刻印

文字の大きさ
上 下
20 / 232

-19※

しおりを挟む
 匠の中の過敏な神経を執拗に逆立たせてから、男の指はいきなり引き抜かれた。

「……ンぁッ…………!」
 その動きにさえ思わず声を上げてしまう。
 
 ハァ……ハァ……
 ハァ……ハァ……
 
 まだ呼吸が整わない匠を背後から抱いたまま、そこに何かが押し付けられる。
 それが何なのか、匠は一瞬で理解した。

「……!! ……やっ……やめ……ろっ……」
 満足に息をすることすら出来ず、言葉が出なかった。


 男は匠の腰を両手で鷲掴むと、今まで指が入っていた場所に自分のモノを圧し込んでくる。
 その痛みは今までの細い指とは比べ物にならなかった。
 狭い入り口が無理矢理に抉じ開けられる。

「んクっ! ……ぁあっ!! …………んっ!!!」

 その声に満足なのか、男の腕に更に力が入り、グッと腰を引き寄せた。

「んっっ!! ……ぁあああああ……!!」

 体の奥からの、張り裂けそうな痛みに匠は声をあげた。
 それはもう悲鳴に近い。

「いいぞ、タクミ。叫んで叫んで……浅葱に助けを求めろ……」
 
 男は容赦なく、自分のモノを匠の中にねじ込んでいく。

「ぁああああ!!!! やめろっっ! やめてくれっ……!
 ……んっ……あ……あっ……あっ……!!」

 男のモノを抜こうと少しでも体を動かすと、その度に呼吸は苦しくなる。
 匠は自分を縛る鎖を両手で強く握り締め、耐える事しかできなかった。
 四つん這いで下を向いている匠には、自分の胸の傷からポタポタと床に血が滴るのが見えている。
 そして、何故か意思に反して、大きく反応している自分のモノも……。

 ――男に犯されている――

「やめ……ろ…………。は……な……せ……」

 支配される悔しさに唇を噛んだ。
 噛み締めたその端から一筋の血が伝う。


 男は匠を振り向かせると、その血を舌で舐めとり、唇を塞いだ。

「……んくっ……ん……!」
 口を塞がれ更に呼吸は苦しくなる。

 そのまま男は腕を伸ばし、前に回した手で匠のモノに触れた。

「いい子にしていれば、すぐに気持ちよくなる……」
 耳の中で囁く声がした。

 いやだ……もう……やめろ……放せ……。

 それはすでに声にならなかった。
 振り向いた目で男を睨みつけた。
 それが今の匠にできるせめてもの抵抗だった。

 男はそんな匠を見てフッ……と笑う。
 腰の動きが早くなった。

「くっ……!!! ……んっ……! ……ん……!!」
「ほら、タクミ、もっとだ……」
「ぁ……ぁあああ……ぁ……! ぁ……んっ……んっっ!」

 匠の声を聞きながら男の動きが一段と激しくなる。
 同時に擦り上げる手の動きも早くなった。

「んっ……! んっ…………! ……ンッ……ぁ……ぁああ……!」
「タクミ……」

 声をあげ体を仰け反らせ、鎖にしがみつく自分がいた。
 感じたくはなかった……。
 だが、体は確実に反応し限界を迎えようようとしていた。

「ぁ……ぁ……ッ……ぁあああ……!
 …………んっんっんっ……クッ……っぁああああああ!!!」

 悲しい絶頂の声と同時に、匠は男の手の中に自身を吐き出した。
 それが掌から零れ、床の血と混ざっていくのを見つめながら、腰を掴んだままの男の動きも止まる。 

 ハァ……ハァ…………
 ハァ……ハァ……

 匠の激しい息遣いだけが室内に響く。
 押さえ込まれたままの腰……。
 匠は自分の中で男のモノがトクトクと脈打つのをハッキリと感じ、その体内に射出された物の全てを受け入れていた。
 
 体の中の男がヌルリと引き抜かれると、匠はもう一度小さく声をあげた。
 太腿に男の精が溢れ、流れ出た……。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

父のチンポが気になって仕方ない息子の夜這い!

ミクリ21
BL
父に夜這いする息子の話。

処理中です...