華燭の城

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 その夜、シュリはあの部屋でガルシアの腕の中にいた。
 
 腕の中と言っても、優しく抱かれているわけではない。
 冷たい床に全裸で仰向けに引き倒されたシュリは、その肢体を開かされ、両腕を押さえ付けられたまま、自身の後ろにガルシアの激しい責めを受けていた。

「……ンっ! 
 ……っっ……んっァ!! ……!!」 

 すでに深々と挿入され、強引に体内から突き上げられる痛みにただ呻く事しかできない。
 石造りの薄暗い部屋に、薪の爆ぜる音とシュリの呻きが響き、苦しさに喘ぐ声と、燃え上がる暖炉の火に照らされた白い身体が艶めかしく揺れ動く。
 ここに来る前、ラウが巻き直してくれた包帯は、また血に染まろうとしていた。


「お前は……んっっ……! 本当に役者よな…………。
 皆、お前の秀逸ぶりに驚き、その容姿の美しさに、さすが神の子よと感嘆する……。
 ……んっ……っ……っ……!
 だがそのお前が……ワシの下で……このように淫靡いんびな声を上げているなど、誰も思いはしないだろう……。
 ぁぁあ……いいぞ……シュリ……。
 ……もっとだ……。……もっとワシを咥え込め…………」

 ガルシアが腹を打ち付けながら、その快感に声をあげる。

「……ンっ! ……ぁああっ……! …………ッ……ンっ……!!
 ……ンんぁっ……!」

 首を振り、痛みに耐える満身創痍のシュリの体を、ガルシアは物のように弄んだ。
 傷だらけの胸の先端を指で握り潰し、右手はシュリ自身を握り込む。
 そうしておいて片脚を自らの肩に抱え上げ、角度を変え、更に奥深く反り起つモノを圧し込んだ。

「ンッ……ぁあああっ……!!」

 シュリの声はガルシアを悦ばせる。
 激しい息遣いと共に、耳元で聞こえるその苦し気な声に、抽挿は益々激しく乱暴になる。

「そうだ……ぁぁ……いいぞっ……」
 
 自身の絶頂が近くなると、シュリの傷だらけの体を容赦なく鷲掴み、指で引裂き、喉元に歯を立て噛み付いた。
 そして、その猛る精をたっぷりとシュリの中に注ぎ込み、余韻を味わった後、それはようやくヌプリと引き抜かれた。

 ガルシアは一度だけ深く息を吐き、ドッカと真紅のソファーに身を沈めると、仰向けのまま、痛む胸の傷を手で押さえ、まだハァハァと肩で荒い息をするシュリの顔をグイと引き寄せた。

「ンっッ…………」

 再び小さく呻くシュリをそのまま四つん這いにさせ、自分の大きく開いた脚の方へと向けさせる。
 目の前に、一度では萎えきらないガルシアの猛ったモノがあった。

「お前の体は段々とその形を変え、ワシのモノに馴染んでいく。 
 まさにワシの為にあるような器だ。
 あとはこっちだ。この口でも愉しませてもわらんとな。
 あれはもう仕込んだのだろうな? ラウム」

 そう言うと、シュリの顎を掴んだまま、部屋の入口に立つラウへ湿った視線を向ける。

「陛下……それは……。
 ……まだ無理かと……」

 二人の行為を黙って見ていたラウが、苦しそうに喘ぐシュリをかばうように答えた。

「無理だと? 
 お前達を見ればわかる。隠しおおせると思うなよ?
 お前……もうシュリを跪かせたのだろう?」

「申し訳ありません……。今夜はお許しください」

 質問に対して、それは的確な答えではなかった。
 上機嫌だったガルシアの顔が一気に曇った。
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