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夫婦、そして睦み合い

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屋敷の自室を引き払ったネイスはすぐに新居を探して無事、トッドと共に屋敷の近くに引っ越すことができた。
派手に行われたユアとルーズの結婚式の裏で、二人はひそやかに二人きりの誓いを交わし、誰にも悟られないままに新生活をスタートさせていた。


「おかえりなさい」
「ただいま。遅くなってすまない」
「ううん。お仕事お疲れ様です♡」
玄関先でキスを交わして、二人は寄り添いながらリビングに向かう。
フリルが可愛らしいエプロン姿のトッドは腰を抱かれただけでまだうぶに赤面する。そんな幼い彼が用意した食卓は期待以上の出来栄えで、ネイスはいつも顔を綻ばせるのだ。
「美味しそう」
「えへへ。調理場のコックさん達に習っていてよかったです。もっともっと上達するので楽しみにしていてくださいね♡」
「本当にいい奥さんだ♡」
頬にキスして感謝と愛を伝える。二人は今や相思相愛だ。
余計なことまで漏れないように、屋敷の者たちには関係を公表していないが、ネイスが真に自分を愛しているのだとわかる生活を送れるだけでトッドは十二分に満たされていた。
食事を終えると決まって二人で入浴する。シャワーを浴びながらネイスが後ろから抱きついてイチャイチャ、しかし一線はまだ越えない。
「こんなところで事に及んで大切なトッドが風邪を引いたら大変ですからね」
「ネイスさん‪……‬♡」
「ああでももう我慢できない。早くベッドに行きましょう」
全裸のまま抱き上げて、首筋をしゃぶりながら寝室へと急ぐ。
抱かれるばかりになった自分の状態にトッドはまた赤面して、その仕草ひとつでネイスを虜にする。
「どうしてそう可愛らしい顔ばかりするんです? 気が狂いそうだ」
「そんな‪……‬ネイスさんこそカッコいい‪……‬♡ こんな人と結婚したなんて、まだ、信じられない♡」
トッドを押し倒した状態で、二人は唇を重ねる。深く、深く、舌で探って‪……‬口内で何をされたのか、トッドの喉が引き攣れたのを合図にネイスがようやく解放する。
「いやというほど信じさせてあげますよ、マイスイート♡」
「あへぇ‪……‬ネイスさん、僕、キスだけで、もう」
「ダメですよ♡ 今夜も一晩中、ぜーんぶ、舐めてあげますからね♡」
鎖骨の上に落としたキスは、いつの間にか赤い蛇に変身して少年の無垢な身体を這い回っている。トッドの恥じらいを含む甘い喘ぎに、ネイスは満たされながらも飢えていく。

はやくこの可愛い生き物を貪り食ってしまいたい。全部全部全部。

その衝動を抑えながら、ぐるりぐるりと舌を回す。もしや唾液で絵を描かれているのではないか、なんて思いつくトッドだが、あいにくそれを口にする余裕はない。
「はあっ♡ あぁん♡ ‪……‬‪……‬だめぇ~~♡」
「美味しい‪……‬トッドはいろんな味がしますね♡」
そう、最近まで知らなかった。トッドはさまざまな「味」を持っている。
トッドを幼い頃から執事として躾けてきたのは他ならぬネイス自身だ。彼のことはすべて知り尽くしている、どこにでもいる平凡な、庶民の出から自分が拾ってやった従順なだけの子どもだと‪……‬思っていたのに‪……‬。
「ほんとうに、もっと早くに気付けばよかった」
「ふぇ?」
「あなたは愛らしくて、従順で‪……‬しかし時に蠱惑的で、妖艶だ‪……‬どれだけ暴いても物足りない‪……‬」
「ええ? そんな‪……買い被りすぎです」
「いいえ。あなたのような素敵な人と結婚できて、僕は幸せ者です」
「あぁあん‪……‬ネイスさん~♡」
言いながら乳首にかぶりついてくるネイス。漆黒の細い髪をよしよしと撫ぜながらトッドは甘い時間に溺れた。

ネイスの前戯は長い。下手をしたら何時間もトッドの裸体をしゃぶり倒している。時間をかけて後孔をローションや、時には舌でゆっくりと解し、ようやく繋がる瞬間を迎える。
何度行為を重ねてもトッドは生娘のように恥じらうし、蕾は硬く可憐なピンク色のままなのだ。それはネイスが特別なオイルで日々手入れをしているからという事由もあるが、それほどにトッドは、愛される才能を有しているということなのかもしれない。
ユアと行為する時は二人きりになった瞬間に挿入するほど性急だが、トッドとはむしろ前戯を楽しんでいる節がある。どうあっても、最愛の人の心が自分を真っ直ぐに向いているという事実がトッドには僥倖だ。

「ほら、股を開いて‪……‬たっぷり解してあげますから‪……‬」
「ダメですっ‪……‬ネイスさんやりすぎだからっ‪……‬おかしくなっちゃうぅ♡♡」
「やりすぎなんてことはないです。どれだけしてもし足りない‪……‬愛しています。幸せにしますから‪……‬」
「あ‪……‬♡」
二人は抱き合ってキスを交わす。毎夜永遠の誓いをしているようなものだ。
自分に自信のないトッドだが、こうして愛を囁くネイスの滾る瞳に毎晩射抜かれていれば、信じざるを得ない。
自分はようやく、この人を手に入れたのだと。

「ああ~‪……‬♡ あうう‪……‬♡ ネイスさん‪……‬ネイスさん~‪……‬♡」
「とろけちゃった‪♡ トッド♡ 私のトッド♡」
長時間指で弄られた蕾はくぱくぱと開閉して、慣れ親しんだ肉棒の侵入を今か今かと待ち侘びている。
それでもネイスはまず深いキスを重ねて、自分が仕上げたトッドのトロトロ顔を堪能して‪……‬それからようやく、向かい合って膝にその幼い肢体を抱っこするのだ。
「いっぱいしましょうね♡」
「あう‪……‬いっぱい‪……‬?♡」
「そう。いーっぱい♡」
ゆっくりと挿入する。時間をかけてすべてを収めると、抽送はせずにトッドの耳元を舐めたくる。わざとらしく声を混ぜた吐息を忍ばせて、トッドの心まで湿らせる。
「あああ‪……‬や~~♡♡♡」
「気持ちいい‪……‬?」
「あうう~~♡♡♡」
「もう喋れないの? 可愛い♡」
「ああ♡ ああう~~♡♡ あうあう~~♡♡」
「赤ちゃんみたい♡ トッド‪♡」
そう言いながらネイスはやっと腰を軽く揺さぶった。焦らされた分敏感になっているのか、トッドはぶるりと震え上がって脱力する。ネイスの肩にがくりと頭を預けて、ままならない呼吸を吐き散らす。
「イったの?♡」
「はい‪……‬もうらめ‪……‬もうおわるぅ~~♡♡」
「だーめ♡ 離しませんよ♡」
抜け出そうとしても圧倒的な力で締められて抜け出せない。
ああ。幸せすぎる。
トッドはふたたびぶるりと震えて、ネイスが突き上げやすいよう、わずかに腰を浮かす。ネイスはその腰を優しく抱きとめて固定し、緩慢に揺さぶり続ける。
「トッドのナカ♡ キュンキュンしてる♡ すごくエッチですね♡」
「あ♡ あ♡ あ♡ しゅごいぃい♡ どうしよぉ~♡♡」
「どうもしない♡ ここにいればいいだけです♡ 私の腕の中にずっと♡」
「じゅっと♡ いるぅ♡ アッアッ♡ これしゅごいぃいい♡」
「ハアハア♡ トッド♡ かわいいですよ!!♡♡ トッド~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡」
明け方まで二人は愛し合う。
強引に連れ込まれ、しかしたっぷりと時間をかけて愛される手管にトッドはすっかり夢中だった。




二人の少年はかけがえのない愛を平等に分け合った。
純粋な心で接して見返りを求めない。他者を尊重する。
そんな美しい少年達だからこそ、手に入れられた未来だ。
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