華燭の城

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 ラウの唇がシュリの首元に落とされる。

「んっ……」

 シュリはピクンと身を震わせ目を閉じた。
 自分を落ち着かせようと小さく息を吸い、ラウの頭を抱くようにして、その動きに身を委ねる。

 首筋から下りていくラウの唇は優しかった。
 シュリの身体を労わりながら、少し冷たい、それでいて繊細な唇が、ひとつひとつの傷を縫い留めるように動き、その後を舌が追う。

「……ぁっ……」

 途中で胸の小さな突起をついばまれ、シュリは思わず微かな声を上げた。
 身体中を甘い痺れが満たし、足指に力が入るとわずかに腰が浮く。
 ラウもその声を愛しむように、幾度も甘噛みを繰り返しながら、指はシュリの下腹部へ向っていた。

「んっ……ん……ラウ……」

 ゆっくりと下りてくるその手の感覚に身を固くし、シュリは羞恥で一杯になる。
 無意識に、自身を隠そうと膝を立てていた。

「シュリ、隠さないで……よく見せて……」
 静かな部屋に、ラウの良く通る澄んだ声が響くと、その手がシュリの膝に掛かる。

「……でもっ……ぁっっ……」

 制止する間もなく、脚は左右に割り開かれる。
 鼓動がトクンと早くなり、シュリはクッと唇を噛むと強く目を閉じた。

 そんなシュリをラウは優しく見つめながら、灯りの元に無防備に晒し出されたモノに直に触れる。
 そのまま、細く長い指が上下にゆっくりと動き出すと、シュリは大きく身体を仰け反らせた。

「ぁっ……っ……んっっ……!」
「可愛いですよ、シュリ……」

 ラウはそう微笑むと、鳩尾みぞおちから下腹へと舌を這わせ、それをゆっくり口へと運んだ。

「……やっ……んっぁっ……! 
 ……ラウ……!」

 ラウの温かく、柔らかい口内……。
 根元から先までを何度もゆっくりと唇で包まれ、先の穴に舌先を差し込むようにして責められると、体中が熱くなる。
 閉じてしまいそうになる膝は押さえられ、身動きもできないまま、シュリは小さく首を振りながら、左手でシーツを握り締めた。

「ここが感じるのですか……?」
 シュリの勃ち上がっていくモノの先端を唇でそっと吸い上げながら、ラウが微笑む。

「んっ……! ぁぁぁっ……ラウ……ラウ……」

 シュリは何度もその名を呼びながら、大きな肩を掴んでいた。

「きて……ラウ……お願い……。
 ……お前が欲しい……」

 その甘い懇願にラウは頷き、肩に置かれた手に導かれるまま体を移動させると、シュリの脚を……膝を抱えさせるようにして持ち上げさせた。
 そしてシュリの中からわずかに零れる湿りを纏わせながら、中指をあてがい、露わになった後ろへ落とし入れる。

「ンッ……っ……」
 シュリの体は小さな喘ぎと共に、その細い指をゆっくりと、静かに深く、呑み込んだ。
 ラウが、挿し入れた指をわずかに曲げ体内を掻くと、シュリの体は小さく震え、その白い体は花開く如く紅を点す。
 位置を変え、角度を変え……滑らかに、柔らかに……。

 開かれ始めたシュリの身体を抱きしめ、
「もう大丈夫な様ですね……」
 ラウが耳元で囁く。

「……ん……」
 まだ指が入れられたままの場所に、ラウのモノが触れると、微かな甘い声と一緒に、シュリも小さく頷いた。

「シュリ、挿れますよ」
「きて……」

 その声にラウは、自らをシュリの中に圧し込んでいく。

「んっっ……。……ぁっ……」

 ゆっくりと抽挿を繰り返しながら、自分の内部を押し広げ、体の奥へ奥へと入ってくるラウの感覚。
 それはわずかな痛みと共に、ハッキリとシュリの体内に刻み込まれていく。

「ぁぁっ……ラウ……ラウ…………」
 途切れ途切れの声がラウを求め、静かな部屋に広がった。

「シュリ、もっと力を抜いて……ゆっくり息をして……」
「んっぁ……っ……!」

 促され、必死に息をするシュリの吸気に合わせ、ラウは自身を最奥まで送り込む。

「……もっと……ゆっくり……して……。
 ヘンになりそう…………」

 互いの身体が密着するところまで深く挿入されると、シュリは左腕でラウにしがみつき、甘い喘ぎで訴えた。

「どれほど乱れても構いませんよ、シュリ……。
 私がついています。もっと感じて……」

 だが、シュリの願いをサラリとかわし、ラウの動きは早くなる。

「ぁっっ……!
 ラウ……だめっ……! ……ぁああっっ……!」

「でも、声は控えめに……。
 まだ廊下に人が居るかもしれません」

 そう言いながらも動きを激しくし、クスリと笑いながら冗談のように耳元で囁かれた声に、シュリは小さく身を捩った。

「……!!
 ……そ……そんな……っ……ぁあんっ……無理…………ッ……。
 んっ……! ンッァァッ……!」

「……んッ……シュリ……。
 目を開けて……私を見てください」

 ラウの瞳がシュリを見つめ、その声に肩で息をしながらシュリもまた、ラウを見つめ返す。
 狂気に満ちたこの城で、ようやく見つけた至福の時だった。
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