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第二話
出会い
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三週間ほど過ぎた。売れ残ったままだと、一週間ごとにAIの値段は下げられてく。当初一緒にショップにきたAIの子供たちはほとんど売れてしまったようだ。
……今日も退屈な一日が始まる。もう、テレビも見飽きたな……
アマンダはぼんやりとパソコンの画面を見つめた。
メタリックブルーの、見るからに高級そうな車に乗った男が地上に降り立つ。コツコツと靴の音が軽快に響く。黒の皮靴を履いている。そして紫紺色のスーツに身を包み、長い手足を優雅に裁きつつ。どうやら背が高く、小麦色の肌の持ち主のようだ。腰あたりまで伸ばされた漆黒の髪はストレートで見事な艶を誇る。高く上品な鼻、形の良い唇、面長の輪郭、やや先端が先細りになった耳。品良く整えられた眉……相当な美形であろうと期待が高まる。瞳は何色であろうか?
残念な事に、男の黒いサングラスで瞳が隠されてしまっていた。ガラス張りのショップ「AI専門店『Dorothy』」へと入店した。自動ドアが開くと同時に、「いらっしゃいませ」とスタッフたちが声をかける。するとスタッフ全員、作業中ぼ手を止め、男の元へと走り寄った。
「これはこれは、Licht(ドイツ語・光)様、ご来店有難うございます。わざわざいらっしゃらずとも、ご希望のお品をおっしゃって下されば選りすぐりを何点かお持ち致しましたのに」
初老の男が店内の奥より足早にやって来て愛想よく話しかける。この店のオーナーである。
「今日は思うところがあってな。自分の目でじっくりと確かめたい」
男の声はコントラバスを思わせる。低めだがよく通りそして印象深い声だ。
「どうぞどうぞ心行くまでご覧下さいませ」
オーナーは深々と頭を下げた。コツコツと軽快に靴音を鳴らし、男は端からガラスケース内のAIと、ケースに貼られている特徴を読む。男が読み終わった頃、オーナーが補足していく。男は一つ一つじっくりと観察した。
男はあるガラスケースの前で立ち止まる。ガラスケースの説明書きに興味を示したようだ。
『Amanda《アマンダ》(愛すべきもの・大切なもの)。姉と適合する新鮮な心臓を提供する為に両親が依頼。2207年11月11日、工授精にて試験管で生まれる。心臓移植をされた後、ドクター・レオンに遺体を引き取られ、AIとして再生する。
『【特徴】※喜怒哀楽すべて有り
※主《あるじ》の命令には絶対服従であるが、意思の力を備えている
※手の平を翳したり手を握ったりするだけで患部或いは傷口に手を翳すのみ
で、想いを治癒の力に変える事が出来る。 』
「リヒト様、この子が気になりますか?」
オーナーは意外そうに声をかけた。
「あぁ、この子を直接見てみたいのだが」
熱っぽく答えるリヒトと呼ばれる男。オーナーは少し戸惑い気味に答える。
「しかしこの子は、三週間ほど前に入荷して売れ残りで……。お隣の子の方が……」
「安くなっているものを私が買うのが気に入らないのか? なら元値で払おう。見せるのか? 見せないのか?」
男は鋭い声で詰問した。途端に震え上がるオーナー。
「め、滅相もございません! 大変失礼致しました。ただ、どなたも素通りしていく子なので、リヒト様には相応しくないかもと……」
「言い訳はいいから、サッサと開けろ」
男は冷たく遮った。
「は、はい! 大変失礼致しました!!」
オーナーは紺のブレザーのポケットから鍵を取り出した。
アマンダはパソコン画面に映し出される「およそ100年前の映像」というものをボーっ眺めていた。優しい青空、黄色い菜の花畑、ソメイヨシノ。賑わう花見客。今となっては貴重な映像だ。地球温暖化に伴い氷河期がやってきて、生態系は崩れてしまった。故に害虫や鳥の大量発生により、四季折々の花々は咲かなくなってしまった。個人では鉢植え、集団では植物園に行って花を見る。これが常識となっている。
子ども達の教育は、深刻な虐めや差別問題、教員不足から通学は廃止。2101年から自宅でパソコン画面に授業が一斉配信されるようびなっていた。授業内容は年齢別、質問は24時間いつでもメールで。教師はAIが勤めた。
ガチャカチャ
不意にガラス扉の鍵を開ける音で、アマンダは我に返った。オーナーだ。
……少し早いけど、廃棄処分行きか……
ほんの少しだけ寂しく思いながらも、覚悟を決めた。
「アマンダ、お前を見たいというお客様だよ」
オーナーの意外な言葉に、夢ではないだろうかと思った。小麦色の肌。紫紺のスーツに包み込んだ背の高そうな男が、アマンダを見つめていた。男のかけているサングラスに、アマンダの姿が映し出されている。
小柄で痩せた、目ばかりが大きい少女。ミディアムボブヘアーはプラチナブロンド。髪とお揃いの色の睫毛に囲まれた瞳の色は菫色だ。サングラスの奥の彼の瞳に、自分はどう映っているのか……。
アマンダは恐怖に身を振るわせた。廃棄処分にするなら、早くして欲しい、とすら思った。
「こんにちは、アマンダ。私はリヒト。ドイツ語で『光』と言う意味があるんだ」
男は笑みを浮かべ、ゆっくりと名乗る。低めで重厚な、されどよく通る柔らかな声だ。そして右手で自らのサングラスを外す。
……なんて綺麗な、コバルトブルーの瞳……
アマンダは息を呑んで見つめた。男のサングラスの下の瞳は、漆黒の長い睫毛にくまどわれた得も言われぬほど神秘的なコバルトブルーであった。まるでアウイナイトの宝石を彷彿させるようだ。上品な二重瞼、涼やかな切れ長の瞳だ。男の浅黒い肌とその瞳のコントラストは、非常に神秘的で浮世離れしており、詩人を魅了し画家を虜にする妖しいほどの魅力に溢れていた。
……けれどこの方、どこか寂しそう……
誰もが羨むような美貌、そして恐らく地位や頭脳を持っているであろうと推測される彼。けれどもその瞳の奥に深い憂いの影があるのを感じ取った。
リヒトと名乗る男は、ガラスケースの中のアマンダに右手を差し伸べた。反射的にビクッと怯えつつ
「こ、こんにちは。アマンダと申します」
と応じ、彼を見つめた。そして右手をおずおずと伸ばす。男は差し出された右手を優しく握ると、左腕をアマンダの両膝の下に差しいれそのまま抱き上げた。
アマンダは呆然としていた。何も考えられなかった。こんな風に優しく抱き上げて貰った経験は無かったので、どう反応して良いのか分からなかった。
「私のとこに来るかい?」
男は優しく尋ねた。
「はい、ご主人様」
アマンダは反射的に応えた。
これが、二人の最初の出会いであった。
……今日も退屈な一日が始まる。もう、テレビも見飽きたな……
アマンダはぼんやりとパソコンの画面を見つめた。
メタリックブルーの、見るからに高級そうな車に乗った男が地上に降り立つ。コツコツと靴の音が軽快に響く。黒の皮靴を履いている。そして紫紺色のスーツに身を包み、長い手足を優雅に裁きつつ。どうやら背が高く、小麦色の肌の持ち主のようだ。腰あたりまで伸ばされた漆黒の髪はストレートで見事な艶を誇る。高く上品な鼻、形の良い唇、面長の輪郭、やや先端が先細りになった耳。品良く整えられた眉……相当な美形であろうと期待が高まる。瞳は何色であろうか?
残念な事に、男の黒いサングラスで瞳が隠されてしまっていた。ガラス張りのショップ「AI専門店『Dorothy』」へと入店した。自動ドアが開くと同時に、「いらっしゃいませ」とスタッフたちが声をかける。するとスタッフ全員、作業中ぼ手を止め、男の元へと走り寄った。
「これはこれは、Licht(ドイツ語・光)様、ご来店有難うございます。わざわざいらっしゃらずとも、ご希望のお品をおっしゃって下されば選りすぐりを何点かお持ち致しましたのに」
初老の男が店内の奥より足早にやって来て愛想よく話しかける。この店のオーナーである。
「今日は思うところがあってな。自分の目でじっくりと確かめたい」
男の声はコントラバスを思わせる。低めだがよく通りそして印象深い声だ。
「どうぞどうぞ心行くまでご覧下さいませ」
オーナーは深々と頭を下げた。コツコツと軽快に靴音を鳴らし、男は端からガラスケース内のAIと、ケースに貼られている特徴を読む。男が読み終わった頃、オーナーが補足していく。男は一つ一つじっくりと観察した。
男はあるガラスケースの前で立ち止まる。ガラスケースの説明書きに興味を示したようだ。
『Amanda《アマンダ》(愛すべきもの・大切なもの)。姉と適合する新鮮な心臓を提供する為に両親が依頼。2207年11月11日、工授精にて試験管で生まれる。心臓移植をされた後、ドクター・レオンに遺体を引き取られ、AIとして再生する。
『【特徴】※喜怒哀楽すべて有り
※主《あるじ》の命令には絶対服従であるが、意思の力を備えている
※手の平を翳したり手を握ったりするだけで患部或いは傷口に手を翳すのみ
で、想いを治癒の力に変える事が出来る。 』
「リヒト様、この子が気になりますか?」
オーナーは意外そうに声をかけた。
「あぁ、この子を直接見てみたいのだが」
熱っぽく答えるリヒトと呼ばれる男。オーナーは少し戸惑い気味に答える。
「しかしこの子は、三週間ほど前に入荷して売れ残りで……。お隣の子の方が……」
「安くなっているものを私が買うのが気に入らないのか? なら元値で払おう。見せるのか? 見せないのか?」
男は鋭い声で詰問した。途端に震え上がるオーナー。
「め、滅相もございません! 大変失礼致しました。ただ、どなたも素通りしていく子なので、リヒト様には相応しくないかもと……」
「言い訳はいいから、サッサと開けろ」
男は冷たく遮った。
「は、はい! 大変失礼致しました!!」
オーナーは紺のブレザーのポケットから鍵を取り出した。
アマンダはパソコン画面に映し出される「およそ100年前の映像」というものをボーっ眺めていた。優しい青空、黄色い菜の花畑、ソメイヨシノ。賑わう花見客。今となっては貴重な映像だ。地球温暖化に伴い氷河期がやってきて、生態系は崩れてしまった。故に害虫や鳥の大量発生により、四季折々の花々は咲かなくなってしまった。個人では鉢植え、集団では植物園に行って花を見る。これが常識となっている。
子ども達の教育は、深刻な虐めや差別問題、教員不足から通学は廃止。2101年から自宅でパソコン画面に授業が一斉配信されるようびなっていた。授業内容は年齢別、質問は24時間いつでもメールで。教師はAIが勤めた。
ガチャカチャ
不意にガラス扉の鍵を開ける音で、アマンダは我に返った。オーナーだ。
……少し早いけど、廃棄処分行きか……
ほんの少しだけ寂しく思いながらも、覚悟を決めた。
「アマンダ、お前を見たいというお客様だよ」
オーナーの意外な言葉に、夢ではないだろうかと思った。小麦色の肌。紫紺のスーツに包み込んだ背の高そうな男が、アマンダを見つめていた。男のかけているサングラスに、アマンダの姿が映し出されている。
小柄で痩せた、目ばかりが大きい少女。ミディアムボブヘアーはプラチナブロンド。髪とお揃いの色の睫毛に囲まれた瞳の色は菫色だ。サングラスの奥の彼の瞳に、自分はどう映っているのか……。
アマンダは恐怖に身を振るわせた。廃棄処分にするなら、早くして欲しい、とすら思った。
「こんにちは、アマンダ。私はリヒト。ドイツ語で『光』と言う意味があるんだ」
男は笑みを浮かべ、ゆっくりと名乗る。低めで重厚な、されどよく通る柔らかな声だ。そして右手で自らのサングラスを外す。
……なんて綺麗な、コバルトブルーの瞳……
アマンダは息を呑んで見つめた。男のサングラスの下の瞳は、漆黒の長い睫毛にくまどわれた得も言われぬほど神秘的なコバルトブルーであった。まるでアウイナイトの宝石を彷彿させるようだ。上品な二重瞼、涼やかな切れ長の瞳だ。男の浅黒い肌とその瞳のコントラストは、非常に神秘的で浮世離れしており、詩人を魅了し画家を虜にする妖しいほどの魅力に溢れていた。
……けれどこの方、どこか寂しそう……
誰もが羨むような美貌、そして恐らく地位や頭脳を持っているであろうと推測される彼。けれどもその瞳の奥に深い憂いの影があるのを感じ取った。
リヒトと名乗る男は、ガラスケースの中のアマンダに右手を差し伸べた。反射的にビクッと怯えつつ
「こ、こんにちは。アマンダと申します」
と応じ、彼を見つめた。そして右手をおずおずと伸ばす。男は差し出された右手を優しく握ると、左腕をアマンダの両膝の下に差しいれそのまま抱き上げた。
アマンダは呆然としていた。何も考えられなかった。こんな風に優しく抱き上げて貰った経験は無かったので、どう反応して良いのか分からなかった。
「私のとこに来るかい?」
男は優しく尋ねた。
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