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第八帖
蔭り②
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それは昼下がり。仕事が一段落ついた紅は、そろそろ自邸に帰ろうとしていた時だった。
「紅さん、お会いしたい、という男性がお見えになってるみたいだけど……」
来客の応対をした赤染衛門が、やや戸惑いながら話しかけてくる。
「え? 来客?」
「えぇ。│頭中将《とうのちゅうじょう》様とおっしゃられて……」
「さぁ、どなたかしら」
紅は全く思いつかないらしい。
「……それで、│雅俊《まさとし》と伝えてくれと」
「あっ……」
紅は漸く誰が訪ねてきたのか理解出来た。
「どうします?」
「……応対しましょう」
紅は何かを決心するようにこたえた。そして来客の待つ応接室へと向かう。やや厳しい顔つきで。そのまま付き添いを申し出た赤染衛門を丁重に断って。
男は応接室の中でひっそりと佇んでいた。
「失礼致します」
と一声かけて御簾を開ける。
「突然すまない。久しいな」
男はすぐに声をかけた。細身で背が高く、端正な顔立ちの男である。
「ええ、本当にお久しぶりでございます。とっくにこの世を去ったか、または私如きのことなどお忘れになっているかと思ってましたよ。│橘雅俊《たちばなのまさとし》様、また随分とご出世なされたのですね」
開口一番、強烈な皮肉を浴びせる紅。男が苦笑した。
「そう怒らないでくれ、いや、怒って当然だが。私も色々あったのだよ。我が妻よ」
彼はなだめるように答えた。
「それで、一体どういう風の吹きまわしかしら? 今更逢いにいらっしゃるなんて」
紅は厳しい眼差しで淡々と問う。
「だから、悪かった、て。ある程度出世して、落ち着いたら迎えに行こうと。それで……」
「でしたら、ある日突然なしのつぶてになる前に一言説明するのが筋では?」
容赦なく遮る紅にたじたじの様子の雅俊。
「まぁまぁ、出世も必ずしも上手く行くとも限らないだろう?」
「で、御用件は?」
取り付く島もない様子の紅に、諦めたように苦笑する。
「……その、鳳仙花は、元気か? ずっと、逢いたかった」
紅は娘の名を聞いた途端、キッと睨みつける。
「ええ、元気にすくすく育っております。御心配なく。御用件がそれだけならこれで失礼します」
と踵を返す。だが、
「ま、待ってくれ。逢わせてくれとは言わない。帰るのなら、送っていく。車の中で話そう」
彼は紅の右の袂を掴むと、必死に語り掛けた。
「鳳仙花の将来の為にも、悪い話ではない。話しを聞いてくれ!」
紅には、夫が何を言い出すのか予測がついていた。だが、このまま返しては大事になりそうだ。飽きれたように溜息をつくと、渋々首を縦に振った。
ゆっくりと進む牛車。向かい合って座る紅と雅俊。気まずい沈黙が車内を包み込む。
簾は二重にピタリと締められ、出衣《いだしぎぬ》(※①)が外にゆらゆらと華やかに揺れる。外側から見たら女車(※②)に見えるように細工がされている。こうする事で、政敵に盗み聞きや、早さを煽られたり、車をぶつけられる危険性を避けたりするのだ。
雅俊は妻の様子を窺い、話し出すきっかけをはかっていた。だが紅はにこりともせず、無表情で雅俊を見つめている。
「……お話とは何です?」
先に切り出したのは紅だった。このまま話が進まなければ、必然的に自邸に泊める事にならざるを得ない。鳳仙花には逢わせくなかった。
「あ、あぁ。……鳳仙花はお前に似て、綺麗になってきたろうなぁ」
「能書きは良いです。ご用件は?」
嬉しそうに娘に想いを馳せている夫に、怒りが込み上げる。だが、表面上は冷淡を装っていた。何年も音沙汰無しでいきなり悪びれる様子もなく現れた夫が許せなかった。紅自身は離婚したのだと解釈していた為余計に腹が立った。
やはり取り付く島もない妻。苦笑しか出ない。
「分かったよ。鳳仙花を入内させないか、と提案にきた。聞けば、お忍びとは言えあの定子様の文壇に出入りしているらしいじゃないか! あの子なら、知性も教養も十分身につけているし。あと数年も立てば匂い立つように美しくなる」
雅俊は熱っぽく語り続ける。紅は益々冷静に、冷たく夫を見つめた。
「お言葉を返すようですが……。一条天皇は定子様ただお一人を深く愛してらっしゃいます。お父上の道隆様が後ろ盾となり、伊周様、隆家様と末も安泰。入内などさせても朽ち果てていくだけかと。現に、今の御門の御后は定子様お一人ではありませんか」
淡々と語る。だが、彼は驚きもせず切り返した。
「まぁ、恐らくそう言うだろうと思ったよ。お前の言い分は尤もだ」
そしてそしてやや前のめりに身を乗り出し、声をひそめて会話を続けた。
「だけど、これは噂だが……道隆様のお体の具合が優れないらしい。多くお酒をお召になる故、致し方なかろうという事だ」
「そんな! 嘘ですっ!」
「まぁ、最後まで聞けって。私は別に、謀反を企てようとか、そのような不届き者ではない。冷静に行く末を見つめての話をしに来たのだ」
思いがけない内容に、動揺を隠せない紅。だが、あくまで彼は冷静だった。紅は取り乱した自分を恥じつつ、力なく頷いた。彼は頷き返すと、先を続けた。
「……そうなると、後を継がれるのは伊周様が自然な筋と思われるが、生憎、こう言ってはなんだが漢文や詩、和歌などに長け、見目麗しい御方で浮名を流すのは、まぁ良い。ただ、政治的な力、統率力はというと、難色を示す者が殆どだ。更に言えば、あの野心家の道長が、道隆様が弱る頃を虎視眈々と狙い、頃合いを見計らってご自身の愛娘を中宮に立てるつもりらしい」
「それって、まさか……」
「そう、定子様と道長様の娘、お二人の中宮だ」
衝撃だった、信じたくない。だが……。紅は考え込む。しばらく見守る彼。やがて彼は厳かに言った。
「……だからな、正直、今のままではお前も、そして鳳仙花も行く末が危ういのだ」
紅はにわかにキッと夫を見据えると
「あなた、まさか鳳仙花を利用してご自身が出世しようとなさってるのではないでしょうね? 今までずっと長年放置しておいて、今更自分の為に娘を利用しようだなんて!」
と激しい怒りをぶつけた。彼はたじたじになって後ろに下がりながら、慌てて宥める。
「いや、待て、落ち着いてくれ。そりゃ確かに、鳳仙花が御門の寵愛を受けて……あわよくば私も、なんて野心夢見ないって言ったら嘘になるさ。けど、噂を耳にしてその真相を確かめた時、お前と鳳仙花の行く末が心配になった、てのが一番伝えたかったことだ。別に入内させなくても、何かしら策を練ってその時が来る前に身軽に動けるようにしておいた方がいい。考えておいてくれ」
「お帰りなさい、お母様」
無邪気に自分の帰りを喜ぶ鳳仙花を見て、先程夫から聞かされた話を思い浮かべる。何年も音沙汰無しで、今になってやって来る。鳳仙花を利用して自分も出世しようという野心しか感じない。あまりにも虫が良すぎる。それは許せなかった。だが、彼の危惧している事はよく理解出来た。
各貴族女性の磨爪術をしていると、自然と定子率いる文壇以外の情報も入って来る。それは周りの侍従たちの噂話だったり、施術している女性から直接聞いたりと、その経路は様々であったが。噂話は大抵は根も葉もない事だったり、針小棒大にして伝わったりが多いが、中には確かな情報も含まれていた。
その中に、道長の野望、更には道隆の体調不良、そして伊周自身の│政《まつりごと》の器についての噂は、│真《まこと》の事であろうと推測された。
入内……どの貴族もこぞって愛娘を、蝶よ花よと大切に育て、幼い頃より知識と教養を徹底的に身に着けさせる。そして一族の生き残りをかけて入内させるのだ。目指すは帝の寵愛を受け、引き立てれられる事。凄まじい女の戦いに打ち勝つ精神的な強さが求められる。表向きは華やかで上品な世界に見えるが、その実情は帝を寵愛をかけて足を引っ張り合い、陥れようと策略したり、極秘で陰陽師に呪術を依頼したりと凄まじい競争の世界なのだ。しかも、仮に帝の寵愛を受けたにしても、飽きられてしまう可能性も否めない。
どう考えても娘には不向きであるし、紅自身も本音は入内には反対だった。しかし……。
「ねぇ、鳳仙花。これはもしも、もしもの物語のお話よ」
としっかり前置きをして切り出す。
「ん? うん」
不思議そうに首を傾げる愛娘。何だかんだとまだあどけない。
「もしね、定子様の他に御門が中宮を立てる、となったら……鳳仙花は名乗りをあげたい?」
慎重に言葉を選びながら。
「あははっ、御門が定子様以外に愛情を注げるとは思えないから、仮に中宮になってもしんどいだけかなー。政治的傀儡にしかなれないって話……」
「こらこら、声が高い!」
紅は慌てて娘の唇に右手人差し指を当てた。そして我が娘の正直な、そして斬新な感想にホッと安堵した気持ちと同時に、頼もしくも感じたのだった。
(※①車内に竹を渡し、飾り用の袖を掛け、外から見えるようにする衣)
(※②車内は女性のみ、と周りに分かる車
「紅さん、お会いしたい、という男性がお見えになってるみたいだけど……」
来客の応対をした赤染衛門が、やや戸惑いながら話しかけてくる。
「え? 来客?」
「えぇ。│頭中将《とうのちゅうじょう》様とおっしゃられて……」
「さぁ、どなたかしら」
紅は全く思いつかないらしい。
「……それで、│雅俊《まさとし》と伝えてくれと」
「あっ……」
紅は漸く誰が訪ねてきたのか理解出来た。
「どうします?」
「……応対しましょう」
紅は何かを決心するようにこたえた。そして来客の待つ応接室へと向かう。やや厳しい顔つきで。そのまま付き添いを申し出た赤染衛門を丁重に断って。
男は応接室の中でひっそりと佇んでいた。
「失礼致します」
と一声かけて御簾を開ける。
「突然すまない。久しいな」
男はすぐに声をかけた。細身で背が高く、端正な顔立ちの男である。
「ええ、本当にお久しぶりでございます。とっくにこの世を去ったか、または私如きのことなどお忘れになっているかと思ってましたよ。│橘雅俊《たちばなのまさとし》様、また随分とご出世なされたのですね」
開口一番、強烈な皮肉を浴びせる紅。男が苦笑した。
「そう怒らないでくれ、いや、怒って当然だが。私も色々あったのだよ。我が妻よ」
彼はなだめるように答えた。
「それで、一体どういう風の吹きまわしかしら? 今更逢いにいらっしゃるなんて」
紅は厳しい眼差しで淡々と問う。
「だから、悪かった、て。ある程度出世して、落ち着いたら迎えに行こうと。それで……」
「でしたら、ある日突然なしのつぶてになる前に一言説明するのが筋では?」
容赦なく遮る紅にたじたじの様子の雅俊。
「まぁまぁ、出世も必ずしも上手く行くとも限らないだろう?」
「で、御用件は?」
取り付く島もない様子の紅に、諦めたように苦笑する。
「……その、鳳仙花は、元気か? ずっと、逢いたかった」
紅は娘の名を聞いた途端、キッと睨みつける。
「ええ、元気にすくすく育っております。御心配なく。御用件がそれだけならこれで失礼します」
と踵を返す。だが、
「ま、待ってくれ。逢わせてくれとは言わない。帰るのなら、送っていく。車の中で話そう」
彼は紅の右の袂を掴むと、必死に語り掛けた。
「鳳仙花の将来の為にも、悪い話ではない。話しを聞いてくれ!」
紅には、夫が何を言い出すのか予測がついていた。だが、このまま返しては大事になりそうだ。飽きれたように溜息をつくと、渋々首を縦に振った。
ゆっくりと進む牛車。向かい合って座る紅と雅俊。気まずい沈黙が車内を包み込む。
簾は二重にピタリと締められ、出衣《いだしぎぬ》(※①)が外にゆらゆらと華やかに揺れる。外側から見たら女車(※②)に見えるように細工がされている。こうする事で、政敵に盗み聞きや、早さを煽られたり、車をぶつけられる危険性を避けたりするのだ。
雅俊は妻の様子を窺い、話し出すきっかけをはかっていた。だが紅はにこりともせず、無表情で雅俊を見つめている。
「……お話とは何です?」
先に切り出したのは紅だった。このまま話が進まなければ、必然的に自邸に泊める事にならざるを得ない。鳳仙花には逢わせくなかった。
「あ、あぁ。……鳳仙花はお前に似て、綺麗になってきたろうなぁ」
「能書きは良いです。ご用件は?」
嬉しそうに娘に想いを馳せている夫に、怒りが込み上げる。だが、表面上は冷淡を装っていた。何年も音沙汰無しでいきなり悪びれる様子もなく現れた夫が許せなかった。紅自身は離婚したのだと解釈していた為余計に腹が立った。
やはり取り付く島もない妻。苦笑しか出ない。
「分かったよ。鳳仙花を入内させないか、と提案にきた。聞けば、お忍びとは言えあの定子様の文壇に出入りしているらしいじゃないか! あの子なら、知性も教養も十分身につけているし。あと数年も立てば匂い立つように美しくなる」
雅俊は熱っぽく語り続ける。紅は益々冷静に、冷たく夫を見つめた。
「お言葉を返すようですが……。一条天皇は定子様ただお一人を深く愛してらっしゃいます。お父上の道隆様が後ろ盾となり、伊周様、隆家様と末も安泰。入内などさせても朽ち果てていくだけかと。現に、今の御門の御后は定子様お一人ではありませんか」
淡々と語る。だが、彼は驚きもせず切り返した。
「まぁ、恐らくそう言うだろうと思ったよ。お前の言い分は尤もだ」
そしてそしてやや前のめりに身を乗り出し、声をひそめて会話を続けた。
「だけど、これは噂だが……道隆様のお体の具合が優れないらしい。多くお酒をお召になる故、致し方なかろうという事だ」
「そんな! 嘘ですっ!」
「まぁ、最後まで聞けって。私は別に、謀反を企てようとか、そのような不届き者ではない。冷静に行く末を見つめての話をしに来たのだ」
思いがけない内容に、動揺を隠せない紅。だが、あくまで彼は冷静だった。紅は取り乱した自分を恥じつつ、力なく頷いた。彼は頷き返すと、先を続けた。
「……そうなると、後を継がれるのは伊周様が自然な筋と思われるが、生憎、こう言ってはなんだが漢文や詩、和歌などに長け、見目麗しい御方で浮名を流すのは、まぁ良い。ただ、政治的な力、統率力はというと、難色を示す者が殆どだ。更に言えば、あの野心家の道長が、道隆様が弱る頃を虎視眈々と狙い、頃合いを見計らってご自身の愛娘を中宮に立てるつもりらしい」
「それって、まさか……」
「そう、定子様と道長様の娘、お二人の中宮だ」
衝撃だった、信じたくない。だが……。紅は考え込む。しばらく見守る彼。やがて彼は厳かに言った。
「……だからな、正直、今のままではお前も、そして鳳仙花も行く末が危ういのだ」
紅はにわかにキッと夫を見据えると
「あなた、まさか鳳仙花を利用してご自身が出世しようとなさってるのではないでしょうね? 今までずっと長年放置しておいて、今更自分の為に娘を利用しようだなんて!」
と激しい怒りをぶつけた。彼はたじたじになって後ろに下がりながら、慌てて宥める。
「いや、待て、落ち着いてくれ。そりゃ確かに、鳳仙花が御門の寵愛を受けて……あわよくば私も、なんて野心夢見ないって言ったら嘘になるさ。けど、噂を耳にしてその真相を確かめた時、お前と鳳仙花の行く末が心配になった、てのが一番伝えたかったことだ。別に入内させなくても、何かしら策を練ってその時が来る前に身軽に動けるようにしておいた方がいい。考えておいてくれ」
「お帰りなさい、お母様」
無邪気に自分の帰りを喜ぶ鳳仙花を見て、先程夫から聞かされた話を思い浮かべる。何年も音沙汰無しで、今になってやって来る。鳳仙花を利用して自分も出世しようという野心しか感じない。あまりにも虫が良すぎる。それは許せなかった。だが、彼の危惧している事はよく理解出来た。
各貴族女性の磨爪術をしていると、自然と定子率いる文壇以外の情報も入って来る。それは周りの侍従たちの噂話だったり、施術している女性から直接聞いたりと、その経路は様々であったが。噂話は大抵は根も葉もない事だったり、針小棒大にして伝わったりが多いが、中には確かな情報も含まれていた。
その中に、道長の野望、更には道隆の体調不良、そして伊周自身の│政《まつりごと》の器についての噂は、│真《まこと》の事であろうと推測された。
入内……どの貴族もこぞって愛娘を、蝶よ花よと大切に育て、幼い頃より知識と教養を徹底的に身に着けさせる。そして一族の生き残りをかけて入内させるのだ。目指すは帝の寵愛を受け、引き立てれられる事。凄まじい女の戦いに打ち勝つ精神的な強さが求められる。表向きは華やかで上品な世界に見えるが、その実情は帝を寵愛をかけて足を引っ張り合い、陥れようと策略したり、極秘で陰陽師に呪術を依頼したりと凄まじい競争の世界なのだ。しかも、仮に帝の寵愛を受けたにしても、飽きられてしまう可能性も否めない。
どう考えても娘には不向きであるし、紅自身も本音は入内には反対だった。しかし……。
「ねぇ、鳳仙花。これはもしも、もしもの物語のお話よ」
としっかり前置きをして切り出す。
「ん? うん」
不思議そうに首を傾げる愛娘。何だかんだとまだあどけない。
「もしね、定子様の他に御門が中宮を立てる、となったら……鳳仙花は名乗りをあげたい?」
慎重に言葉を選びながら。
「あははっ、御門が定子様以外に愛情を注げるとは思えないから、仮に中宮になってもしんどいだけかなー。政治的傀儡にしかなれないって話……」
「こらこら、声が高い!」
紅は慌てて娘の唇に右手人差し指を当てた。そして我が娘の正直な、そして斬新な感想にホッと安堵した気持ちと同時に、頼もしくも感じたのだった。
(※①車内に竹を渡し、飾り用の袖を掛け、外から見えるようにする衣)
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