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2章 異世界転移は駄目神の思惑

2-11 俺、ダブリスで物資を調達するようです②

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 商人ガリオンの言葉をとりあえずは信用することにしよう。今必要なものを伝えることにした。まぁ、ウソはついてないようだから大丈夫だろう。やばそうなら逃げればいいだけだしな。

「それでは、着替えの服、石鹸、保存食を手配すればよろしいのですか? もっと色々調達可能ですが……」

「いえ、余り多くても持ち運べませんし、それにお恥ずかしい話ですがお金があまりありませんので……本当は移動手段として馬車もほしいところなんですけどね」

「ふむ、わかりました。ハジメ様はあまり欲がないのですな。おっと、聖職の御身に失礼ない話でしたな。私が知っている聖職者とはもっと俗っぽかったもので申し訳ない」

「ハジメ様にならば、費用の事はある程度は勉強させて頂きますよ? なんでしたら馬車の1台お譲りしてもいいのですが、如何でしょうか?」

 ガリオンがやや変な顔をしてそう言ってきた。たぶん思ったより大人しい要求だったから肩透かしなんだろうな。この世界の聖職者には碌な奴がいないんだな、ますます会いたくないな。それにしても、馬車一台っていくらだよ……商人にそんなに借りを作ったら後が怖えよ。

「いえ、ありがたいお話ですが、大丈夫ですよ。お恥ずかしい話ですが、馬車があったとしても管理ができないもので……。あと、魔法具や魔石のお店があれば商品を見てみたいですね」

「魔法具ですか……お店を紹介したいところですが、ある程度買うことを前提として頂かないと難しいところですね。なにせ、1つ1つが高価なので」

「やはりですか……まぁ、できればという感じだったので問題ないです」

 まぁ、そうだよな。知り合いを紹介するからには冷やかしはできんわな。それにしても魔法具は高いのか~、まぁ便利そうな謎装置だから当たり前か。もし地球にあったら、確実に値段のつけられないオーパーツだろうしな。

「ですが、丁度ダブリスでバザーをしてまして、中には掘り出し物があるかもしれません。真贋の判断が必要ですし、内容もピンキリですがね」

 お、蚤の市みたいなもんかな? 面白そうだな。

「ガリオンさん、バザーは犯罪に巻き込まれる可能性があって、ハジメが参加することに不安があります。私は前衛系ではないので、もし何か問題があった場合は周囲を殲滅することになってしまいます」

 えっ!? エリンは何を言ってるの!? 殲滅とか物騒すぎなんですが!?

「あの、殲滅は大問題なので、できればやめてほしいんですけど……。私がご一緒しますからそれで何とかなりませんかね?」

 ほら! ガリオンもそう言ってるじゃん! 殲滅なんてダメに決まってるでしょ!?

「しょうがありませんね。では、2人で問題にならないように善処しましょうか。ケインたちからハジメを任されている以上は全力を尽くさないといけません。万が一の時は……覚悟しましょう」

 がくがくぶるぶる……。もしかして、エリンって一線を越えるとかなり危ないキャラなの? 怒らせないように注意しないと……。

「エリンさん? 自分の身は自分でも守れますから、大事にしなくていいのですよ?」

「ダメです。ハジメに何かあったら、私に任せてくれたケインたちに申し訳がありませんから。最悪、一帯を灰燼に帰しても守ってみせますよ」

 ひぃ、ダメだ! 悪化してる! ガリオンも青くなってるじゃん! ううう、何も問題が起きないように細心の注意を払って行動するしかないか……。

 安易に魔法具が見たいなんて言うんじゃなかったな……もう、後の祭りだけど。
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