華燭の城

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 ゆっくりと露わになる白い肌、細い脚。
 その太腿には、まだ生々しい縫合の痕がくっきりと残り、全裸にされたシュリの体は貧血のためか、まだ蒼白く、それ故に透明さを増し、生身の人間とは思えないほど美しかった。

 ラウはそのまま自分の衣服も脱ぎ取ると、四つん這いのシュリの後ろへ体を寄せる。
 傷に障らぬよう、両手でシュリの脚を開かせ、後ろを割り広げ、そこに自分の唇で触れた。

「……っ……!」
 
 シュリの体がピクンと震え、思わず天を仰ぐように顔を上げる。
 その顔を……目の前に座り、自分達を見下ろしながら嗤っているガルシアと視線が合い、シュリは悔しさに唇を噛んだ。
 そんなまだ硬いシュリの後ろをゆっくりと指でなぞりながら、ラウはそっと舌を挿し入れる。

「……ン……っ……」

 柔らかな、いつもと同じラウの舌が自分の中に滑り込み、優しく解していく。
 だが今は、二人きりでもなければ、ここは自分の部屋でもない。
 痛みだけを放つ体と、どうしようもない怒りの感情、そして屈辱……。
 こんな状態で、いつもと同じ……と、いくはずもなかった。
 どんなにラウの舌が優しくいたわるように動いていても、それは痛みでしかない。

「……ンッ……クッ…………!」
 苦痛だけの声を漏らすシュリに、ラウの表情が曇る。

「シュリ……。目を閉じて……。
 何も考えず……私だけを感じて……」
 後ろからそっと傷だらけの背中を抱き締め、ラウが囁く。

 ガルシアが満足しなければ、いつまでもこの見世物は終わらないのだ。

「……ラ……ウ……」
 シュリもそれはわかっていた。
 目を閉じ、今、自分の後ろに挿し入れられ動いているラウの舌の感覚だけに神経を集中する。

 ……ラウ……。
 …………ラウ…………。
 心の中で、ただひたすらその名を呼び続ける。

「……いい子です……。
 そのままゆっくり息をして、力を抜いて……。
 大丈夫……」

 静かなラウの声だけが頭の中に幾度も響く。
 目を閉じ視界を塞いだ事で、体中の神経が、そのラウの行為のみに注がれていく。
 そこへ前触れなく、クッと強く圧し込まれた指先。

「……んぁっ……ラウ……っ……んっ……」
 
 不意のその動きに、思わず零れ出た甘い声。
 途端に頭の中が真っ白になった。

 熱い体が痛みの熱とは明らかに違う種の熱を放ち始め、それは波のうねりのように徐々に大きくなる。

「……っ……ぁぁ……! ラウ……。
 …………んっ……ぁっ…………」

 シュリの傷だらけの体が小さく震え、室内に、愛しい者の名を呼ぶ声と、湿った音が、静かに響き始めていた。

「ほう……さすがだな。あのシュリをその気にさせるとは。
 だが前置きはもういい、さっさと挿れろ」

 その様子をじっと見つめていたガルシアの低い声で、ラウはゆっくりと立ち上がり、シュリの後ろに自らをてがった。

「……っ……ぁっ……」
 その感覚にシュリの背中がのけ反るように伸び、ガルシアの目の前で、その口から小さな喘ぎが漏れる。
 
 そのままシュリの腰を押さえ、力を加えると、小さな声と共にシュリの体はそれを迎え入れ、ラウの先端を呑み込みながら、ゆっくり柔らかく開いていく。

「んっ……っっ……ぁあ……っん……!」

 肩で息をしながら、わずかに声を上げ、体を捩るシュリの動きに合わせ、ラウは自身を更に奥深くへと挿し入れる。

 シュリの体内は熱のせいか、ひどく熱い。
 絡みついてくるようなシュリの内側で、ラウの体にも汗が滲む。
 それでも止まる事無く、幾度も抽挿を繰り返す。
 
 そしてようやく自身の先が最奥まで突き当たると、今度はそれをゆっくりと引き抜いていく。

「……っ……んっ……」

 微かに聞こえるラウの息遣いと、自分の中を緩急をつけ擦り上げていく繊細な動き。
 シュリの体内もそれに応え、熱く芳醇に潤っていく。

 だが、次に最奥まで挿入された時は、今までより激しいものだった。
 
「ぁああ……ラウ……っ……!」

 強く腰を掴まれ、深く突き上げられる。
 
「んぁっ……!!」

 痛みを凌駕したシュリが思わず声を上げたその時、シュリの頭がグイとガルシアの手で掴み上げられた。
 
 熱い喘ぎを漏らしていたシュリの口に、ガルシアの猛るモノがいきなり深く突き込まれていた。
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