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匠と体を繋いだまま、不意にハルの動きが止まった。
匠はそのわずかな間にも、肩で呼吸を繰り返す。
そして苦しい呼吸のまま、薄っすらと目を開けた。
そこにはきつく唇を結び、まるで自身の中に湧き上がる何かを押さえ込むように、大きく息をするハルの姿があった。
ハルの冷たい視線がゆっくりと匠を見下ろし、下から見上げる匠と目が合った……。
「……どうしてだ? ……タクミ……」
狂気と怒りを内に閉じ込めた、氷のように静かなハルの声がした。
「答えろ……」
いきなりドンッ……! と両手を匠の顔の両側に付く。
「……ッンァッ……!」
繋がったままの場所がその動きで更に抉られ、匠は再び声を上げた。
「どうして……。
どうしてアイツは……。
浅葱は……いつも私の大切な者を奪っていくんだ……?
……タクミ……。
……どうして……いつもいつも……。
……どうして!!!
どれだけ私から奪えば気が済むというんだ……!!」
ピンと張り詰め、静かな湖面のようだったハルの気が、溢れ出すように激情に呑み込まれていく。
それはそのまま匠の体に向けられた。
「何故だ……! ……何故なんだ!! 答えろ!!」
ハルの荒々しく燃え上がった情炎は、今まで以上に激しく匠の体内を掻き乱した。
「ンッ……!! ぁァアアッッ!!!
……ァァツ……ぁああああっ!! やめ……っ……!!」
火のように熱く、狂気さえ纏うその行為に匠は思わず叫び声を上げた。
背中の傷は衝撃で更に深く傷付き、押さえつけられた体と、刺されたままの腕で必死に抵抗した。
だがハルの手は緩まなかった。
匠のモノを強く握ると、それも犯し始めていた。
「タクミだけは渡すものか……。
絶対に許さない……絶対に……!
戻ってこい……私の元へ……!」
「……ッンンッッ!!
……ンッ……ん!!
……ッァ……ンッッァアア……!!!!」
匠はハルの激しい責めの中で、無意識のうちに縋れる物を探し、自分の足を押さえつける秘書の男の腕を強く握り締めていた。
ナイフの刺さった左腕からポツポツと血が滴り落ちる。
自分の腕を必死に握り締めて来る匠のその熱いほどの体温に、男も目を逸らす事ができなくなっていた。
「ンッンッ……ぁあ!
……やっ……ンッっ!!……ぁっああ……ッ!……やめッ……!!!」
……浅葱さん……!
…………浅葱……さんっ……!!
匠はずっと頭の中で呼び続けていた。
だが薬に犯された匠の体は勝手に反応し続け、その口から出る声は悲鳴に近くなっていく。
「ほら……イけ……タクミ……!!
お前の心も体も……全て私のモノだ!
私の支配の中でイクんだ……戻って来い!!!」
「……ンンッッ!……ンンッァアアッ!!!!!」
次の瞬間、匠の体が大きく仰け反った。
ハルの手の中に温かいモノが吐出される……。
ハァ……ハァ……
ハァ……ハァ……
早くなった鼓動に合わせ、腕からはトクトクと血が溢れていく。
「……そうだ。それでいいんだ」
ハルはまだ逃れようとする匠の体を掴み、その後ろを再び突き上げ始めた。
そして、
「……ンッ……!」小さく呻くハルの声がして、ようやくその動きが止まった。
「目を開けろ! 見るんだ! タクミ!
お前の体の中にあるのはこの私だ!
この刻印がある限りお前は私の物だ!
……忘れるな!」
荒い息のまま、意識を朦朧とさせる匠の体内に自身の精を吐き出しながら、ハルは匠の顎を掴むと、その唇を覆った。
……ンっ……!!
匠はその言葉を拒否するように小さく顔を振るが、ハルは匠を解放しようとはせず、顎を掴んだまま深く舌を挿し入れる。
自らを落ち着かせるように匠の口内を犯しながら、ハルはチラリと男の方を見た。
男はまだ匠を押さえたまま、わずかに息を上げているように見える。
「どうした……? 興奮したのか……?」
ハルの見透かす視線に、男は思わず目を逸らした。
「フンッ……。エリートは嫌いなんだろう?
その嫌いな人種、自分の手で壊してみるか……?」
匠はそのわずかな間にも、肩で呼吸を繰り返す。
そして苦しい呼吸のまま、薄っすらと目を開けた。
そこにはきつく唇を結び、まるで自身の中に湧き上がる何かを押さえ込むように、大きく息をするハルの姿があった。
ハルの冷たい視線がゆっくりと匠を見下ろし、下から見上げる匠と目が合った……。
「……どうしてだ? ……タクミ……」
狂気と怒りを内に閉じ込めた、氷のように静かなハルの声がした。
「答えろ……」
いきなりドンッ……! と両手を匠の顔の両側に付く。
「……ッンァッ……!」
繋がったままの場所がその動きで更に抉られ、匠は再び声を上げた。
「どうして……。
どうしてアイツは……。
浅葱は……いつも私の大切な者を奪っていくんだ……?
……タクミ……。
……どうして……いつもいつも……。
……どうして!!!
どれだけ私から奪えば気が済むというんだ……!!」
ピンと張り詰め、静かな湖面のようだったハルの気が、溢れ出すように激情に呑み込まれていく。
それはそのまま匠の体に向けられた。
「何故だ……! ……何故なんだ!! 答えろ!!」
ハルの荒々しく燃え上がった情炎は、今まで以上に激しく匠の体内を掻き乱した。
「ンッ……!! ぁァアアッッ!!!
……ァァツ……ぁああああっ!! やめ……っ……!!」
火のように熱く、狂気さえ纏うその行為に匠は思わず叫び声を上げた。
背中の傷は衝撃で更に深く傷付き、押さえつけられた体と、刺されたままの腕で必死に抵抗した。
だがハルの手は緩まなかった。
匠のモノを強く握ると、それも犯し始めていた。
「タクミだけは渡すものか……。
絶対に許さない……絶対に……!
戻ってこい……私の元へ……!」
「……ッンンッッ!!
……ンッ……ん!!
……ッァ……ンッッァアア……!!!!」
匠はハルの激しい責めの中で、無意識のうちに縋れる物を探し、自分の足を押さえつける秘書の男の腕を強く握り締めていた。
ナイフの刺さった左腕からポツポツと血が滴り落ちる。
自分の腕を必死に握り締めて来る匠のその熱いほどの体温に、男も目を逸らす事ができなくなっていた。
「ンッンッ……ぁあ!
……やっ……ンッっ!!……ぁっああ……ッ!……やめッ……!!!」
……浅葱さん……!
…………浅葱……さんっ……!!
匠はずっと頭の中で呼び続けていた。
だが薬に犯された匠の体は勝手に反応し続け、その口から出る声は悲鳴に近くなっていく。
「ほら……イけ……タクミ……!!
お前の心も体も……全て私のモノだ!
私の支配の中でイクんだ……戻って来い!!!」
「……ンンッッ!……ンンッァアアッ!!!!!」
次の瞬間、匠の体が大きく仰け反った。
ハルの手の中に温かいモノが吐出される……。
ハァ……ハァ……
ハァ……ハァ……
早くなった鼓動に合わせ、腕からはトクトクと血が溢れていく。
「……そうだ。それでいいんだ」
ハルはまだ逃れようとする匠の体を掴み、その後ろを再び突き上げ始めた。
そして、
「……ンッ……!」小さく呻くハルの声がして、ようやくその動きが止まった。
「目を開けろ! 見るんだ! タクミ!
お前の体の中にあるのはこの私だ!
この刻印がある限りお前は私の物だ!
……忘れるな!」
荒い息のまま、意識を朦朧とさせる匠の体内に自身の精を吐き出しながら、ハルは匠の顎を掴むと、その唇を覆った。
……ンっ……!!
匠はその言葉を拒否するように小さく顔を振るが、ハルは匠を解放しようとはせず、顎を掴んだまま深く舌を挿し入れる。
自らを落ち着かせるように匠の口内を犯しながら、ハルはチラリと男の方を見た。
男はまだ匠を押さえたまま、わずかに息を上げているように見える。
「どうした……? 興奮したのか……?」
ハルの見透かす視線に、男は思わず目を逸らした。
「フンッ……。エリートは嫌いなんだろう?
その嫌いな人種、自分の手で壊してみるか……?」
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