刻印

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 静かな室内に息使いだけが漏れていた。

「……んっ……ぁ……もう……無理……」
「……」
「お願い……もう……じらさないで……。……っ……んっ……」
「なんだもう無理なのか?」

 少し挑発するように見下ろす目は、どこか冷たい印象を与える。

「…………もう……イキたい……」
「もう終わりか? これしきで根を上げるとはな……。
 ……じゃあ、うつ伏せになれ」
 
 驚いたように見上げる目。

「……! ……いやだ……このままで……」
「ではダメだ。これで終わりだ」
 冷たく言い放ち繋がった体を外しかける。

「……んっ……抜かない……で……」

 このひとには敵わない。
 諦めたような悲しい表情になり、その男は細くしなやかな体をうつ伏せた。
 

 冷たかった目がその背中を見つめる。

「……まだ痛むのか……?」
 そう尋ねた声は、先程よりほんの少しだけ優しくなっていた。


「少し……」
「そうか……」
 そう言いながらそっと指で背中に触れた。

「……んっ……あまり……見ないで……。
 触ら……ないで……」
 それは辛そうな、悲しい声だった。


 うつ伏せたその背中には、痛々しい程の傷があった。
 戦闘で傷ついた物とは明らかに違う。
 銃創でも、ナイフでの創傷でもない傷。


 それは紛れも無く、灼き付けられた刻印……。
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