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第一章 謎の組織、異世界へ行く
悪事20 謎の組織、聖王国の勇者と名乗る少女と出会う
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メアからの事前情報通り、『統領』は本戦出場になったことをウエストバーンから通達されたのだが、予選で失態を演じたことでやる気が激減していた。
しかし、メアが応援に来ると聞いた以上は、彼女のために無様に不戦敗するにもいかないというジレンマに陥っていた。
(『参謀』からも賞品を入手するように言われてしまったし、なるべくならそこまで勝ち進みたいとは思う。でも、やる気がなぁ……)
そんなやる気なし状態でやったとしても勝ってしまうのが相手に悪いのだが、完全に実力が物を言う武術大会ではしょうがない事。1回戦、2回戦と順調に手加減しながら勝ち進み、次は3回戦というところまで到達した。
「こんにちは」
控室でぼーっとしていた『統領』に声をかけてくる人物がいた。
「どうも」
初めて見る顔だったので適当に返事をしたのだが、見ればやけに軽装な少女だった。
本戦の3回戦ともなると参加者も少なくなってきているはずで、今も控室に残っているということは、見た目以上の実力者なのだろう。
「次の3回戦でボスさんと当たる、エリカと申します。こんな形ですが、ラスティ聖王国の勇者を拝命しています。よろしくお願いしますね」
「『統領』という、よろしくな。それにしても……勇者?」
「ラスティ聖王国における役職の名称です。この国で言えば、将軍職のようなものです」
「ほう、その若さで大したものだ」
見た目は華奢な少女、メアとほとんど変わらないので16歳くらいだろうか。
装備もドレスアーマーと言われる見た目を重視したヒラヒラ布を多用したもので、金属製の鎧と比べれば防御力の差は歴然だろう。
(ラスティ聖王国というと……かなり遠方の国だな。ふむ、多少変な組成が混ざっているが、ほとんどただの布だ。武器は小剣か? こっちは素材が識別不能でわからん)
「予選と本戦の様子は見させてもらいましたが、とてもお強いですね。どうやったら生身であんな動きができるのか、とても興味深く拝見しておりました」
「いや、私なんてまだまだですよ。エリカさんこそ、3回戦まで残ってるのなら相当の実力者なのでは? お互いケガをしない程度に頑張りましょう」
「私は他の方々と違って、少しだけズルをしていますから。褒められたようなものじゃありませんよ。ボスさんはニブルタール王国の出身なのですか?」
(ほう? 強さには何か秘密があるということか。見た目に騙されてはいかんな)
「いえ、私は違いますね。ニブルタール西岸から海を渡ったところにある島の出身で、1か月程前からウエストバーン辺境伯と懇意にさせてもらっているだけです」
「まぁ、それでは、あの可憐なフィアンセは? 先ほどの試合も貴族観覧席で応援されてましたよね? 容姿が目立つので周りからも注目されてましたよ?」
「メア様は、その……ウエストバーン様のご息女ですね。いつの間にか、そのような話になってしまいまして、断り切れず……あんなに若い女性の可能性を閉ざしてしまうわけにはいかないので、何とか穏便に断れないものかと悩んでいるところですよ」
こんなセリフをメアが聞いたら激怒しそうだが『統領』としてはこれが本音なのである。
「そうなのですか? あの子はそれを自ら望んでいると思うのですけど……根拠は女の勘ですが」
(そんなわけないだろ、まだ出会って1か月の男と婚約だぞ? しかも、親の命令でだ。それに俺はこの国の人間ですらない。どこにメア自身が望むような理由がある?)
「これより本戦3回戦を開始いたします。出場選手の方々はご準備願いします」
「おや、時間切れですね。それでは舞台で会いましょう」
そう言い残してエリカは去って行ったのだが、『統領』には彼女が何をしたかったのかがよくわからなかった。
一方、観覧席では今までの試合の考察が為されていた。
「想像以上の実力だな……正直、あそこまでとは思わなかった」
「お父様、この程度がボス様の真の実力だとお思いでしたら、見くびらないでください。ボス様は今まで1度も本気になられてません。それ以前に準備運動といった感覚で勝ち進まれていますから、このままいけば優勝も時間の問題です」
「お前に、なぜそれがわかるのかが不思議なのだが……」
「愛の力です」
娘が急によくわからないことを言い出したので、どうやってリアクションしたらいいのかわからなくなったウエストバーンだったが、
「メア! 久しぶりね! ウエストバーン卿、お邪魔するわ」
「王女様、ご無沙汰をしています。どうぞこちらへ」
2人の会話に割り込んできた人物によって話題は強制的に移り変わる。
「メア……そんな他人行儀はひどいわ。私たちは友達じゃない。それともメアはそう思っていなかったってこと? それは悲しいわ」
「王女様、ここは公式の場です。確かに私たちは友人関係ですが、ここでそれを出すわけにはいきません。周りには他国の方々の目があるのですから。王女様もきちんと為さいませ」
「ちぇ、わかってますって。あーあ、つまらないなー」
棒読みな上に、あまりにも雑な王女様の態度に苦笑するしかないメアとウエストバーン。
彼女が、ニブルタール王国の第一王女、ノルンである。
こんな雑な態度だが若くして王国政務のトップを任せられている逸材で、ありとあらゆることを完璧に熟す才女でもある。そして、彼女が素の自分を見せるのは、親友のメアの前だけである。
「来る途中にちょっとだけ見たけど、黒くて変わった服の人がメアのフィアンセ? でも、顔を隠しているのはなぜかしら?」
「ボス様のことですか? 確かに、この国では珍しい服かもしれませんが、そもそも他国の方ですからドレスコードが異なっても不思議じゃありませんよ。お顔を隠されているのはやむに負えない理由がありますので、出来れば詮索しないでほしいです」
この時、ウエストバーンは不思議に思った。彼も『統領』の素顔を知らないからだ。
島の仲間も同じだと聞いたので、てっきり『統領』の国の習慣だと思い込んでいた。
『ボス様は、なぜお顔を隠されているのですか?』
『信頼を寄せてくれているメア様にまで隠し続けるのは不義理だとは思っています。しかし、出来れば素顔を見せることをご容赦頂きたい。これは私たちの約束であり、そして誓いなのです』
『誓い、ですか?』
『ええ、私と仲間たちが話し合って、初めに決めたことなんです。私たちは、理由はそれぞれが違いますが問題を抱えています。だからこそ、本人の許可がない限りは素顔を見ない。お互いの過去を詮索しないということを決めたんです』
『そこまでしなければいけなかった理由はとても心配ですけど……ここはボス様のお考えを尊重して、私もそこに触れるのは止めます』
『……申し訳ない』
『でも、いつか……いつか、私のことを本当に信用してくださる日が訪れたら、お顔を見せてくださいね? それまでは、ボス様の素顔を想像して楽しむことにしますから。ふふふ』
メアは『統領』とのやり取りを思い出し、詳しい理由は伏せた上で、ノルンの問いに回答した。最後の言葉を投げた瞬間の『統領』の唖然とした雰囲気が今でも忘れられない。
「ふーん、まぁ他国の偉い人の中には暗殺を恐れて公式の場に顔を出さない人もいるくらいだから、わからなくはないわね。あの人に限っては、例え暗殺しようとしても失敗するのがオチだろうけど」
「いくら王女様でも、ボス殿に手を出すのは個人的にもおすすめしませんな。彼は私よりも確実に強い。それに例の件もありますので、下手をすれば国が滅びますぞ?」
「そんな事しないわよ。メアのフィアンセなのよ? 直接、話はしてみたいけど、メアが捨てられない限りは敵対する気はないわ」
「それならば何も問題ありませんな。彼は義理堅い。一度、庇護すると決めた者に対しては非常に寛大です。例え王国が滅んだとしても、娘のメアだけは守ってくれることでしょう」
「ちょっと……例えだとしても、嫌なこと言わないでくれる? 聞いてたのが私だったからよかったものの、下手をしたら反逆罪ものよ? あなたはニブルタールの辺境伯なんだから」
「ははは、申し訳ありません」
メアは思う。
ニブルタール最強だった父親のウエストバーンよりも『統領』は強いと確信している。そして、ニッグというとてつもない相棒もいるのだから、それは国にも匹敵するはずだと。
しかし、同時に、ヒビの入ったグラスのような危うさも持っている気がしてならなかった。許容を超えた衝撃で、あっという間に砕け散ってしまいそうな、そんな脆さを。
幼い子供でもなく、老獪な大人でもない。
完全に見えて、とても不完全。
それでも頼り甲斐はあるし、人間として尊敬している。しかし、そんな歪な人間だからこそ、メアはとても惹かれてしまうのかもしれない。
『統領』のことを、もっと、もっともっと知りたい。
ああ、これが、子供の頃から憧れていた物語で書かれていた、恋なんだと気づいた。
しかし、メアが応援に来ると聞いた以上は、彼女のために無様に不戦敗するにもいかないというジレンマに陥っていた。
(『参謀』からも賞品を入手するように言われてしまったし、なるべくならそこまで勝ち進みたいとは思う。でも、やる気がなぁ……)
そんなやる気なし状態でやったとしても勝ってしまうのが相手に悪いのだが、完全に実力が物を言う武術大会ではしょうがない事。1回戦、2回戦と順調に手加減しながら勝ち進み、次は3回戦というところまで到達した。
「こんにちは」
控室でぼーっとしていた『統領』に声をかけてくる人物がいた。
「どうも」
初めて見る顔だったので適当に返事をしたのだが、見ればやけに軽装な少女だった。
本戦の3回戦ともなると参加者も少なくなってきているはずで、今も控室に残っているということは、見た目以上の実力者なのだろう。
「次の3回戦でボスさんと当たる、エリカと申します。こんな形ですが、ラスティ聖王国の勇者を拝命しています。よろしくお願いしますね」
「『統領』という、よろしくな。それにしても……勇者?」
「ラスティ聖王国における役職の名称です。この国で言えば、将軍職のようなものです」
「ほう、その若さで大したものだ」
見た目は華奢な少女、メアとほとんど変わらないので16歳くらいだろうか。
装備もドレスアーマーと言われる見た目を重視したヒラヒラ布を多用したもので、金属製の鎧と比べれば防御力の差は歴然だろう。
(ラスティ聖王国というと……かなり遠方の国だな。ふむ、多少変な組成が混ざっているが、ほとんどただの布だ。武器は小剣か? こっちは素材が識別不能でわからん)
「予選と本戦の様子は見させてもらいましたが、とてもお強いですね。どうやったら生身であんな動きができるのか、とても興味深く拝見しておりました」
「いや、私なんてまだまだですよ。エリカさんこそ、3回戦まで残ってるのなら相当の実力者なのでは? お互いケガをしない程度に頑張りましょう」
「私は他の方々と違って、少しだけズルをしていますから。褒められたようなものじゃありませんよ。ボスさんはニブルタール王国の出身なのですか?」
(ほう? 強さには何か秘密があるということか。見た目に騙されてはいかんな)
「いえ、私は違いますね。ニブルタール西岸から海を渡ったところにある島の出身で、1か月程前からウエストバーン辺境伯と懇意にさせてもらっているだけです」
「まぁ、それでは、あの可憐なフィアンセは? 先ほどの試合も貴族観覧席で応援されてましたよね? 容姿が目立つので周りからも注目されてましたよ?」
「メア様は、その……ウエストバーン様のご息女ですね。いつの間にか、そのような話になってしまいまして、断り切れず……あんなに若い女性の可能性を閉ざしてしまうわけにはいかないので、何とか穏便に断れないものかと悩んでいるところですよ」
こんなセリフをメアが聞いたら激怒しそうだが『統領』としてはこれが本音なのである。
「そうなのですか? あの子はそれを自ら望んでいると思うのですけど……根拠は女の勘ですが」
(そんなわけないだろ、まだ出会って1か月の男と婚約だぞ? しかも、親の命令でだ。それに俺はこの国の人間ですらない。どこにメア自身が望むような理由がある?)
「これより本戦3回戦を開始いたします。出場選手の方々はご準備願いします」
「おや、時間切れですね。それでは舞台で会いましょう」
そう言い残してエリカは去って行ったのだが、『統領』には彼女が何をしたかったのかがよくわからなかった。
一方、観覧席では今までの試合の考察が為されていた。
「想像以上の実力だな……正直、あそこまでとは思わなかった」
「お父様、この程度がボス様の真の実力だとお思いでしたら、見くびらないでください。ボス様は今まで1度も本気になられてません。それ以前に準備運動といった感覚で勝ち進まれていますから、このままいけば優勝も時間の問題です」
「お前に、なぜそれがわかるのかが不思議なのだが……」
「愛の力です」
娘が急によくわからないことを言い出したので、どうやってリアクションしたらいいのかわからなくなったウエストバーンだったが、
「メア! 久しぶりね! ウエストバーン卿、お邪魔するわ」
「王女様、ご無沙汰をしています。どうぞこちらへ」
2人の会話に割り込んできた人物によって話題は強制的に移り変わる。
「メア……そんな他人行儀はひどいわ。私たちは友達じゃない。それともメアはそう思っていなかったってこと? それは悲しいわ」
「王女様、ここは公式の場です。確かに私たちは友人関係ですが、ここでそれを出すわけにはいきません。周りには他国の方々の目があるのですから。王女様もきちんと為さいませ」
「ちぇ、わかってますって。あーあ、つまらないなー」
棒読みな上に、あまりにも雑な王女様の態度に苦笑するしかないメアとウエストバーン。
彼女が、ニブルタール王国の第一王女、ノルンである。
こんな雑な態度だが若くして王国政務のトップを任せられている逸材で、ありとあらゆることを完璧に熟す才女でもある。そして、彼女が素の自分を見せるのは、親友のメアの前だけである。
「来る途中にちょっとだけ見たけど、黒くて変わった服の人がメアのフィアンセ? でも、顔を隠しているのはなぜかしら?」
「ボス様のことですか? 確かに、この国では珍しい服かもしれませんが、そもそも他国の方ですからドレスコードが異なっても不思議じゃありませんよ。お顔を隠されているのはやむに負えない理由がありますので、出来れば詮索しないでほしいです」
この時、ウエストバーンは不思議に思った。彼も『統領』の素顔を知らないからだ。
島の仲間も同じだと聞いたので、てっきり『統領』の国の習慣だと思い込んでいた。
『ボス様は、なぜお顔を隠されているのですか?』
『信頼を寄せてくれているメア様にまで隠し続けるのは不義理だとは思っています。しかし、出来れば素顔を見せることをご容赦頂きたい。これは私たちの約束であり、そして誓いなのです』
『誓い、ですか?』
『ええ、私と仲間たちが話し合って、初めに決めたことなんです。私たちは、理由はそれぞれが違いますが問題を抱えています。だからこそ、本人の許可がない限りは素顔を見ない。お互いの過去を詮索しないということを決めたんです』
『そこまでしなければいけなかった理由はとても心配ですけど……ここはボス様のお考えを尊重して、私もそこに触れるのは止めます』
『……申し訳ない』
『でも、いつか……いつか、私のことを本当に信用してくださる日が訪れたら、お顔を見せてくださいね? それまでは、ボス様の素顔を想像して楽しむことにしますから。ふふふ』
メアは『統領』とのやり取りを思い出し、詳しい理由は伏せた上で、ノルンの問いに回答した。最後の言葉を投げた瞬間の『統領』の唖然とした雰囲気が今でも忘れられない。
「ふーん、まぁ他国の偉い人の中には暗殺を恐れて公式の場に顔を出さない人もいるくらいだから、わからなくはないわね。あの人に限っては、例え暗殺しようとしても失敗するのがオチだろうけど」
「いくら王女様でも、ボス殿に手を出すのは個人的にもおすすめしませんな。彼は私よりも確実に強い。それに例の件もありますので、下手をすれば国が滅びますぞ?」
「そんな事しないわよ。メアのフィアンセなのよ? 直接、話はしてみたいけど、メアが捨てられない限りは敵対する気はないわ」
「それならば何も問題ありませんな。彼は義理堅い。一度、庇護すると決めた者に対しては非常に寛大です。例え王国が滅んだとしても、娘のメアだけは守ってくれることでしょう」
「ちょっと……例えだとしても、嫌なこと言わないでくれる? 聞いてたのが私だったからよかったものの、下手をしたら反逆罪ものよ? あなたはニブルタールの辺境伯なんだから」
「ははは、申し訳ありません」
メアは思う。
ニブルタール最強だった父親のウエストバーンよりも『統領』は強いと確信している。そして、ニッグというとてつもない相棒もいるのだから、それは国にも匹敵するはずだと。
しかし、同時に、ヒビの入ったグラスのような危うさも持っている気がしてならなかった。許容を超えた衝撃で、あっという間に砕け散ってしまいそうな、そんな脆さを。
幼い子供でもなく、老獪な大人でもない。
完全に見えて、とても不完全。
それでも頼り甲斐はあるし、人間として尊敬している。しかし、そんな歪な人間だからこそ、メアはとても惹かれてしまうのかもしれない。
『統領』のことを、もっと、もっともっと知りたい。
ああ、これが、子供の頃から憧れていた物語で書かれていた、恋なんだと気づいた。
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