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第十二話
ついに判明(た、多分)!? ここ異世界の仕組み。
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リアンは説明を続ける。
「つまりですね、もう少し詳しく説明しますと、こちらの世界では……。人の為に純粋な気持ちで身を挺したりして亡くなった場合、魂のランクが上がる訳です。何ランク上がるかは、閻魔の匙加減と言いますか、過去の事例を見て決められます。魂が一ランクから三ランク上がりますと、幽世に転生。ですが敢えて物質界に転生を希望する事も出来ます。その場合は幼い内から頭角を現し、トントン拍子に偉業を成し遂げて人々に惜しまれつつ夭折。その後は極楽浄土へ行く事になります。四ランク以上ですと極楽浄土に行けます。打算が入っていたりして邪だった場合は、物質界の堕とされて一からカルマのやり直し、と申しましたがやり直しというより、よりカルマが増えて生き辛くなります。ただ、そこで周りのせいにせず焦らず腐らず笑顔で生き抜いた暁には、一気に極楽浄土に行けます」
えーと、何となく分かって来たぞ。と言う事は……。
「つまり、物質界、こちらの世界、幽世、極楽浄土、と言う位置づけになりますか?」
「ええ、そう捉えて頂いて構いません。因みに、物質界の下は地獄と呼ばれる世界になりますね。一口の地獄と言いましてもいくつかの段階に別れていますが」
「あぁ、地獄……なるほど……」
考えてみた。て事は、だ。こちらの世界は魂のランクがあっちの世界より上な訳だ。幽世とあっちの世界の間。じゃぁ、この世界も幽世ほどではないにしても、幸福と希望に満ちた国の筈。少なくとも俺の居た人間界よりはさ。よし、ここは思い切って聞いてみよう! 早めに仕組みを理解した方が、どう立ち回れば良いか分かるしな。俺の順応力を舐めるなよ、と。
「そうなりますと、少なくとも自分が居た世界よりは平和で希望に溢れた世界な訳ですよね? こちらは」
ん? 少し眉を潜めるアルフォンスに、眼鏡のエッジを右人差し指で弾くリアン。俺、何か拙い事言ったか?
「……何が、おっしゃりたいのです?」
リアンの奴、ややムッとしたように言うじゃねーか。言いたい事があるならハッキリ言え、てか? よし、言ってやろーじゃん。
「では、単刀直入に申しましょう。この世界は自分のような転移者を除いて、物質界より魂のランクが上の方々の集まり。それなら幽世まで行かなくても物質界より平和で幸せな世界の筈。それなのに、権力争いの確執やら毒殺やら血生臭い話題があるようで。物質界と比べてどのあたりが平和なのかとか、その辺りをお伺いしておきたいです」
さぁ、どう出る? リアンとアルフォンスは互いに顔を見合わせ、頷きあった。以心伝心てやつか? リアンは再び眼鏡のエッジを右手で弾くと、厳かに口を開いた。
「分かりました。仕事に慣れてからと思っていたのですが、そうですね。先のこの世界の事を知っておいた方が良いでしょう。説明しましょう」
やった!
「最初に質問にお答えしましょう。『幸せ』の定義は人それぞれですから何とも言えませんが、平均して人々が思い浮かべる『幸せ』の事と仮定します。そう、ここは物質界より魂のランクは上に人々の世界。物質界での課題をクリアした人々の集まりですからね。けれども何らかの理由で転移して来る者もいる。物質界との違いは、国同士の争い事は無い、という事でしょうか。そいう意味では戦争のない平和な世界、と言えるでしょう」
へぇ? いいじゃん。
「ですが、国内での争い事はあります。ですから、権力争いなどはよくある話です。それに伴い、死者が出たりね。事件事故も病気も存在します。ただ、魔術や医術は物質界より発達していますから、天寿を全う出来る者が多いです。ただ、魔術が発達している分、物質界よりも不可解な呪術による殺害や犯罪は多いでしょうね。ただ、豊かで恵まれた大地にある国ですから、貧困はありません。家柄などの階級はありますがね。多様性かつ自由な恋愛が認められており、子孫繁栄せずとも国自体は栄えていきますから、子供への虐待や性犯罪は殆どありません。あった場合は即厳罰に処されます。また、この国では天寿を全うして普通に生きていれば、自動的に幽世に行けますし、人の為に亡くなった場合は前述の通りですから、死に対しては物質界ほどの恐れを抱く者は少ないです。罪を犯した者は物質界で一から、いやある意味マイナスの状態からカルマのやり直し、酷い場合は地獄に落とされる事が分かっていますから、極悪犯罪は少ないですね」
うーん、良いんだか悪いんだか……。でも、物質界より平和? だよなぁ。
「つまりですね、もう少し詳しく説明しますと、こちらの世界では……。人の為に純粋な気持ちで身を挺したりして亡くなった場合、魂のランクが上がる訳です。何ランク上がるかは、閻魔の匙加減と言いますか、過去の事例を見て決められます。魂が一ランクから三ランク上がりますと、幽世に転生。ですが敢えて物質界に転生を希望する事も出来ます。その場合は幼い内から頭角を現し、トントン拍子に偉業を成し遂げて人々に惜しまれつつ夭折。その後は極楽浄土へ行く事になります。四ランク以上ですと極楽浄土に行けます。打算が入っていたりして邪だった場合は、物質界の堕とされて一からカルマのやり直し、と申しましたがやり直しというより、よりカルマが増えて生き辛くなります。ただ、そこで周りのせいにせず焦らず腐らず笑顔で生き抜いた暁には、一気に極楽浄土に行けます」
えーと、何となく分かって来たぞ。と言う事は……。
「つまり、物質界、こちらの世界、幽世、極楽浄土、と言う位置づけになりますか?」
「ええ、そう捉えて頂いて構いません。因みに、物質界の下は地獄と呼ばれる世界になりますね。一口の地獄と言いましてもいくつかの段階に別れていますが」
「あぁ、地獄……なるほど……」
考えてみた。て事は、だ。こちらの世界は魂のランクがあっちの世界より上な訳だ。幽世とあっちの世界の間。じゃぁ、この世界も幽世ほどではないにしても、幸福と希望に満ちた国の筈。少なくとも俺の居た人間界よりはさ。よし、ここは思い切って聞いてみよう! 早めに仕組みを理解した方が、どう立ち回れば良いか分かるしな。俺の順応力を舐めるなよ、と。
「そうなりますと、少なくとも自分が居た世界よりは平和で希望に溢れた世界な訳ですよね? こちらは」
ん? 少し眉を潜めるアルフォンスに、眼鏡のエッジを右人差し指で弾くリアン。俺、何か拙い事言ったか?
「……何が、おっしゃりたいのです?」
リアンの奴、ややムッとしたように言うじゃねーか。言いたい事があるならハッキリ言え、てか? よし、言ってやろーじゃん。
「では、単刀直入に申しましょう。この世界は自分のような転移者を除いて、物質界より魂のランクが上の方々の集まり。それなら幽世まで行かなくても物質界より平和で幸せな世界の筈。それなのに、権力争いの確執やら毒殺やら血生臭い話題があるようで。物質界と比べてどのあたりが平和なのかとか、その辺りをお伺いしておきたいです」
さぁ、どう出る? リアンとアルフォンスは互いに顔を見合わせ、頷きあった。以心伝心てやつか? リアンは再び眼鏡のエッジを右手で弾くと、厳かに口を開いた。
「分かりました。仕事に慣れてからと思っていたのですが、そうですね。先のこの世界の事を知っておいた方が良いでしょう。説明しましょう」
やった!
「最初に質問にお答えしましょう。『幸せ』の定義は人それぞれですから何とも言えませんが、平均して人々が思い浮かべる『幸せ』の事と仮定します。そう、ここは物質界より魂のランクは上に人々の世界。物質界での課題をクリアした人々の集まりですからね。けれども何らかの理由で転移して来る者もいる。物質界との違いは、国同士の争い事は無い、という事でしょうか。そいう意味では戦争のない平和な世界、と言えるでしょう」
へぇ? いいじゃん。
「ですが、国内での争い事はあります。ですから、権力争いなどはよくある話です。それに伴い、死者が出たりね。事件事故も病気も存在します。ただ、魔術や医術は物質界より発達していますから、天寿を全う出来る者が多いです。ただ、魔術が発達している分、物質界よりも不可解な呪術による殺害や犯罪は多いでしょうね。ただ、豊かで恵まれた大地にある国ですから、貧困はありません。家柄などの階級はありますがね。多様性かつ自由な恋愛が認められており、子孫繁栄せずとも国自体は栄えていきますから、子供への虐待や性犯罪は殆どありません。あった場合は即厳罰に処されます。また、この国では天寿を全うして普通に生きていれば、自動的に幽世に行けますし、人の為に亡くなった場合は前述の通りですから、死に対しては物質界ほどの恐れを抱く者は少ないです。罪を犯した者は物質界で一から、いやある意味マイナスの状態からカルマのやり直し、酷い場合は地獄に落とされる事が分かっていますから、極悪犯罪は少ないですね」
うーん、良いんだか悪いんだか……。でも、物質界より平和? だよなぁ。
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