王子の僕が女体化して英雄の嫁にならないと国が滅ぶ!?

蒼宮ここの

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第37話 プロポーズ

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今日はなんとか無事に登校できた…………。

昨日みたいに学校サボって森で一日中ジャオと‪……‬と不埒な願望が浮かばなかったわけでもない。ジャオも同様だろう。だけれど「僕たちこのままじゃダメになるから!!」と理性で踏ん張ってジャオを引き摺りなんとか学校に来たのだ。
ジャオとはいつも教室前で別れる。名残惜しそうに繋いだ手を目の前に掲げるジャオにたじろいだ。だけどえいやっと解いて自分の教室に飛び込んで強引にバイバイした。これが朝の顛末だ。
一日はまだ始まったばかりだと言うのに‪……‬ドッと疲れた‪……‬。


「おはようベル~! 昨日って無断欠席だったってホント?」

ユーリだ。今日も元気いっぱいで可愛らしい。新緑を思わせる鮮やかな緑色の髪を弾ませて、僕の席までひとっ飛びでやって来る。

「まあたまにはな。誰にでもサボりたい時はあるだろ」
「イジメられても休まなかったくせに~?」
「来るなと言われたら来たくなるし、来いと言われたら来たくなくなる、人間のサガだ」
「まあわかるけど~」

なんだか不満そうに唇を尖らせている。一体何を話したかったのか、ユーリは複雑そうな表情のまま席に戻ってしまった。
それにしても‪……‬欠席明けでも、相変わらず視線は感じる、な‪……‬。

クラス中の男が僕を見ている。自信過剰だと笑われるかもしれないが、試しに一人一人に視線を向けてみたら、全員が露骨に目を逸らしやがったのでほぼ確定だ。もしかして、まだアルヤ先輩との関係を邪推されているのだろうか。アルヤ先輩とは改めてしっかり話せたし、淫紋も消えたし、何よりジャオと仲直りできたし‪……‬ほぼ解決したようなものだ。
唯一気掛かりなのはユーステンの行方だが‪……‬それを追えばこの国のもっと闇深い問題に踏み入ることになる。それにはまだ早い。‪……‬と、フロストが言っていた。アイツの言うことをすべて信用するわけではないが、今さら完全な敵だとも思っていない。今日あたりまた相談に行こうかな‪……‬。
考えているうちに、突き刺さる視線どものことは気にならなくなっていた。



休み時間になるとジャオが来て、よりいっそう注目度が増す。いいさ見てくれ。僕はジャオと仲直りしたんだ。そして前よりも仲睦まじい関係になった。もう恥だの外聞だの言ってられない。むしろそれを利用するだけの胆力を見せなければ‪。
僕とジャオの関係を守ることが明るい未来に繋がるのだと、僕は漠然と信じている。希望的観測かもしれないが、敵が僕とジャオを引き離そうとしている以上、やはり抵抗するのが正しいのだろう。

「二人、仲直りできてよかったよね」

ユーリがニコニコと僕らの傍らで微笑んでいる。
心配してくれていたもんな。ありがとう、ユーリ。

「そろそろダブルデートの予定を立ててもいいんじゃない?」
「こらユーリ、それはまだ‪……‬」
「ちょっと調整してみるよ。もう少し待っていてくれるか?」
「うん!」

たしなめようとするルシウスの気遣いも、一緒に出掛けたいと誘い続けてくれるユーリの気持ちも、どちらも嬉しい。

「ところで、朝から気になってたんだけどさ、ベル」

ユーリがにわかに声を潜める。いつも大声で無神経なことを宣うユーリがこれをする時、僕はいつも嫌な予感しかしない。

「もしかして二人って、初体験、しちゃった‪……‬?」
「え‪……‬‪……‬」

ボッ。顔が発火したかのように熱くなる。そしてそのまま硬直してしまった。僕から答えを得るのを諦めたらしい、ユーリはジャオを向く。すぐさま満足げに頷くジャオ。おい、お前に恥じらいはないのか‪……‬!?

「やっぱり! ひゃー! おめでとう!」
「ありがとう」
「じゃなくて! え、なんで、わかっ、たの‪……‬?」

思わず大声を張り上げてしまい、言葉途中でトーンダウンさせる。ユーリはいつになく得意げだ。腹立つな。

「見てたらわかるよ~。ベルなんか垢抜けたもん。そっち方向に‪」
「そっち方向って」
「なんか、艶やかというか‪……‬えっち? な感じ」
「まあ、そうだよなあ‪……‬」

ルシウスまで。えっち? 僕が!? ちゃんと女性用の下着までしているのに!? まさかジャオとシたという自信がそんな形でダダ漏れになってしまったとは‪……‬。反省。僕はもうちょっとユーリに隠し事できるようにならないとダメだ。どうしてこうもいつも見抜かれてしまうんだ。

「だから朝から皆に見られてるんだよ。ベルえっちだなあ~って」
「なに?」

すぐさまジャオが僕を胸の中に覆い隠す。う、ジャオの匂い‪……‬昨日の行為のこと、思い出してしまう‪……‬。

「どうしたらいいんだ僕は‪……‬」
「まあいいじゃん。それがベルの可愛いところというか」

ルシウスの言葉に深く頷くジャオ。頼むから一貫してくれ。
ああ、僕もジャオのように図太くいられたら、もっと楽に生きられただろうになあ‪……。






ジャオと手を繋いで通学路を帰る。それだけのことがものすごく幸せに感じてしまう。学校をサボったら味わえない瞬間だ。
僕もお年頃だし、いやらしいことはもちろんしたいけど‪……‬学生らしく、恋人と今しかない青春を楽しむのだって大事だと思う。初体験から日が経ってないから暴走してしまいがちだが、そこはうまくバランスを取っていかないとな。

「ジャオ? 今日は僕、用事があるから‪……‬」
「いやだ」

さらりと別れを告げようとするけど、案の定というべきか‪……‬また、門番の前で抱き締められてしまった。気まずい思いをさせてすまない門番よ。懸命に目を逸らしてくれている彼に心の中で平謝りしながら、僕らは一旦門から離れる。

「あのねジャオ」
「森へ行こう。早く愛し合いたい」
「う~~ん‪……‬」

さてどうしたものか。ジャオってたまに驚くぐらいの頑固さを発揮するからな‪……‬これは骨が折れそうだ。

「昨日いっぱいしただろう? それこそ一日中‪‬‪」
「足りない」
「じゃあ‬明日は? 明日にしよ?」
「待てない」

また、抱き締められてしまった。ジャオの体温はすでに行為中と変わらないくらいに上昇しきっている。

「ベル‪……‬俺とするのはいやか‪……‬?」
「そ、そんなわけ‪……‬‪」
「じゃあいいだろう?」

いつになく頑なだ。ああだけどここで僕が堕落してしまえば、僕らはどんどんダメな方向にいってしまう。どんどんどんどん、えっちなことしか考えられなくなって‪……‬国のこととか、将来のこととかおざなりになって、ろくな人間になれない、ような‪……‬。
ベルトを抜かれて、ジャオの指がもうパンツの中に入っている。グチグチ、グチグチと割れ目を刺激されて、ジャオの腕の中で小さく跳ねる。こんなの、怒らなきゃいけないのにっ‪……‬力が、抜ける‪……‬身体がみるみるうちに、えっちしたいモードになっちゃうぅ~ッ‪……‬‪……‬。

「ベル‪……‬少しだけ‪……‬少しだけにするから」
「少し、だけ‪……‬?」
「一回だけ‪……‬頼む‪」
「一回、だけ‪……‬」

一回だけなら‪……‬‪……‬いいよね‪……‬?
小さくこくりと頷くと、ジャオはパンツから手を抜いて、代わりに肩を抱き寄せてきた。僕らは寄り添い合って森へ向かう。
負けてしまった。僕ってほんとうに意志が弱い‪……‬。





「あ‪っ‬! ああ~~っ‪……‬!」

今日は上半身着衣のまま、木に手をついて立たされた状態で後ろから突かれている。こんなふうにも交われるなんて知らなかった。突いている間にジャオは僕の割れ目の前のほうをクリクリと弄ってきて、それが正直ものすごく、イイ。
がくがくと震えてともすれば倒れそうになる脚。それをあろうことか片方持ち上げられて、下から突き上げられている。なにこれ。こんな体勢、いやらしすぎる‪。こんなふうに開脚していたら、まるで僕が悦んで股を開いているみたいじゃないか‪……!‬?

「いやぁん、ジャオおっ‪‬」
「いい格好だな‪、ベル」
「言わないでえっ‪‪……‬!」

身体が燃える。指摘されて、改めて自分の取らされているポーズに悶絶した。もし今誰かがここに踏み入ってきたなら、一目ですべて見られてしまうのだ。僕の股間も、痴態も、接合部も‪……‬全部見られちゃいけないものなのに、こんなにもさらけ出して‪……‬アアッ‪……‬。
潮を吹く。脱力した身体をジャオが全部支えてくれた。
よかった、終わった‪……‬これで、城に帰れる‪……‬。

「ンッ‪……‬!?」

ジャオは僕を立たせて、後ろから密着した状態でまた‪、エッ……挿入っ、て……!?
ちっとも衰えていないジャオの逸物……‬いやむしろはじめよりビンビンで、う、お腹、いっぱいッ‪……‬挿入の衝撃で喉を反らして、また少しイってしまった。

「一回だけって、ジャオお」
「俺はまだイってない‪‪……‬すまないが付き合ってくれ‪……‬!」
「アッ! ンッ、ンッ、ンッ‪……‬!」

太腿の上に置かれたジャオの手が、グッと押さえ込むようにして直立不動のまま二人をより密着させる。そうやって僕を固定して、腰を小刻みに突き上げてくるのだ。
掴まる場所がなくて苦しい。倒れかかると、すかさずジャオが上半身をはがいじめにして支えつつ、突き上げを強くした。む、無理やりサレてるみたいで、アアッ‪……‬興奮する~……‬!?

「らめ、らめえっ‪……‬!」
「フッ、出る‪……‬ッ」
「あ、外、外にッ‪……‬」
「わかってる‪、ッ!」

尻に熱い飛沫の感触。僕はふうと息をつく。まだ、孕めるようになっているとは思わないけど……何の覚悟もないのに万が一デキちゃったら怖いから、ここだけは絶対死守だ。
ジャオに拭いてもらって、ようやく元通りに下を履くことができた。‪……‬しかしジャオが後ろから抱きついてきて離れない。

「ハア……離れたくない‬」
「こら、ジャオ‪……‬」
「ベル……俺と結婚してくれないか?」

――――ドクン

突然のプロポーズに、心臓が大きく波打つ。先ほどまで繋がっていた場所が熱く疼いて、勝手に気まずい想いになった。
勢いにも程がある。けど、嬉しい。ジャオ、ほんとうに僕とずっと一緒にいたいと思ってくれているんだ‪……‬。

「ベル‪……‬? ダメか‪……‬?」

すり、と首筋に擦り寄られる。近い吐息に胸が苦しくなる。頷いてしまいたい、だけど。

「‪……‬‪……‬すべて、憂いが消えれば」
「憂い?」
「この国のこと‪、どうするか決めないと。僕だけ幸せにはなれないよ」
「ああ‪……‬」

切なさの滲む声‪……‬強くなる腕の力に、胸が締め付けられる。自分勝手な理想に、縋っているだけかもしれない。だけどこれまでこの国の王子として生きてきた以上、やはり自分より民の幸せを優先したい。彼らの大多数が僕とジャオの仲を応援してくれているからこそ、彼らを置き去りにするわけにはいかないのだ。

「僕のわがままに付き合わせてしまってすまない‪……‬だけど」
「わかっている。ベルはそういう人だ。他人だろうと誰も捨て置けない、綺麗な魂を持ってる」
「ジャオ‪……‬」

ジャオならわかってくれるって信じてた。だからこそ、好きになったんだ。
振り向いてチュッと掠めるようなキスをする。僕なりの、精一杯の愛情表現だ。不意を突かれたジャオは顔を赤くして、捕まえていた僕を取り逃す。

「じゃあ城に帰るよ。また明日」
「ああ。‪……‬またプロポーズするから」
「ありがとう。嬉しかった」

心からの笑顔が出せた。ジャオはなんだかはにかみながら小さく手を振り返してくれる。
僕らは大丈夫だ。僕もようやくこうして、言葉にすることが出来る様になったから。
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