華燭の城

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 痛みで収縮しきった身体を内部から裂かれ、その傷を、ガルシアのモノが激しく掻き貫いていく。

「やはり……んっ……お前の身体は素晴らしい……。
 痛みを与えれば与える程、強く締めつけ……絡み付いてくる……んっ、んっ……。  
 ……もっとだ…………シュリっ……」

 苦痛に身を捩るシュリの体を、武骨な手で撫で回しながら、ガルシアの動きが激しくなる。
 
 片脚を抱え上げられたままの不安定な体勢で、自身の体重と、ガルシアの起こす振動とを全てこうむる手は、吊るされたまま、すでに腫れ上がり、何の感覚も無い。
 あるのは “破壊” と表現するに相応しい千切れる程の激痛だけだった。

「ン”ッッーーーー……!!」

 歯を食いしばり、顔を振り、嫌がり呻くシュリをもてあそびながら、ガルシアは満悦の表情で抽挿を繰り返す。
 釜の薪が爆ぜる音と、シュリの呻き声、ガルシアの息遣いと湿った音が恥気騒乱となり、狭い室内に充満する。


「陛下、そろそろこちらも……準備が整ったようですぞ」
 その石牢に小男の嬉しそうな声も響いた。

 ガルシアは男の声を聞くと、
「さあシュリ、準備ができたようだ。一旦、遊びは終わりだ」 

 自らが砕いたシュリの右手に自分の両手を重ね、上から圧砕するように思い切り握り潰した。

「ッン”ァァッッッーーー!」

「……ぁぁ……。 
 ……そうだ、いいぞ……シュリ……その調子だ……。
 もっと叫べ……! もっと痛み苦しんで、ワシを愉しまいかせろ……」
 
 痛みに敏感に反応するシュリの体内に、ガルシアはニヤリと嗤う。
 自分を犯すモノから逃れようと暴れるシュリの中で、無理矢理に突き挿れたモノの動きが早さを増した。


「ぁぁぁ……でる……」
 短い歓喜の声と同時に、ガルシアが最奥まで突き上げ、シュリの身体がビクンと硬直した。
 
 そのままドクドクと大量の精を吐き出した後、体内で脈動していたガルシアのモノがヌルリと引き出される。
 その時には、シュリはもう自身の脚で立つ力も無く、吊られた腕だけで体を支え、頭を垂れたまま息をするだけで精一杯だった。

 感覚の無くなっていたはずの右手にも、再び激しい痛みが戻ってくる。
 肩が上下するだけで叫びそうな痛み。
 それに呼応し、身体中の傷が覚醒したかのように痛む。

 ハァ……ハァ……
 ……ハァ……ハァ……

 震える呼吸に合わせ、ユルユルと生温かいガルシアの体液が内腿を伝い、溢れ出ていく。
 その感覚に顔を顰めたシュリの顎を、ガルシアの手がグイと掴み上向かせた。

「今一度問う。
 これ程の屈辱と痛みを受けながらも、まだ神を信じるか?
 この世に神はいると思うか?
 まだ神国に戻りたいと思うか?」

 先の尋問の続きだった。

「……信じ……る……神は……いる……。
 …………神国は…………」

「そうか……」
 答え続けるシュリの言葉を、ガルシアがうんざりした表情で遮った。

「ならば……。もう二度と神を信仰するなど赦されない体にしてやろう。
 そうすれば、お前も諦めがつくだろう?
 これで誰に助けを求めようが、もう神国へ戻る事はできん」

「赦され……ない……。
 …………戻れ……ないと……は……」

 シュリがガルシアの言葉に、薄く目を開けた時だった。
 言葉を続けようとしたシュリの体に、痛みともつかない激しい衝撃が走った。

 それは、あの小男の鉄針だった。

 蝋燭ではなく、窯で直に真っ赤に焼かれた鋭い鉄の針……。
 いや、それは針というには太く、鋭利な鉄の灼きごて

 その尖った巨大なこてが、シュリの、まだ塞がり切らない胸の傷の上に、ジュ……という小さな音と共に押しつけられていた。

「……ッッンァッグッ!! ……ッッ!!」

 叫ぶシュリにガルシアはニヤリと笑うと、空いている左手を男に差し出した。

「あの劇薬とやらを出せ」

「えっ……あの、しかし、陛下……。この針に薬を入れる細工は……」

「構わん」

「まさか……これを、直にかけるおつもりで……。
 そのような使い方は、まだ一度も……」

 戸惑う男の声に、
「グダグダ言うな。早くしろ」
 ガルシアの低い声が威圧する。

「は、はいっ……」

 男は差し出されたガルシアの手に革の手袋をはめ、その掌に、蓋を開けた小瓶を乗せた。

「……お……お気をつけて……」

 ガルシアは男の言葉に不敵に笑むと、その瓶の透明な液体を、今まさにシュリの胸を灼いている鉄針に沿わせ、ツ――と傷の中に直に流し込んだ。

「ンングうっ……んんっ! ッッァァああ゛ぁあああッッッーーっ!!」
 
 シュリの絶叫が響き渡った。
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