華燭の城

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「こっちへ来い!」
 ガルシアは怒鳴ると、シュリの砕いた右手をグイと鷲掴んだ。

「……ンっ!! ッぁァァアッ!」
 朦朧とする意識さえ凌駕する痛みに叫ぶ。

 だがガルシアは、そんなシュリに構う事無く、滑車の下までズルズルと引き摺って行くと、自白剤でまだ力が入らず、痛みと共に倒れ込んだシュリの衣服を乱暴に引き剥がし始めた。

「おい! ラウムにも手枷を付けておけ!」
 ガルシアが小男に向かって叫ぶ。

「はいはい、喜んで。
 この男とも一度遊んでみたいものですな……」
 ブツブツと呟きながら、小男は扉の前で倒れているラウを引き起こした。

「痛ッ……」
 ラウもまだ脚を押さえながら、小男にさえ抵抗できずにいる。

 そんなラウの左手首に鉄のかせをはめると小男は、
「で、これはどう致しましょう?」
 その手を持ち上げて、ガルシアに見せると首を傾げた。

「そこの台にでも繋いでおけ、騒がれては面倒だ」

「ほう……! では陛下、本当にあれをやるので?
 それは楽しみですなぁー!
 ……では、お前には静かにしてもらわないとな」

 男はニヤニヤと笑うと、ラウの手枷に鎖を付け、台の脚に、身動きできないように念入りに巻き付ける。
 そして、その台上に置かれていた自分の鞄から、あの革の包みを取り出し開くと、中から長い鉄製の棒を何本か抜き出した。

 それは以前、シュリの体を刺した針と同様、先は鋭く尖っていたが、それよりも遥かに長く、太く、手持ちの部分には、しっかりと革布が幾重にも巻かれている。
 それを数本まとめて抱えると、小男は窯に歩み寄り、その中に……燃える炎の中に全てを突き入れた。

「これであとは、しばらく待つだけ……と……」

 小男が嬉しそうに呟きながら振り返ると、シュリは無残に衣服を剥ぎ取られ、全裸で天井からの鎖で吊り下げられたところだった。
 痛々しく巻かれた包帯が、薄暗い部屋で妙に白く艶めかしい。

「お前の準備ができるまで、少し遊ぶとしよう。
 あの小僧のせいで、何日も抱いていないからな……」

 そんなシュリの姿にガルシアも欲情したのか、いきなりかたわらの鞭を握り、その白い包帯目掛けて振り下ろした。

「……ンッァアっッ!」
 ガシャンと揺れる鎖の音と同時に、巻かれた包帯がちぎれ落ちる。

「ンッ……! ……ンッッ……!!
 …………!!」

 何度も振り下ろされる鞭に、シュリの身体は人形のように跳ね、その度に皮膚は裂け、新たな傷が血を流す。
 以前の傷も再び激しい痛みを放ち始めていた。
 
 それでもシュリは、自分を吊るす鎖を握り締め、痛みに耐え続ける。
 だが、骨が砕かれた右手だけは物を握る事はおろか、指を曲げる事さえできなかった。

 小男は、包帯が解け、自分のつけた傷が見え始めると、興奮を抑えきれぬように身を乗り出した。

「おお、やはりまだ傷は塞がっておりませんな。
 針に入れた薬の効果が出たようで……。 
 うんうん……これは上々の仕上がり。
 まだまだ使い道はありそうです」
 ひとり嬉しそうに頷く。

 ガルシアは、そんな男の目の前で、見せつけるようにシュリの片足を抱え上げた。

「どうだ、久しぶりに見るシュリの身体は」

 開かされ、隅々まで露わにされたシュリの身体を、舐めるようにねっとりと見つめる小男の目が一層妖しく輝いた。

「ええ、ええ。
 いつ見ても痛々しく、本当に美しい……」

 そんな男をあざわらうように、ガルシアは自分の衣服を緩め、いきり勃つモノを取り出した。

「さあ、愉しませてもらうぞ」

 抱え上げたシュリの後ろを更に指で押し開き、そこへ自身をあてがうと、何の準備もなく一気に捻じ込んだ。

「ンッァ……! ……グッッッ……!」

 ガルシアのモノが無理矢理にシュリの後ろをこじ開ける。
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