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第十五帖 黒闇③
邯鄲の夢
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「お、お久しぶりでございます。あ、あの……有難うございました」
鳳仙花は動揺しつつ、辛うじて礼を述べる。伊周の形の良い唇が穏やかな弧を描いた。黒い烏帽子の境目から、解れが髪が幾筋か頬を彩る。それが風に靡く様がまた、熱病に浮かされたように潤む瞳と相まって、どこかしどけないその姿に退廃的な艶めかしさを与える。少し痩せた姿がまた、ゾクリとする程に美しい。彼はしばし鳳仙花を凝視すると、ふん、と唇と歪めるようにして笑った。
「……君も、蔑んでるんだろ?」
吐き捨てるようにして唐突に尋ねる。鳳仙花は意味が分からなかった。
「え?」
「惚けないでくれよ、噂はよく聞くだろう? 仕事柄さぁ」
鳳仙花は漸く理解した。磨爪師という仕事柄、伊周の悪評を耳にしている事を気にしているのだ。しかし、正直に言う訳にはいかない。秘密を守る事、余計な事は口にしない事。母親から徹底して仕込まれた事の一つだ。それに、もし仮に噂の真実を告げてしまえば、伊周が傷つく。鳳仙花は姿勢を正して立ち、真っすぐに彼の目を見つめた。
「いいえ、何も伺ってはおりません。何のお話でしょう?」
ゆっくりと、そしてハッキリと告げた。伊周は途端に眉根を潜め、不機嫌さを露わにする。
……怖い……
鳳仙花は本能的に恐怖を感じた。けれども、磨爪師としての誇りにかけて、逃げ出す訳にはいかない。震えあがりそうな体を、意志の力で捻じ伏せる。
(まだ子供の癖に、何て強い目で見つめるんだ!)
伊周は内心驚いていた。生意気な、とムッと来たものの、彼女の瞳の、射抜くような強い光にハッとするほどの美しさも感じていた。けれども、大人の男として威厳は保たねばならない。
(どいつもこいつも、馬鹿にしやがって!)
子供相手に……と思うものの、ムカムカと怒りが込み上げて来るのを、耐える事は出来なかった。
「ふん、知ってるさ。皆が私の事を何て言ってるかなんて。『親の権力にしがみついているだけの女にだらしない無能の長男』だとさ。君も、そう思ってるんだろ?」
鳳仙花は慌てた。女に現を抜かすだめの無能呼わばりとは、本当に酷い噂だと心の底から思った。
「な、何て酷い事を! 私は、そんな……」
だが、その言の葉は途中で遮られた。伊周の右手が伸び、鳳仙花の口を塞いだのだ。
「な、何を……」
「黙れ! この嘘つきめ!」
抵抗する間もなく、そのまま仰向けに押し倒された。大地の草が頬に触れる。伊周の袖から、仄かに梅花のような甘い香りがした。そしてこの時、漸く彼が泥酔状態である事を知った。彼の吐く息が、熟し過ぎた柿のような匂いがして思わず咽返りそうになる。
「……お前も、私を無能だと思ってるのだろう?」
絞り出すようにして問う彼。押し倒された瞬間、頭が真っ白になるも、すぐに恐怖が全身を支配する。彼の言の葉を否定するのにも、首を横に振る事で精一杯だった。だが、後頭部から首にかけてに彼の左腕が添えられ、頭を打たぬようにしてくれている事。口を押さえる彼の右手が、呼吸を妨げないように力を抜いている事、体重をかけないように彼自身の体を浮かせている事に気付いた。ちっとも体が痛くないのだ。
やがてポタリ、ポタと鳳仙花の額に雫が滴り落ちた。驚愕して大きく目を見開く鳳仙花には、声を押し殺して涙を流す伊周の姿が映し出された。
……伊周様……
鳳仙花の胸に、温かい気持ちが湧き上がる。自分にのしかかる男が、大人達にから理不尽な虐めを受け、反撃したくても出来ず口惜しさに泣いている幼子に思えた。
『……皆が、私を馬鹿にする。叔父の道長も、端から私の事を幼児扱いだ……。そのせいで、定子も守ってやれない……あまりに………あまりに私は無力だ……父上亡き後、無能な私のせいで……一族が……』
それは、声にならない慟哭。伊周の無念、真の思いの吐露であった。辛うじて、鳳仙花の耳に届くような、小さな小さな叫び。聞いている鳳仙花も胸がつまる。彼の泣き顔が霞んで見えた。
「泣いて、くれるのか……」
ぽつりと彼は言った。心なしか、口元が綻んでいるように見えた。彼は唇を塞いでいた右手をそっと外し、袖で優しく彼女の涙を拭った。
カサカサカサカサ
その時、こちらに近づく足音が聞こえた。ハッとした様子の伊周。足音はどんどん近づいて来る。伊周は鳳仙花の頭を優しく右手で撫でると、素早く耳打ちした。
「兄上! 何をなさっているのです!」
伊周が囁き終ると同時に、二人の足元に凛とした声が響いた。続いて鳳仙花の視界が一気に開け、澄んだ水色の空が映る。何者かが伊周を背後より羽交い締めするような形で抱き起し、鳳仙花から引き離したのだ。
「清少納言の元を尋ねると言って、何やら胸騒ぎがして来てみれば……」
聞き覚えのある、横笛のように澄んだ張りのある声、伊周を兄上と呼ぶ者。顔を見ずともすぐに誰か分かる。
「隆家、様……」
鳳仙花はその名を呼んだ。項垂れ、弟に支えられるようにして立つ兄。藍色の狩衣姿は、隆家の背の高さと整った顔立ちをよく際立たせていた。
「すまなかったね、怖い思いをさせた。大丈夫? 怪我はないかい?」
隆家は兄から手を放すと放すと、素早く鳳仙花の傍にしゃがみ込み、「立てるかい?」と声をかけた。大きく肯く彼女を見てホッとした様子だ。そして右手を差し出した。
……やっぱり、隆家様って素敵……
彼の涼やかな目元に、自らの姿が映し出されているのを眺めながら、釣られるようにして差し出された手に右手を添えた。彼はそのまま握り締めた右手に力を込め、左手を鳳仙花の右肩に添えると、共に立ち上がるようにして助け起こした。彼の袖からは、ふわりと爽やかな若草の香りがした。初夏に吹き抜ける翠の風……鳳仙花の好きな香りだった。何を掛け合わせた薫物 なのか気になった。
「怪我がないようで本当に良かった。此度の件、本当に申し訳ない。兄に代わってお詫び致す」
と深々と頭を下げた。ギョッと焦って慌てふためく鳳仙花。高貴の出、先月に権中納言に昇格したばかりの彼。そんな彼が何の地位も持たない下級貴族の自分、しかも女児に頭を下げるなどこの貴族社会ではついぞ考えられない事であった。
「そ、そんな! 頭を上げてくださいませっ」
「すまない、却って気を遣わせてしまったね」
彼は面を上げ、困ったように笑った。そんな表情が、少年のように幼く見える。
「い、いいえ」
「兄にはよく言って聞かせる故。何もなくて本当に良かった。けれどもそなたを深く傷つけてしまった。どう償えば良いであろう?」
酷く困惑したように言った。
……まさか!……
その時、隆家がとんでもない誤解をしている事を悟る。あのような姿勢でいる二人を見たら、伊周が無理矢理鳳仙花の操を奪おうとしているようにしか見えなかったであろう。当の伊周は項垂れたまま微動だにしない。
誤解は解いて差し上げなければ、と真っ直ぐに隆家を見つめた。彼は驚いたように微かに眉をあげた。そしてすぐに、真正面からその視線を受け止めた。
(驚いた、頼りなげな表情から、こんなしっかりした眼差しも出来るのか)
と彼は内心感嘆していた。鳳仙花は、彼がしっかりと自分に向き合ってくれる事を嬉しく思いながら口を開いく。
「伊周様は、こちらに御用があっていらした際、たまたま私が庭に降りたところでつまづいてしまったところを、身を挺して支えようと倒れ込まれた。ただ、それだけの事なのです。ですから、地に御衣装をつけさせてしまったお詫びと、助けて頂いたお礼を言わねばならないのは私の方なのです」
しっかりとした声で、はっきりとそう言い切った。驚いて目を見開く伊周に、呆気に取られている隆家。
……伊周様、瞳が零れ落ちそうなくらい目を見開いて。それに隆家様、いつもキリッとされている印象だけれど、こんな間の抜けた面持もされるのね。何だか可愛らしいかも……
クスッと笑いそうになるのを堪え、伊周に向かって丁寧に頭を下げた。
「危ないところを助けて頂いて有難うございました。お陰様で、傷一つありません」
そして再び伊周を、そして隆家を見つめてにっこりと笑った。しばらく呆気に取られ無言の二人。鳳仙花は、何だか悪戯が成功した子供のような気分になった。
「……いや、あの……有難う」
やがて伊周が、言の葉を選びながら答える。
「でも、怪我がなくて本当に良かった」
隆家もホッとしたように応ずると、素早く鳳仙花の右耳に囁いた。それを聞くや否や、ポッと頬が茜色に染まる。彼がら漂う若草の香りは心地良かった。
風が穏やかに木々を揺らしていた。躑躅の花が、陽の光に鮮やかに輝く。
鳳仙花は動揺しつつ、辛うじて礼を述べる。伊周の形の良い唇が穏やかな弧を描いた。黒い烏帽子の境目から、解れが髪が幾筋か頬を彩る。それが風に靡く様がまた、熱病に浮かされたように潤む瞳と相まって、どこかしどけないその姿に退廃的な艶めかしさを与える。少し痩せた姿がまた、ゾクリとする程に美しい。彼はしばし鳳仙花を凝視すると、ふん、と唇と歪めるようにして笑った。
「……君も、蔑んでるんだろ?」
吐き捨てるようにして唐突に尋ねる。鳳仙花は意味が分からなかった。
「え?」
「惚けないでくれよ、噂はよく聞くだろう? 仕事柄さぁ」
鳳仙花は漸く理解した。磨爪師という仕事柄、伊周の悪評を耳にしている事を気にしているのだ。しかし、正直に言う訳にはいかない。秘密を守る事、余計な事は口にしない事。母親から徹底して仕込まれた事の一つだ。それに、もし仮に噂の真実を告げてしまえば、伊周が傷つく。鳳仙花は姿勢を正して立ち、真っすぐに彼の目を見つめた。
「いいえ、何も伺ってはおりません。何のお話でしょう?」
ゆっくりと、そしてハッキリと告げた。伊周は途端に眉根を潜め、不機嫌さを露わにする。
……怖い……
鳳仙花は本能的に恐怖を感じた。けれども、磨爪師としての誇りにかけて、逃げ出す訳にはいかない。震えあがりそうな体を、意志の力で捻じ伏せる。
(まだ子供の癖に、何て強い目で見つめるんだ!)
伊周は内心驚いていた。生意気な、とムッと来たものの、彼女の瞳の、射抜くような強い光にハッとするほどの美しさも感じていた。けれども、大人の男として威厳は保たねばならない。
(どいつもこいつも、馬鹿にしやがって!)
子供相手に……と思うものの、ムカムカと怒りが込み上げて来るのを、耐える事は出来なかった。
「ふん、知ってるさ。皆が私の事を何て言ってるかなんて。『親の権力にしがみついているだけの女にだらしない無能の長男』だとさ。君も、そう思ってるんだろ?」
鳳仙花は慌てた。女に現を抜かすだめの無能呼わばりとは、本当に酷い噂だと心の底から思った。
「な、何て酷い事を! 私は、そんな……」
だが、その言の葉は途中で遮られた。伊周の右手が伸び、鳳仙花の口を塞いだのだ。
「な、何を……」
「黙れ! この嘘つきめ!」
抵抗する間もなく、そのまま仰向けに押し倒された。大地の草が頬に触れる。伊周の袖から、仄かに梅花のような甘い香りがした。そしてこの時、漸く彼が泥酔状態である事を知った。彼の吐く息が、熟し過ぎた柿のような匂いがして思わず咽返りそうになる。
「……お前も、私を無能だと思ってるのだろう?」
絞り出すようにして問う彼。押し倒された瞬間、頭が真っ白になるも、すぐに恐怖が全身を支配する。彼の言の葉を否定するのにも、首を横に振る事で精一杯だった。だが、後頭部から首にかけてに彼の左腕が添えられ、頭を打たぬようにしてくれている事。口を押さえる彼の右手が、呼吸を妨げないように力を抜いている事、体重をかけないように彼自身の体を浮かせている事に気付いた。ちっとも体が痛くないのだ。
やがてポタリ、ポタと鳳仙花の額に雫が滴り落ちた。驚愕して大きく目を見開く鳳仙花には、声を押し殺して涙を流す伊周の姿が映し出された。
……伊周様……
鳳仙花の胸に、温かい気持ちが湧き上がる。自分にのしかかる男が、大人達にから理不尽な虐めを受け、反撃したくても出来ず口惜しさに泣いている幼子に思えた。
『……皆が、私を馬鹿にする。叔父の道長も、端から私の事を幼児扱いだ……。そのせいで、定子も守ってやれない……あまりに………あまりに私は無力だ……父上亡き後、無能な私のせいで……一族が……』
それは、声にならない慟哭。伊周の無念、真の思いの吐露であった。辛うじて、鳳仙花の耳に届くような、小さな小さな叫び。聞いている鳳仙花も胸がつまる。彼の泣き顔が霞んで見えた。
「泣いて、くれるのか……」
ぽつりと彼は言った。心なしか、口元が綻んでいるように見えた。彼は唇を塞いでいた右手をそっと外し、袖で優しく彼女の涙を拭った。
カサカサカサカサ
その時、こちらに近づく足音が聞こえた。ハッとした様子の伊周。足音はどんどん近づいて来る。伊周は鳳仙花の頭を優しく右手で撫でると、素早く耳打ちした。
「兄上! 何をなさっているのです!」
伊周が囁き終ると同時に、二人の足元に凛とした声が響いた。続いて鳳仙花の視界が一気に開け、澄んだ水色の空が映る。何者かが伊周を背後より羽交い締めするような形で抱き起し、鳳仙花から引き離したのだ。
「清少納言の元を尋ねると言って、何やら胸騒ぎがして来てみれば……」
聞き覚えのある、横笛のように澄んだ張りのある声、伊周を兄上と呼ぶ者。顔を見ずともすぐに誰か分かる。
「隆家、様……」
鳳仙花はその名を呼んだ。項垂れ、弟に支えられるようにして立つ兄。藍色の狩衣姿は、隆家の背の高さと整った顔立ちをよく際立たせていた。
「すまなかったね、怖い思いをさせた。大丈夫? 怪我はないかい?」
隆家は兄から手を放すと放すと、素早く鳳仙花の傍にしゃがみ込み、「立てるかい?」と声をかけた。大きく肯く彼女を見てホッとした様子だ。そして右手を差し出した。
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「そ、そんな! 頭を上げてくださいませっ」
「すまない、却って気を遣わせてしまったね」
彼は面を上げ、困ったように笑った。そんな表情が、少年のように幼く見える。
「い、いいえ」
「兄にはよく言って聞かせる故。何もなくて本当に良かった。けれどもそなたを深く傷つけてしまった。どう償えば良いであろう?」
酷く困惑したように言った。
……まさか!……
その時、隆家がとんでもない誤解をしている事を悟る。あのような姿勢でいる二人を見たら、伊周が無理矢理鳳仙花の操を奪おうとしているようにしか見えなかったであろう。当の伊周は項垂れたまま微動だにしない。
誤解は解いて差し上げなければ、と真っ直ぐに隆家を見つめた。彼は驚いたように微かに眉をあげた。そしてすぐに、真正面からその視線を受け止めた。
(驚いた、頼りなげな表情から、こんなしっかりした眼差しも出来るのか)
と彼は内心感嘆していた。鳳仙花は、彼がしっかりと自分に向き合ってくれる事を嬉しく思いながら口を開いく。
「伊周様は、こちらに御用があっていらした際、たまたま私が庭に降りたところでつまづいてしまったところを、身を挺して支えようと倒れ込まれた。ただ、それだけの事なのです。ですから、地に御衣装をつけさせてしまったお詫びと、助けて頂いたお礼を言わねばならないのは私の方なのです」
しっかりとした声で、はっきりとそう言い切った。驚いて目を見開く伊周に、呆気に取られている隆家。
……伊周様、瞳が零れ落ちそうなくらい目を見開いて。それに隆家様、いつもキリッとされている印象だけれど、こんな間の抜けた面持もされるのね。何だか可愛らしいかも……
クスッと笑いそうになるのを堪え、伊周に向かって丁寧に頭を下げた。
「危ないところを助けて頂いて有難うございました。お陰様で、傷一つありません」
そして再び伊周を、そして隆家を見つめてにっこりと笑った。しばらく呆気に取られ無言の二人。鳳仙花は、何だか悪戯が成功した子供のような気分になった。
「……いや、あの……有難う」
やがて伊周が、言の葉を選びながら答える。
「でも、怪我がなくて本当に良かった」
隆家もホッとしたように応ずると、素早く鳳仙花の右耳に囁いた。それを聞くや否や、ポッと頬が茜色に染まる。彼がら漂う若草の香りは心地良かった。
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