王子の僕が女体化して英雄の嫁にならないと国が滅ぶ!?

蒼宮ここの

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第68話 ほんのひとときでも

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カタ、カタ、カタ。ささやかな物音に意識の端っこを掴まれる。飛び起きると、着替えの最中のジャオが驚いて振り向く。きっと僕を起こさないようにと気を遣ってくれていたのだろう。
あれ、僕いつの間にか眠っていた‪……‬ジャオやフロストは眠る間も無く働いているというのに‪……‬。

「今、何時‪……‬!?」
「すまない、起こしてしまったか。まだ明け方だから寝ていていいぞ」
「そういうわけにいかないよ! 僕も国民のために――――ッ」

まだ喋っている途中なのにベッドに抑え込まれてしまう。ジャオは僕の両肩を掴む腕をクロスにしている。これでは自力で起き上がれない。

「‪……‬お前のことだからどうせ夜ちゃんと眠れていないんだろう。いいから休め。必要になったら呼びに来る」
「いやだよ‪……‬僕、何かしたい‪……‬役に立たないって、わかっているけど‪……‬」

こみ上げる涙を必死に堪えるが、うっすらと水の膜が張ってジャオの顔がぼやけてしまう。頬に触れられるとあっけなく横に溢れた。

「ベル、お前は‪……‬もっと自分に誇りを持て。お前が居てくれるだけで俺はこうして立っていられるんだ」
「ジャオ‪……‬」

あまりのやさしい言葉に惚けて脱力する。無意識に「すき」と唇が象ると、ジャオが吸い込まれるように僕の胸の中に収まった。あったかい‪……‬石鹸の匂いだ。お風呂に入ってきたのかな‪……‬。擦り寄ると、途端に強い力でグッと全身を抑えつけられる。

「‪……‬? なに‪……‬?」
「‪……‬すまない。こんな時でも盛ってしまいそうになった‪……‬お前は国民の危機に、胸を痛めているというのに‪……‬」

ジャオは本気で己を恥じている。弱々しく震える睫毛は理性と本能の狭間で揺れているようだ。僕はもっと近付いて頬擦りした。ジャオの形の良い鼻筋にキスして‪……‬服の中に手を入れ、誘うように愛撫する。

「いいよ。シよ?」
「‪……‬朝から‪……‬いいのか‪……‬?」
「昨日できなかったもんね。僕もシたい」

ジャオがこんなふうに言うってことは、少しは休憩する時間があるのだろう。夜通し駆けずり回ってなおも僕を求めてくれるなんて、嬉しい。ジャオのやる気が上がるならいくらでも相手してあげたい。現状僕にできるのって、これくらいしかないし……。

「ジャオ、このまま腰浮かせててね」

ジャオの身体を腕立て伏せのような状態にして僕は足元の方向に身体を滑らせる。こうして仰向けで寝そべったまま、ジャオの股間を寛げて、少しだけ勃起した逸物を下から咥え込んだ。あ、ジャオもう腰振れてる‪……‬我慢汁出てるし‪……‬相変わらずスケベなんだから。

「んふ、んふ」
「はあ、ベル‪……‬苦しく、ないかっ‪……‬?」

下にいる僕のことを気遣ってくれてる。やさしいなあ。腰を撫でまわして余裕があることを伝えると、グッグッと腰を入れる動作で応えてきた。僕の頬の裏側で、ジャオが扱いてるみたい‪……‬使われる快感にポーッと浸る。
ジャオの逸物の形に浮き出る僕の頬を、外側から指でグリグリしてあげると、ピン! とジャオが爪先に力を入れる気配がして‪……‬射精はしないものの、僕の口内で大きく脈打った。

「ああベル‪……‬いけない、それは‪……‬」

ジャオの弱々しい声が可愛くて脳が蕩けそう。もっと刺激を与えたくて、今度は手の平で回転しながら押し潰す。すると僕の歯茎と唇の間に逃げてきて、ああ、まるで歯磨きされてるみたいな感触だ、ジャオので……口内を支配されている感覚にうっとりと酔いしれる。

「んふ‪……‬はふ‪」
「挿れたい‪……‬もう、我慢できない‪……‬っ」
「いいよ、準備できてるから‪……もう挿れて‪……‬?」

ひそかに膣内に忍ばせていた指をジャオの眼前に広げる。自分でも恥ずかしいくらいに粘着質な糸が指の間に引いて‪……‬ジャオが険しい顔で舌舐めずりをする。
慣らされないまま強引に押し開かれるのも、好きだ。ジャオがこんなに余裕なくなるのは珍しいから、なかなか機会がないけど‪……‬今日は欲望のままに貪ってくれそう‪……‬。

「ベル、楽にしてくれ‪……‬」
「ん‪……‬ああ~ッ‪……‬‪……‬アッアッ‪……‬」

ジャオが入ってきた途端に愛液が溢れ出す。大歓迎してるみたいで、ものすごく恥ずかしい‪……‬けど、ジャオが褒めるように目を見つめて頭をヨシヨシしてくれるから、こんな僕でも愛してもらえるんだって、自信がもてる。

「すごいな‪……‬ベル、ナカ‪……‬」
「い、言わないでえ‪……‬」
「フッ、可愛い‪……‬ハア‪……‬」

頭を抱えてジャオがカエル足でピストンし始めた。当然僕もカエル足だ。こんなふうにみっともなく下半身まで密着させて行為しているなんて、仮にも王族と英雄なのに‪……‬でも、だって、少しでも触れ合ってシたいんだもん‪……‬僕とジャオ、相思相愛だから‪……‬見た目なんて気にしてらんない‪……‬誰も見てないんだから‪……‬みっともなく、浅ましく、求め合いたい‪……‬!

「ああ、ベル‪……‬朝陽でお前のいやらしい顔、丸見えだぞ‪……‬?」
「ひぃイン、やらあ、みないれぇ‪……‬」
「隠すな‪……‬フフッ、そんなに脚絡めて‪……‬嬉しいか‪……‬?」
「うれひいッ、もっと、もっとシてえっ」

恥ずかしいのに、見て欲しい。気持ちがちぐはぐで追いつかない。顔を隠せないように拘束された、強い腕の感触だけで達しそうになる。強制されるの大好き。僕ってやっぱり変態だ。ジャオが嬉しそうにニヤけてる、この顔好きっ、この顔好きぃっ‪……‬!

「ベル、顔‪……‬そうやって触られるだけで、ゾクゾクする‪……‬」
「だってえ‪……‬ジャオ、カッコいいんだもん‪……‬すき‪……‬」
「ベルも、綺麗だ‪……‬世界一綺麗だぞ」
「あうっ、あううっ」

嬉しすぎてオシッコ漏れそう。ああ、そういえば朝のおトイレ行ってない‪……‬。あたるところを調整しようと腰をクイクイ動かしていると、不意に抱き込まれた。

「すまない、集中する。気持ち良くしてやるからなっ」
「ま、まっ、ジャ、ふぎゅううっ‪……‬!」

上から覆い被さられて、抱き締められて、ガン突き。こんな幸せな体位ない。けど今はダメ。そこオシッコ漏れちゃう、オシッコ漏れちゃう。ジャオの寝巻きの背中を掴んで遠ざけようとするけど、ジャオ、息を荒げてピストンに夢中だ。気付いてくれない。耳にかかる熱い息、たまらない‪……‬ダメ、もう抗えない、ダメ‪……‬‪……‬!

「オシッコ出ちゃううううう」

プシャアアアッ。ジャオの膣が抜け出て、勢いよく透明の液体が放物線を描く。パタパタとシーツを濡らして僕はぐったりと脱力した。
ああ、やっちゃった‪……‬お漏らし‪……‬起き抜けにエッチなんてするから‪……‬‪……‬。

「はあ‪……‬ああ~~‪……‬やらあ~~~~‪……‬」
「潮吹きだろう。いつもと同じだ」
「お、オシッコらよぉ、アッアッ‪……‬」

ジャオがクチュクチュと指で弄ると、先程よりも小さな放物線がまたシーツを濡らす。ジャオ、舐めて確かめてるし‪……‬指が舌を滑る様に耐え切れず慌ててジャオの手を取る。しかしその指ですぐに割れ目をグチャグチャかき回されてしまって、あえなくシーツに伏せた。

「なんだっていい‪……‬ベルが出すものなら全部綺麗だ」
「そ、そんなワケ、ない‪‪……‬オッオッオッオッ‪……‬!」
「ほら、イけ‪……‬全部出していいぞ‪……‬?」
「オッオッオッ、オッオッオッ‪……‬」

ジャオの指づかい、どうしてこんなに感じちゃうの‪……‬? 入口ピチャピチャやられてるだけなのに‪……‬コリコリに指があたるだけで、絶叫したくなるくらい気持ち良い‪……‬!

「うあ、あうう、イジメないれぇ~」
「フフ‪……‬いっぱい出したな。えらいぞ」

最後の潮を力なく吹きながら、僕は愉しそうに微笑むジャオの表情に囚われる。ジャオがこんなふうに無邪気にしているのは行為の最中だけかもしれない。つくづく、彼の世界には僕しかいないのだと多幸感に包まれる。
ジャオが僕の両脚を持ち上げて、ふたたび擦り付けてきた。指で何度もイかされたアソコは敏感になってもうジャオの先端にジュルジュル吸い付いている。我ながらはしたない‪……‬けど、僕自身も思ってるよ‪……‬早くジャオに挿入ってほしい‪……‬。

「ベル、イけっ‪……‬」
「ああああああああ!?!?!?!?」

命令とともにずぷんと挿入されて、僕はまた達した。ジャオに従属する魂が、強引に奥まで突き入れられた快楽を悦ぶ。さっきでもうイき尽くしたと思っていたのに、こんな‪……‬思わず大声をあげてしまったの。慌てて口元を両手で覆う。

「もう遅い‪……‬朝からシているの、城の者たちに気付かれたな」
「はあん、イジワル、しないでぇ‪……‬あうう、あうう~ッ‪……‬あう、あうぅ」

今度はねっとりと、胎内にマーキングするように擦り付けられる。イったばかりなのにこんなねちっこいの‪……‬ああ、また細かくイくっ‪……‬。

「イってるのお、とまって、とまってえ」
「ダメだ、もっとイけ」
「あうううう、あうううううううう、もぉ、もぉ~~~~」

ジャオにしがみついて、助けを乞うように達した。にわかに、ジャオが僕をシーツに縫い付けてドチュドチュと奥を突いてくる。終わりが近いのだと悟った。

「出る、ベルッ‪……‬」
「ん、うん、うんっ」
「このまま、種付けしたい‪……‬」

耳元で突然そう言われて、ぶわりと体温が上昇した。
種付けって。こんな朝から。そういえば僕、もう孕めるんだ。ジャオの子種、欲しい、けどっ。

「ダメ、ジャオっ、ダメ」
「もうすぐ戦が始まる‪……‬俺、死ぬかもしれない‪……‬っ」
「ああああ~~ッ」

ジャオの言い分はわかる。命の危機が迫っているのだから、子孫を残したいと思うのは生物として正しい本能だ。だけど僕はジャオが死ぬなんて思いたくない。ジャオとの子どもなのに僕一人で育てるなんていやだ。会わせてあげたい。だから。

「ジャオ、まだ、まだだよっ? 今はまだ、ダメッ‪……‬!」
「うう、ハアッ‪……‬わかっている‪……まだ、なんだ‪……わかっている‬」

ドプッ。膨張したジャオが弾ける感覚。しかし射精の感触は腹の表面で受け止めた。寸でのところでジャオが抜き取ってくれた。竿で塗り広げるように擦り付けてキスしてくれる。
ジャオにマーキングされるの好き‪……‬でも子作りは別なんだ、もっと、厳かなもので‪……‬その子が“幸せになれる世界”を先に用意してあげないといけない‪……‬それが、僕らの親としての役目なんだ。

「ハアッ‪……‬ハア‪……‬ベル‪……‬」
「よく我慢したね。えらいえらい」

僕の胸の中に倒れ込んだジャオの頭をわしわしと撫でてやる。指に絡まる赤毛の一本一本が愛おしい。僕も早く子作りしたいよ。だからこそ今は我慢なんだ。

「‪……‬この戦いが終わったら、いっぱい子作りしようね?」
「フフ‪……‬そうだな。今なら‪どんな怪物にだって勝てそうな気分だ‪」

そのまま終わりのないキスに溺れて、僕とジャオは時間ギリギリまで戯れ合った。
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