして……
「……では、どうあっても呪詛の件は断ると言うのだな?」
道長は半ば懇願するようにして問う。黒の直衣に黒の烏帽子姿の道長は、心なしか少しやつれたように見える。六畳一間に燭台は一つという仄暗い部屋は、銀色の地に東に青龍、南に朱雀、北に玄武、西に白虎の四獣がが描かれた屏風を四方に囲み、更に黒の御簾で周りを囲んでいた。
黒の台を挟んで、道長の向かい側に腰を下ろしている男は、束帯装束という畏まった姿で座っていた。台の中央には木彫りで作られた黄龍の置物が置かれたものが置かれている。男は影になっていて顔は窺いしれぬが、背は高く、細身の筋肉質な体型の落ち着いた大人といえようか。低めで落ち着いた独特の声色の持ち主だ。その声はどことなく琵琶の音思わせる。
「はい。既に道長様は数知れず呪詛をなされておられる上に、呪詛とまで行かなくとも数多に呪いの言霊や生霊が飛んで来ております」
元来、気の小さいところがある道長はぶるると震えた。男はその様子を一瞥したのみでそのまま淡々と続ける。
「天下をお取りになりたいのであれば、今は呪いを返す方が先かと。呪詛はやり過ぎるとどのような優れた術を施しても業が強すぎて闇の力に傾きます故、この世とあの世の均衡を崩す事になります。よって私はあまり呪詛はお勧めしていませぬ。どの御方にも」
「……このまま呪詛を重ねていくとすると、わしはどうなるのだ?」
道長はごくりと生唾を呑み込み、恐る恐る問う。
「まぁ、志半ばでろくな死に方はなさりますまい」
男はにやりと笑った。
「頼む! わしは天下を取りたいのじゃ! これまでわしを馬鹿にしてきおった中関白一派を根絶やしにしてやりたい!」
道長に激情が押し寄せる。まさに彼の悲願であった。
「ええ。時が満ちるのは今よりおよそ十カ月後の二月七日。何もせずとも、あちらが勝手に事を起こしてくれるでしょう」
「真だな? 真に少しの噂を流させるだけで……」
男はゆっくりと頷いた。彼の名は安倍晴明。後に稀代の大陰陽師と言われるようになる男である。道長は内密に安倍晴明邸の訪れていた。
……まぁ、人間てそういうものなのかな。自分の力というか、努力だけではどうにもならない事を嘆いて拗ねてみても仕方ない。人間の欲には際限がないし。それなら今この時を精一杯生きる事が一番良いのかも……
鳳仙花がそういった考えに落ち着いたのは、あれからひと月ほど経ってからであった。今にして思えば、萩の方に対して心の中で思っていた事の数々は酷く子供じみて情けないものだった、と内省ともに苦笑するのであった。
(※① 高貴な御方の天蓋つき寝所)
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